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<ミャンマーで今、何が?> Vol.42
2013.5.1

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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・01:AAA:(政治)
  -A1:安倍首相が今月末ミャンマーを訪問
-A2:テインセイン大統領がICG会長平和賞を受ける

・02:BBB:(経済)
-B1:ミャンマー初の携帯電話レンタルサービスが登場

・CCC:(生活一般)
-C1:共同通信社がヤンゴンに支局を開設
-C2:大統領特赦で拘束中の93名が釈放
-C3:ドー・スー(Madame Suu)貴女はいずこに?
-C4:コメント

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<AAA:(政治)> 

○A1:スーチーさんが日本訪問を終え帰国

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ミャンマーに対する中国の影響力増加を懸念する日本は5月25-26日に安倍首相がミャンマーを訪問すると報じた。

日本はミャンマーの民主化改革への協力を強化し経済発展を支援する意向である。

安倍首相はテインセイン大統領と会見し投資・インフラ開発に関して話し合い、少数民族地区での学校建設、畜産・農業分野での技術協力援助を発表するものと予定されている。

日本の現職首相によるミャンマー訪問は1977年の福田赳夫首相以来のことで36年ぶりとなる。そして最近来日した民主化の旗手アウンサンスーチー党首とも再び会見する予定になっている。

日本はミャンマーが推進する政治改革・経済改革を高く評価してその借金を棒引きにした。

日本の経済は安倍首相の就任後改善しており、株式市場も昨年11月比40%増となっている。


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○A2:テインセイン大統領がICG会長平和賞を受ける

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4月22日、テインセイン大統領にミャンマーの歴史的な改革を率先して行ったとしてICG(国際危機グループ)会長平和賞がニューヨークで授与された。ソロス基金のジョージ・ソロス会長が今年の受賞者2名(同時授賞はブラジルのルイス・ルーラ前大統領)を発表し、テインセイン大統領の大胆で先駆的なミャンマー改革の足跡がビデオ・クリップで紹介され、大統領府のU Aung Minがテインセイン大統領に代わり平和賞を受賞した。

テインセイン大統領自身はビデオ・メッセージを送り、この賞は私個人にではなく現在進行中の民主化推進運動を代表して授賞するものと理解していると述べ、少数民族問題にも触れ、平和無しには民主化は達成できず、民主化無しでは平和は達成できないと語った。ここに列席の皆さま全員をミャンマーにお招きしたい。ミャンマーは今民主化への途上にあるという新たな希望が満ち満ちている。民主化をただ口にするだけでなく、平等・社会正義・寛容という価値観に基づく新しい文化を建設していかねばならない。かっては不可能と思えたことが今可能となってきた。これを確かなものとせねばならないと語った。



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BBB:(経済)

○B1:ミャンマー初の携帯電話レンタルサービスが登場

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テレコムスクエア社は現地企業と組み、ミャンマーでの携帯電話レンタルサービスを開始した。 これはミャンマーでWi-Fiルーターと携帯電話を貸し出すもので、この利便性の高いサービスを提供する外国企業は同社が初めてとなる。

レンタル料金は、Wi-Fiルーターが$15/日、携帯電話が$4/日で、Wi-Fiルーターは定額制で使い放題となっている。ミャンマーでのWi-Fiルーターのレンタルは同社のみが提供している。携帯電話の通話料金は発信$0.05/秒、着信$0.04/秒の秒課金制で、日本キャリアのローミング価格よりも安価に通話料金が抑えられる。

支払いはポストペイド型なので、SIMカードやコーリングカードの購入、チャージが不要である。

オンライン予約でのクレジットカード払いも可能で、宅配サービスによりホテル等の指定場所に配達、返却も可能である。

先月、ミャンマーでは低価格のSIMカードが販売されたが、販売数量が少ない為、入手が難しく、多くの利用制限もある。海外からの出張者にとってはこのレンタルサービスは利便性が高く、即日実務に使用できる。

HP: http://mmy.telecomsquare.co.jp/jp/19-1
FB: http://www.facebook.com/pages/Telecom-Square-Myanmar/514706198568647



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○CCC:(生活一般)

C1:共同通信社がヤンゴンに支局を開設

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日本の共同通信社はミャンマー情報省と覚書を締結し、4月23日ヤンゴンでの支局開設が認可された。


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○C2:大統領特赦で拘束中の93名が釈放

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この数字には3名の外国人が含まれており、4月23日の釈放と同時に彼らは国外追放となった。

ミャンマータイムズ紙によれば、同紙の検閲を回避した罪で14年間の刑期を受け、シャン州タウンジー刑務所に8年以上収監されていた同紙の共同創立者ミャットスウェ氏(ソニー)も釈放されたが、同氏の父親・テインスウェ元准将は現在ミンジャン刑務所で152年の刑期に服役中である。

ミャットスウェー氏の釈放により、共同創立者のロス・ダンクレー氏(オーストラリア籍)はDr.Tin Tun Ooおよびその妻に対して二人が取得した同社の株式持分の返還を迫り、同社の所有権および内紛事件に新たな展開が予想される。

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○C3:ドー・スー(Madame Suu)貴女はいずこに?

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ミャンマー・タイムズ紙(4月29日ー5月5日最新号)の社説がスーチーNLD党首を露骨に嘲弄した。完膚なきまでにスーチー女史をこき下ろしたこのような社説記事は非常にめずらしいのでこれをお伝えしたい。

ミャンマー民主化の象徴であったアウンサンスーチー女史が謎の失踪事件を起こした。その友人や側近は軍首脳および超リッチな取巻き連中の陰謀だと疑っている。

もしそうならば、彼らは瓜二つのソックリさんを巧妙に仕立て上げたに違いない。何が起こったのか振り返ってみよう。

1988年、ドー・スーはミャンマーに戻り、恐れを知らない民主化の旗手となった。この資源豊かな国で誤った統治を行い、人民を貧困に陥れたとして軍の独裁者を徹底的に批難し、その過程でノーベル平和賞を受賞し、その人生の大半を拘束の身で過ごした。

そして2010年には拘束を解かれ、前例のない政治的活動が許可され、全国内を遊説し、国会に一議席を占め、ワシントン・ロンドン・パリと外遊まで行った。そこで突然彼女は消えてしまった。我々が知っている本物のドー・スーは消えてしまった。そこにはもう一人別の彼女が現れ、同じ名前をかたり、同じ相貌である。フランケンシュタインのようなこの怪物は将軍や金持ちの取巻き連中と即座にベッドを共にし交わった。“私は心底、国軍を愛しています”と彼女はBBCに語っている。

少年兵を募集し、少数民族を略奪・レイプし、1988年と2007年には何百人という市民デモ隊を殺戮した将校を賞賛するスーチーは本物なのだろうか?

間違いなくこの女は身代わりに違いない。この女は国軍の請負仕事で稼いだ金でフェラーリやロールスロイスを乗り回す取巻き連中から党の資金を嬉々として受取ったのだから。それだけではない、このドー・スーのニセモノは中国軍の多角経営企業とミャンマー国軍ミャンマー・エコノミック・ホールディング社が共同所有するレッパダウン銅鉱山を支持し、それに抗議する農民を見捨てた。そしてこのニセモノはメイチーラ、ヤンゴン、ラカイン州でイスラム教徒が殺戮された時にその化けの皮がはがれた。この大虐殺にこのレディーは立ち上がったか?いや、立ち上がらなかった。本物のドー・スーは国軍に誘拐されたのだ。開放されることを望んでいる。しかも、今すぐにだ。

(注)これを書いたRoger Mittonは明らかに西洋人だが、社主はオーストラリア人である。これが社説での表明だけに、同社挙げてドー・スーのみならず、ミャ
ンマー国軍に挑戦状を叩き付けたようなものだ。どういう反響があるのか注目したい。


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○C4:コメント

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ICG会長平和賞をテインセイ大統領に付与したのは世界の億万長者ジョージ・ソロスである。1997年のアジア通貨危機の際はその張本人とマレーシアのマハティール首相がジョージ・ソロスを名指しで激しく批難した。今回のテレコム・ライセンス申請でそのジョージ・ソロスの名前も資金提供者として挙がっている。すべては最終的2社が決定してからの話だが、もしジョージ・ソロス関連のテレコム企業がライセンスを入手した場合、テインセイン大統領は自分が先導してきた経済改革・透明性・汚職について徹底的な説明を求められることになるだろう。

これまでは、スーチー党首とテインセイン大統領のコンビでミャンマーの民主化は信じられないほどの驚くべき進展を遂げてきたが、これからは不協和音を含めて実務的な矛盾・混乱が露呈するものと予想される。これからが民主化の胸突き八丁で、最も苦しい道程だ。読者と共にそのあたりを注目していきたい。







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