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<ミャンマーで今、何が?> Vol.436
2021.06.23
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■先を急ぎたいが又寄り道

 ・01: 激励に感激

 ・02: 3シーズンの世界

 ・03: 不便さこそ教育の原点かも

 ・04: 学問の素養

 ・05: 滅亡する国、興隆する国

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:激励に感激

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プロバイダーを経由して、或いは直接のメールでいくつか応援歌を頂きました。WHさんからは二度目の激励で感激しております。
かなり古くからの読者に支えられていた事を思い知らされ、弱音を吐いた事を恥じております。
私自身は酒と書物での籠城ですので、ご心配頂いた危険はまったく身に迫っておりません。ご放念ください。Qガーデンの植木に水遣りしたり、新芽を見付けたりで、申し訳ないくらいに悠々自適の毎日です。
心配なのは寧ろ生徒達で、若気の至りで、警官に楯突いたり、兵隊を載せたトラックに中指を立てたりしないか、それを心配しています。



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・02:3シーズンの世界

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当地は3シーズンの国、日本を含め先進国は4シーズン。だがこれは体感しないとなかなか理解して貰えない。
今月から当地はモンスーン雨季に突入した。これが4ヶ月続く。日本ではアジサイを一ヶ月も愛でれば梅雨明けの夏空だ。

ヤンゴンの一週間予報だとスコール、雷雨が連日やって来る。南国の雨足は早い。一粒落ちたら駆け足で雨宿りせぬとズブ濡れだ。

“月様、雨が!”、“春雨じゃ、濡れて行こう!”など月形半平太のセリフは不似合いだ。

4月5月の猛暑の後のモンスーンは気温が下がりホッとする一面、4ヶ月も続くとゲンナリしてくる。皮革製品のバッグやベルトは勿論、汗をかいたTシャツなどは二日でカビが生えて来る。食パンも目を凝らして選別しないと、耳にカビが薄っすらと生えている。製造・消費年月日などの食品記載事項は多湿の時季になると全く役に立たない。自分の目で点検し、当たり外れは自己責任だ。
洗濯物を干しても風が通らぬと夕方にはカビの臭いだ。石鹸水につけて置き、翌日の晴れ間具合で再度洗濯となる。

このようにヤンゴンは4ヶ月毎の3シーズンを体験して初めて地元の苦労が分かる。地球の歩き方を片手にベストシーズンに訪れても、それは本物のミャンマーではない。



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・03:不便さこそ教育の原点かも

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官女ムラサキは何百年も昔、はるか以前に活きていた人だ。皇帝のいた日本の宮廷での、彼女自身の長い生活の記録を書き残した。私は、優雅な筆触と、心の琴線に触れる真実さに、そして宮廷的な冗漫さを交えたこの本からの抜粋を読んだので、紫式部は、私にとって大変親しみ深い人となり、そして昔の日本の、狭いが潤いのある世界の生き生きとしたありさまを、心に浮かべることができる。

これは第3巻66頁(81番目の手紙)でネルーが娘のインディラに語った言葉だ。

日本人はインドの事はほとんど知らない。だがインドのネルーは英国ケンブリッジ大学で学んだ教養人だけに欧州は勿論、ヨーロッパを脅かすロシア帝国、そしてその崩壊のつぶさに詳しいだけでなく、極東の片田舎の平安の絵巻物・源氏物語まで読破している。歴史の縦糸横糸の綾にまで、その知識欲は広がる。
そして父親が書籍から見聞したことをあれもこれもと、どうしたら一人娘のインディラに理解させられるか苦労している。

不便さだらけのあの時代に、しかも獄中という不自由な中で、ウィキペディアもスマホもないが、父親としての溢れんばかりの愛情を注いでいる。
何千倍も便利な時代に生きる我々はそれを怠ってきたのではないだろうか。
この落差が歴史の断絶と言う大罪を生み出した。
ユダヤの民は親から子へ、民族代々の伝承として言葉という文明の利器を利用して、苦難の中でも途切れることなく歴史を継続させてきた。この継続こそチカラで安易に陰謀論でひと括りにする問題では無いような気がする。

逆説的だが、この不便さこそがその後のネルーの偉業で開花したと見るがどうだろう?
現代人は子供の教育を丸投げして学校に委ねている。
教育の原点は一対一で向き合う親の責任として、ミャンマーの学生とは対峙している。

同様に激励して頂いたTTさんにも、目明きが見ることが出来ぬ、あるいは見落とした大事なモノを鮮明に見透しておられるのではなかろうか?
そう思えてならない。
全盲という冷徹な目で、ネルーが愛娘に贈った珠玉の言葉に接して頂ければと思います。
ひねくれ者の私は第8巻から読み始めて現在第3巻です。第1巻に辿り着いたら最初から再度最終巻まで読み直す予定です。物忘れが激しいということもありますが、映画も読書も見直す度に新発見があり、その価値があるものは読書百遍を心掛けています。今時のオニイチャンに言わすと“ああ、アレは見た”で会話は途切れてしまいます。
今は状況が許されませんが、一度お目にかかって全盲の方の読書術という未知の世界を覗かせて頂ければと祈念しております。



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・04:学問の素養

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という訳で、スマホもPCもなかったあの時代の教養人の奥の深さに圧倒されてしまった。
カルカッタの港湾局長も海運局官僚のエリートだけにその素養は充分に身に付けていた。
しかもネルーも港湾局長も同じインド人だ。

それに引き換え、日本人の言葉の重みは消滅してしまったような気がする。
政府高官やマスコミが「インド太平洋」と発言するたびに、これは「インド洋・太平洋」とすべきでインドと太平洋を直接連結するのは日本語としてオカシイと重箱の隅を突きたくなる。

母国語を粗末にする指導者を担ぐ国家が亡びるのは歴史の必定ではないか?

歴史を子に伝えて来なかったのは私達の世代に責任があるとのコメントにはTTさんにもご賛同頂いた。



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・05:滅亡する国、興隆する国

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話が冗漫なのはこのメルマガの病である。
インド繋がりで下記YouTubeをご紹介したい。生徒たちの目を開かせる教材でもある。
『世界最強の人材国家とは?アメリカの巨大企業も経営を任せるスーパー人材国家』テレ東経済アカデミー2021年6月3日

グーグル、マイクロソフト、IBM、一時?はソフトバンクもインド人がトップに就任。
ハーバード・ビジネス・スクールの前任・新学長もインド人。
早稲田大学ビジネススクール入山章栄に豊島晋作が迫る。

ミャンマーではインド人を“カラー”と肌の色で蔑み、劣等感を払拭しようとするが、どうしてどうして隣国インドは歴史的に巧妙で老獪なイギリスの支配下にあった兄弟国である。

米国は優秀なインド人に職場を解放してジャイアントTech企業が成長し世界一の経済力を保持している。経済奴隷として技能実習制度を編み出し凋落の道を辿る国とは大きな違いだ。

ついでに『Top 10 Best Universities in the World 2020/Top Videos』が参考になった。残念ながら日本での一流大学は世界で評価されていない。
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只今のヤンゴン時間6月23日(水)午前9時15分。
発信トライします。



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