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<ミャンマーで今、何が?> Vol.400
2021.02.02
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■戒厳令布告ドキュメンタリー2021.02.01
・01: 2021年02月01(月)午後8時発表
・02: 2月1日早朝BREAKING NEWS
・03: ヤンゴンはいたって平穏
・04: 日本の周回遅れが目立つ
・05: 神頼みのメルマガ
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:2021年02月01(月)午後8時発表
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陽性感染者数合計:140,354名
新感染者数:209名
死者数合計:3,138名
退院者数合計:125,324名
現在検査中:11,892名
出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省
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・02:2月1日早朝BREAKING NEWS
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午前2時起床の身にとって、午前6時は一仕事終わり、ひと寝入りしようかという時間帯だ。
Viberがチン・チンとリング音を鳴らしている。生徒の一人からだ。
短く“Good Morning!”と返信。
2021年の2月1日はこうやって始まった。
大文字で“BREAKING NEWS!”と返ってきた。こちらも大文字で“WHAT?”と打ち込む。
キーボードを英語に切り替えるのも馴れて来た。
英語の生徒ではあるが、スマホでは私の先生だ。
ガラパゴスに取り残されるのを、彼女が救ってくれた。
画面はタイプ中・・、そして“The Lady arrested・・”
画面はタイプ中だが、“Sure?”と聞き返す。
Presidentおよび他のMPの名前も“・・also arrested”と続く。
眠気を催していた目が冴えてくる。時間は2月1日午前6時20分。
日本で信用置ける何人かにLineで打電。
「スーチー逮捕のウワサあり。過去の経験から、渦中のミャンマーより、外電の方が確実で早い筈。ガセネタの可能性もあり。関連情報流れたら教えて欲しい」と依頼した。
Viberが電話に変った。TelenorもMPTも閉鎖された、と悲痛な声だ。別の友人からもWiFiがクローズされたようだ・・の情報が。戒厳令か?クーデターか?
その内、日本の友人から情報とメディアのURLが続々と送られてくる。BBCもあるが、元ネタの大半はロイターだ。地元生徒や友人が情報をくれる。断片的だがありがたい。スマホが世の中を変えた。情報収集はスマホに限る。
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・03:ヤンゴンはいたって平穏
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テレビも国営放送以外は見れないようだ。
通信手段も遮断された。次ぎは停電だろうか?
WiFiはまだ繋がっている。
錯綜する情報整理に午前中を費やした。時間が経つに従い、明らかになってきたことがある。
ヤンゴンにおいては軍事行動は行われていない。
事件はミャンマーの首都ネイピードで発生している。
それを確認するため、昼過ぎに下街の事務所を出発。
マスクと顔面シールド、短パンにゴム草履。所持品はスマホと現金のみ。
マハバンドゥーラ大通りを西に市庁舎を目指した。軍用トラックの集結を確認するためである。
市庁舎近くで小型トラック3台が西から東に突っ走って通り過ぎた。
乗り込んだ若者たちが騒々しい。国旗を何本も立て喚いている。軍人や警官ではない。ほとんどがパーカーやTシャツを着込んでいる。国軍支持の連中だ。
市庁舎では、軍用トラックが数台止まり、迷彩服の国軍兵士らしき連中がうごめいている。柵の中なのでピリピリ感・緊張感はない。ヤンゴンは平穏と見てよい。デモの集合場所となるマハバンドゥーラ公園は立ち入り禁止で、独立記念塔がひっそりと立っている。
市庁舎と公園の間の人混みは、YBSバス待ちの一般乗客、飲料水などの物売りだ。
何人かの顔見知りと出遭った。本日は事務所は閉鎖で、ウワサを確かめに出てきたという。
同じことを考えるものだ。まったく緊張感はなく、拍子抜けの状態だ。
街の情報として:ヤンゴン空港への道路が閉鎖され、国際便・国内便も飛んでないらしい。
マンダレーなどへの高速道路も閉鎖された模様だ。
あらためてヤンゴンは平穏無事で軍部に対するデモ行動も行われていない。
国旗を立てた3台の小型トラックのみが騒々しかった。やはりクーデターは首都ネイピードだけのようだ。
シャングリラホテルの正面入口は閉鎖され、マーケットプレースのみ開店していたが、客は疎らだった。銀行は本日は閉鎖、明日は開店との話し。ATMは短い列ができていた。コンビにも込んでいない。フライドチキンも、ピザ店も、開店していたり、閉じていたり、バラバラだ。
マハバンドゥーラからアウンサン市場付近まで、帰りはボージョーアウンサン通りと、グルッと一周、昼過ぎの一時から三時まで、二時間かけて偵察してきた。鉄条網や兵士などキナ臭いものには出遭わなかった。
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・04:日本の周回遅れが目立つ
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帰宅したが停電ではない。パソコンの電源もOKだ。WiFiでYouTubeも見れる。
先ずは冷えたビールで、老化した頭に喝を入れる。
どうして国軍は停電作戦を実行しないのだ。これまでは国軍の得意技だった。
電気を切ればほとんどの職場がお手上げだ。スマホの普及が国軍作戦まで変えさせたのか?
各国政府の対応は素早い。政権が変ったばかりの米国政府、EUを離脱したばかりの英国、ブリュッセルに本拠地を置くEU政府、欧州各国の政府、オーストラリア、ニュージーランド、中国、アセアンの一部の国ですら、ミャンマーの軍事政権へ厳しい非難の声を即座に挙げた。
その背景には、各国の情報網が専門的で、ジャーナリズムの手法が確立されていることにある。元ビルマ駐在の大使クラスに解説を依頼したり、東南アジア専門のシンクタンク所長に質問を投げかけている。主要TV局のアンカーはあくまでも専門家へのインタビューアーである。要領よく疑問を専門家に問い合わす。
日本の報道は隣国タイの支局長あたりが自分で原稿を作成し、そして自分で解説する。あまりにも通り一遍で、一般常識の線を越えない。官房長官の記者会見でも、現地大使館に照会中とか、スーチーなどの釈放申し入れを検討したいと、CNNの時代に、何周遅れの説明にならない説明が目立つ。
欧米報道は国軍内部の情報を分析しており、すでにクーデターの発生を予期している。だから、今回のクーデターの発生したか要領よく動画に纏めており、中には日本政府、そして中国政府の対応は、と各国政府比較までやっている。
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・05:神頼みのメルマガ
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本日2月2日、英字紙MYANMAR TIMES、GLOBAL NEW LIGHT OF MYANMARが発行されるか未だ分からない。入手できたら大いに参考にしたい。
それ以外に昨日から欧米のマスコミ、政府の動きだけでは、腑に落ちないところが幾つもある。それらを整理して不定期でメルマガを配布したい。
スーチー政権の立法・司法・行政という権限を武力で制圧し、憲法を停止し、ミャンマー全土に一年間の戒厳令を発布した。
臨時大統領として副大統領のU Myint Sweを指名した。
今回の戒厳令を指揮したのは、三軍の最高司令官である上級将軍Min AungHlineである。
私の見立てでは国軍内部で天地をひっくり返すような大事件が発生したか、起ころうとしている情況ではと分析している。
今回のスーチー第二次政権奪取は、過去のクーデターの再発ではない。
何故昨年11月の総選挙後、最初の連邦議会開催の初日早朝にクーデターは発生したのか?
国軍内部での動揺を食い止める動きは、2月1日明け方までもつれ込んだと見ている。
ミャンマーらしい大事件である。
メルマガのバックナンバーにその秘密は書かれている。
場合によっては、立て続けに次号を配布するかもしれない。
事情が鮮明に見えるまで、数週間かかるかもしれない。
だが一ヶ月を超えることはないだろう。
配布はすべてプロバイダー殿お任せだ。
ただいまの時間2021年2月2日午前9時である。
停電は免れているが、WiFiは発信するまで信用置けない。
すべては神頼み、プロバイダー殿次第である。
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