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<ミャンマーで今、何が?> Vol.418
2021.03.06
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■!単主絵の恐怖政治!
・01: 3月06日GNLM紙は前日のコロナ数字を掲載せず!
・02: ミャンマーは複雑系国家
・03: 修復し直して貰ったバックナンバーを活用
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:2021年03月02(火)午後8時発表(前回のまま)
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陽性感染者数合計:141,965名
新感染者数:49名
死者数合計:3,199名
退院者数合計:131,534名
現在検査中:名(*数字判明せず)
出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省
(*本朝3月06日GNLM紙は前日のコロナ数字を掲載せず)
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・02:ミャンマーは複雑系国家
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この原稿を書き始めたのは3月6日(土)午前2時30分。
実は昨日書き終え発信作業に入ったところで停電、数時間後に回復。再度発信しようとしたらまたもや停電。敵はネット遮断作戦から、停電作戦に切り替えたようだ。
ところが原稿は自動保存されておらず、すべて消滅してしまった。
ゼロからの書き直しである。気が滅入るが、書かなければ前進しない。
一方バカ殿の錯乱状態が異常だ。先を急がねばならない。
ヤンゴン北部の北オカラッパで地元民が閉鎖した道路上に一般市民が大勢集まってきた。国防軍は小型飛行機を飛ばし頭上から銃撃し、13名が死亡。けが人数は不明。3月3日の無謀な事件である。そして翌4日も同様の空からの銃撃事件が起きている。敵は何を焦っているのだろう。
CDM(*市民不服従運動)を含めて一般市民は武器など一切所有せずに集合し、法に従い平和な行進を行っている。クーデター反乱軍は武器を持たぬ市民を銃殺し始めた。国防軍首脳陣はピンウールインにある“国防アカデミー大学”を卒業した超エリートたちである。
国内に敵をでっち上げ一般市民を殺戮することを学ぶのが“国防大学”の使命なのか? それを最終責任者である上級最高司令官に問い糾したい。国外の敵に対峙する勇気がなく、同胞に銃を向け大量虐殺するのが国軍の勇気なのか、それを最終責任者である上級最高司令官に問い糾したい。
今年2021年2月1日早朝のクーデター決起以来、反乱軍の犯した行動は狂気の沙汰である。
翌2月2日以降、日刊英字紙GNLMの紙面は反乱軍のプロパガンダ紙に突然変ってしまった。
それを分析してみたい。
それ以前の4年間(*2016年4月1日から2021年1月31日まで)はスーチー民主政権の改革によって、このGNLM紙ですら新情報省の努力で、法とルールを遵守すること、透明性と説明責任を果たすこと、が繰り返し強調され、過去の政府のマウスピースから開かれた報道紙に変革中であった。
その骨組みはすべてスーチー民主政権が4年間という年月をかけて構築した物で、トップ人事を突然軍関係者に交代させたところで、それを運営するノウハウおよび能力は皆無である。軍人方式のトップダウンで、仕事をしろと命令しても、どの部署においてもスタッフが動くはずがない。
それが今回のミャンマー全土で自然発生的に湧き起こった市民レベルでの不服従運動である。彼ら一人ひとりは“民主主義”の芽生えと、“自由”と言うものの息吹を、ほんの僅かではあるが、スーチーの第一次政権から味合うことができた。
2月1日は萌芽状態の“民主主義”と“自由”がギアアップするスーチーの第二次政権が発足するまさにその日であった。そのタイミングでクーデターを決起したということは、上級最高司令官をはじめとする国防軍側に待ったなしの事情が迫っていたとこのメルマガは解釈した。
その重要なヒントが2015年8月12日深夜ネイピードのUSDP(*当時テインセインの与党)本部ビルで発生した与党内部のクーデター事件である。スーチー率いる野党NLDがその年11月8日の総選挙で雪崩現象と言われる大勝利を予感してか、あるいは恐れてか、僅か3ヶ月前の待ったなしでの党内クーデターであった。
ここから先は、スーチーの言う“ミャンマーは複雑なんです”の世界なので、多忙を理由に簡易なひと括りがお好きな方は無料メルマガ購読中止をクリック願いたい。
逆に時間はたっぷりと余裕のある方には、ミャンマーの複雑怪奇な伏魔殿へご招待したい。
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・03:修復し直して貰ったバックナンバーを活用
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与党USDPの内部抗争は下院議長シュエマン追い出し事件とも呼ばれる。
詳細はバックナンバーVol.158(2015.08.19)およびVol.159(2015.08.27)でカバーしている。
そこに至るシュエマンの陰謀にも言及した特集号が幾つかあるので、それはご自由に!
今回のクーデターはシュエマン追い出し事件を不器用なほど下敷きにしている。
将来の展望無しに決起したクーデターで、クーデター後の無様な慌てぶりは滑稽ですらある。本当に国軍のエリートなのか? つじつまが合わないことばかりである。
それでは3月4日(木)の日刊英字紙GNLMの第一面から解説してみよう。
MAHと軍服作業グループの写真つきで『To observe democratic culture of solving issues through dialogue is so important: Senior General』と表題がついている。上級大将の発言となっている。小学校を卒業し、理屈が分かる人なら笑ってしまう発言だ。
『民主的文化を遵守するなら問題解決には対話が非常に重要だ!』稚拙な和訳だが当たらずとも遠からずだ。
クーデター以降、MAHが主催する会議は、すべてスーチーが構築した枠内で語彙だけを弄り回しているので、言行不一致の錯乱状態に陥っている。その好例がこの英文である。多分小学生から上級将軍に単純な質問が飛ぶことだろう。
「対話が重要と知りながら、なぜ武力でのクーデターを起こしたの?」と。実に真っ当な質問である。駐緬の外交団で、この質問を上級将軍に突きつけた大使はいるのだろうか?
大使一人ひとりに聞いてみたい。出来なければ大使失格である。
実はこの質問にもっとも怯え悩んでいたのが上級最高司令官である。
それが証拠には、クーデター後の言い訳にアタフタしていた。クーデターを正当化しようと必死に繕っていた。
だからクーデターという言葉を異常なほど怖れ、“クーデター”の使用禁止令まで記者団に強いた。言論の自由は民主主義のイロハということすら国防軍団は学んでいない。クーデターの定義は「対話なしに武力で政府転覆を謀ること」で今回はその典型的なケースである。
敵の情報紙であるGNLMを徹底的に読み込めば、国防軍団の心理状態が明白に書かれている。
だが欧米の政府連中や外交団はサイバーインテリジェンスの時代に、基本的な諜報活動も行っていない。
残念ながら予定されている国連派遣特使もミャンマーの異常な緊急事態を早急に打開できる外交能力は持ち合わせていない。FRANCE24、あるいはAl Jazeeraなどの英語放送でこれらは確かめられる。
それでは打開策はないかというと、秘策がある。
それの大きなヒントがバックナンバーVol.222(2017.7.4)の・03:単主絵の性格で説明したソ連邦のスパイ学校で耐え抜いた彼の凄さである。これによって彼はネウィンに次ぐ恐怖政治をつくり上げた。
その恐怖政治は国民に対してではない。身近であればあるほど身近な側近に対しての恐怖政治である。その恐怖を肌身に感じてビクビクしていたのが、シュエマン、テインセイン、ミンアウンライン、ミエンスエなどの側近将軍である。
バックナンバーの数字がたまたまだが“2”の連番となった。
その恐ろしさを咀嚼してもらったうえで、複雑国家のさらなる複雑ゲームを次号で分析・解説していきたい。
秘策は若者たちが産みだそうとしている物で、かなり厳重なセンサーを逃れられるかは、奔放な日本語能力にかかっている。それは私の仕事だ。芭蕉とKabar Makyay Buのフュージョンである。
ただいまのヤンゴン時間3月06日(土)午前10時30分。
これから発信トライ。
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