******************************
<ミャンマーで今、何が?> Vol.51
2013.7.3
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
******************************
━━━━ MENU ━━━━━━━━━━━━━
・AAA:(政治)
A1:テインセイン大統領のラジオ演説を予告
・BBB:(経済)
B1:韓国政府がヤンゴン川に友好橋を架設 (その2)
B2:ミャンマー通貨の対米ドル換算レートが2013年の最安値
B3:ノルウェーとカタールが携帯電話入札を勝ち取る
B4:ミャンマー・米国間で相互貿易協定書に調印
B5:ミャンマー発・中国向け天然ガス輸送が7月1日から開始
・CCC:(生活一般)
C1:ヤンゴンの下町でクロコダイルを捕獲
C2:博士課程を受講していたミャンマー人12名がインドで失踪
C3:古美術品持ち出しで日本人が逮捕される
C4:ミャンマータイムズ紙の共同創立者がCEOに復帰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=================================
AAA:(政治)
A1:テインセイン大統領のラジオ演説を予告
=================================
NLM紙7月1日付け第1面トップで、テインセイン大統領が7月2日・3日・4日の連続して3日間ラジオ・メッセージを放送すると予告した。ヤンゴン放送局のみならずマンダレー・バガンなどミャンマー全国をカバーするもので午前2回、夕方の2回、一日の放送合計は4回となっている。
当然、重要なメッセージであることは間違いないが、この週刊メルマガは原稿締切時間の都合で同内容を報じられない。7月2日付けのNLM紙には同演説の全文が掲載されると思われるので、お急ぎの方は恐縮ながらインターネットで確認願います。
=================================
BBB:(経済)
B1:韓国政府がヤンゴン川に友好橋を架設 (その2)
=================================
6月27日付NLMでは韓緬友好橋の設置候補地が3ヶ所明らかにされた。
(1)ヤンゴン側のポンジー通り桟橋からダラーを連結する友好橋で全長2,425m、
工費はUS$178百万。
(2)ヤンゴン側のピイー道路とダラー町のボーミンヤウン道路に架設する橋で
全長2,243m、工費はUS$ 146百万。
(3)ヤンゴン側のボータタウン道路とダラー町のカナウン道路を結ぶ全長
2,510mの橋で、工費はUS$188百万の3ヶ所である。これから韓緬両国間でその選
定が行われるところである。
この架設候補地の上流にはNo.45号で説明した巨大企業Asia Worldの経営するコンテナヤードがあり、最近のミャンマーブームが空路による観光客だけでないことは、コンテナ船・その他船舶による物流の動きが目に見えて急増しており、そのコンテナヤードへの入出港船が急激に増えていることである。だが、ヤンゴン側の両岸には昔ながらの桟橋が無数に突き出し、このコンテナヤードを除いては今でも昔ながらの荷役が行われている。
ヤンゴン川はイラワジ川の支流にあたり、大量の砂・泥土が流れ込み、常時浚渫が必要とされている。しかも、上げ潮のときは下流域から海水が逆流し、干満の差によって入港船舶の水深が大きく左右される。そして小型運搬船やフェリーがヤンゴン川を忙しく横切りあるいは上り下りしている。船長および一等航海士が最も神経を尖らす河川港の水路であり、水先案内人のパイロットが腕をふるう見せ所でもある。
川底は上流から流れ込んだ泥土で船底を傷める恐れはないものの入出港船の水深は制限され、満船でDWT 10,000トン、浚渫および積荷の具合では最大12,000トン船型までが入港可能とされている。船舶の水面上の高さは当然のことながら満船・空船状態で上下する。
したがってヤンゴン川の架橋はAsia Worldのコンテナヤードに出入りする最大船型の最上部にある船橋・マスト・レーダー機器などをどのような条件下でもクリアせねばならない。イメージで言えば、サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジである。デルタ側の入り口に当たるダラー地区からはどこからも、そしてヤンゴン側でも建築ラッシュの高層ビルに邪魔されない限りほとんどの地区から遠望できるスカイラインのヤンゴン名物となることだろう。特に、今回の韓国グループはソウル市の南部地区を大発展に導いた漢江の奇跡をヤンゴンに再現したいとイメージしており、国を挙げてのプロジェクトとなるはずだ。
これまで発展とはまったく縁のなかった地平線まで延々と続く水田地帯に夢の工業団地・商業都市・韓国人経営者・従業員の住宅環境が出現することになる。
=================================
B2:ミャンマー通貨の対米ドル換算レートが2013年の最安値
=================================
6月26日現在のミャンマー通貨換算レートは1米ドル=970チャットとなり2013年の最低値を記録した。闇レートは1,000チャットを突破した。これはゴールド価格が世界的に低落していることと、現在ネイピードで開催されている宝石入札会でのドル需要が大きく影響しているものと市場関係者は見ている。
一方で当局は投機筋の参入を非難し、為替の取引を制限し始めたとのウワサも流れている。
=================================
B3:ノルウェーとカタールが携帯電話入札を勝ち取る
=================================
世界的な携帯電話運営会社約90社から応募が殺到したミャンマーの携帯市場だが、4月には11社に絞られ、最終的にミャンマー政府は厳重な審査の結果15年間の携帯電話事業はノルウェーのTelenor Mobile Communications社とカタールのOoredoo社の2社に決定したと予定通り6月27日発表した。
フランステレコムと日本の丸紅通信は次点で、上記2社が続行できない場合のバックアップとなった。
公式にはノルウェーといっても実態はタイで第2番目に大きな携帯電話会社を運営しており、カタールも実態はシンガポールで堅実に携帯電話会社を運営している。後者のOoredoo社に関しては、イスラム国のカタールを選別したという理由だけでミャンマーの過激な仏教僧からその携帯電話の使用をボイコットすべしという扇動的な呼びかけが開始された。
なお本件に関連して同日付NLM紙で異例の発表がなされた。内容はミャンマーの
電信電話法案が議会内で決着していない段階で外国の携帯電話会社2社を決定することは余りにも拙速である。よって法案成立まで2社決定は棚上げにすべしという議会決定にもかかわらず、大統領府は6月27日の期日は内外に向けて公表しており、今の時点でこの決定を遅らせることはミャンマー政府が面目を失うことになり世界中から非難を受ける。したがって6月27日の2社決定および発表は予定通り行うとの大統領側の反論を合計2ページにわたって詳述している。最近流行語になっている‘透明性’という点からは申し分のないものだが、国会両議長と大統領府との見解の不一致をあまりにも開けっぴろげに詳述しており幾ばくかの滑稽さを感じる。
=================================
B4:ミャンマー・米国間で相互貿易協定書に調印
=================================
6月28日、国内計画経済開発省と駐緬米国大使との間で相互貿易協定書が締結された。今後2年間にわたってミャンマー支援のためにUS$170百万ドルを支出するとオバマ大統領が2012年11月に約束したことが実行されたものであるとミッチェル米国大使は記者会見で発表した。
=================================
B5:ミャンマー発・中国向け天然ガス輸送が7月1日から開始
=================================
この見出しはNLM紙の情報だが、ミャンマータイムズ紙によれば当局はラカイン州から中国の雲南省向け天然ガスは7月末から輸送開始としている。一方ロイター電によれば、このパイプラインには問題が発生し、最大3ヶ月間の遅れが見込まれるとしている。
この2本のパイプライン計画は東南アジア原油パイプライン社と東南アジアガスパイプライン社の2社が運営し、両社ともに親会社は中国国家石油会社となっている。その両社の代表であるMs. Alice Pyrはガス輸送は運営開始できる状態だが、その開始日は7月としながらも正確な日時は不明としている。そしてパイプライン周辺の地元民の生活水準改善のために年間US$2百万を追加で寄付することにしたと語っている。一方で、ミャンマー側のパイプライン敷設は完了したが、中国側の建設が遅れているとの錯綜したニュースも流れている。
ということで、この問題は順調な運営までにはまだ若干時間がかかりそうなので、その後の続報に注目いただきたい。
=================================
CCC:(生活一般)
C1:ヤンゴンの下町でクロコダイルを捕獲
=================================
ヤンゴンは槌音高くと近代化のイメージが膨らむ一方で、昔ながらの典型的な熱帯地方であることも忘れてはいけない。ヤンゴン下町の東はずれにはパズンダウン川が流れ、ヤンゴン下町とタケタ地区を結ぶマハバンドゥーラ橋が架かっている。この入り江で胴回り約130cm、全長310cmのクロコダイルが6月26日漁師やボートマンなど大勢によって捕獲された。このクロコダイルは塩水・清水の両水域に棲息する種類であるが、漁船や小型船舶の往来で忙しいパズンダウン川に紛れ込んだものと思われる。
=================================
C2:博士課程を受講していたミャンマー人12名がインドで失踪
=================================
インド西部マハーラーシュトラ州ナーグプル大学にパーリ語の博士課程(PhD)修得に来ていた外国人学生が届け出た住所には存在せず失踪していることが判明したと反テロリスト部隊(ATS)が警告を鳴らしている。
失踪しているのは全員ミャンマー人で、その数は最低12名、失踪事件は2008年から発生していた模様である。この博士課程の修得には通常2-5年間かかるが、失踪した12名の行方についてはまったく手がかりがないという。
外国人留学生は市当局の警察特別支所に登録し、移動の際には逐一届出が必要とされているが、当局がこれらの登録を最新情報に更新していない杜撰さに非難の声も上がっている。
これはThe Times of India紙の6月30日付報道だが、この事件を今ミャンマーで増殖しつつある過激派仏教僧に結びつける論調でもなく、その意図するところがいまいち不明である。
=================================
C3:古美術品持ち出しで日本人が逮捕される
=================================
17品目の漆塗りを含む古美術品を持ち出そうとした日本人がアンティーク法違反で6月24日バガンの空港で逮捕され、6ヶ月間の刑期または罰金、あるいはその両方を受けることになった。本人の供述によれば、前日アーナンダ寺院近くである少年から貰ったとしているが、これは1957年に制定された古美術法第7(5)条に違反するとマンダレー地区警察当局は語っている。
しかし、何がアンティークであるかという法的な規定はあやふやで、外国人の正論で簡単に片がつく問題ではない。問題がここまで大きくなる前に現場での関係者と示談にする交渉術に長けた外国人は、西洋人でも、東洋人でも沢山いる。だが、ミャンマーに限らず海外であまりにもノー天気の日本人が近年増えているような気がする。これは金銭で決着を付けろという忠告では決してなく、最悪の事態に至る前に空気を読む能力があれば、関係者に誠実に対応して新聞沙汰になる前に別の解決策が得られなかったかという疑問である。
=================================
C4:ミャンマータイムズ紙の共同創立者がCEOに復帰
=================================
9年間監獄で過ごしたミャンマータイムズ紙の共同創立者が大統領特赦で赦免され、6月24日付で古巣のCEOに復帰した。同社の解説はこれまでも説明したとおりで、今週のニュースはこれだけに止めておく。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております!
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=============================
- ご注意 -
このメールマガジンは情報提供を目的としたものであります。
なお、内容につきましては正確であるよう最善を尽くしておりますが、その内容
の正確性を保証するものではなく、内容についての一切の責任を負うものではあ
りません。
=============================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「ミャンマーは今?」の全文または一部の文章をホームページ、メーリングリ
スト、ニュースグループまたは他のメディア、社内メーリングリスト、社内掲示
板等への無断転載を禁止します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※登録解除については下記のページからおこなえます。
○購読をキャンセル: http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元:ミャンマーメールマガジン事務局( magmyanmar@fis-net.co.jp )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|