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<ミャンマーで今、何が?> Vol.387
2020.10.23
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■ずばりCOVID-19を考える!
・01: ずばりCOVID-19を考える!
・02: 新型コロナを考える
・03: 統計数字は信用できるか?
・04:「どこでもドア」を手に入れた
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:2020年10月22日(木)午後8時発表
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陽性感染者数合計:41,008名
新感染者数合計:1,312名
死者数合計:972名
退院者数合計:21,144名
現在検査中:18,859名
出典:保健スポーツ省
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・02:新型コロナを考える
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今回は“植民地時代の英国はビルマのロイヤル・ファミリーをいかに消し去ったか?/ビルマ最後の王家”を予定していた。だが予測していたとはいえ、ミャンマーのコロナ感染者数が4万の大台に乗り、死者数も激増している。
ミャンマーの人たちが感染に怯え、取り残された外国人も帰国できず、浮き足立ってきた。そこで話題を急遽COVID-19に切り替えることにした。
ミャンマーの人たちは風説に左右されやすい。ウワサに弱いのはミャンマー人だけでない。怖いのは現実を見つめずに、世界中の人たちが右往左往することだ。因果関係はないのにその責をスーチー政権に求めたり、ナンマイダを唱えたり、自分を失った人間は怖い。
COVID-19の解決は愚かな政治家が采配出来るものではない。優秀な細胞学ドクターの独占物でもない。ましてや大製薬会社が解決できる問題ではない。ということが分かってきた。
どうも自分で解決すべき問題のようだ。新型コロナと向き合ううちに、そう結論付けた。
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・03:統計数字は信用できるか?
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ミャンマーの保健・スポーツ省は必ず毎日午後8時に上記の数字を発表してきた。昨夜10月22日の数字は、陽性感染者数合計はついに41,008名、死者数合計も1,000名の大台に近づいている。
被疑者(*陰性・陽性が確定したわけではない)を2週間隔離して様子を見る検疫施設も満杯状態である。現在検査中が長いこと15.581名だったが、昨夜18,859名に増加した。
これはクオランティーンの隔離施設が増設されたものと了解する。
ミャンマーは鎖国を止め民主政権を宣言してから、国連機関、国際的NPO・NGOの団体、友好支援国から、援助をうけてきた。それは経済援助、技術支援だけでなく、インフラ整備、学校建設、金融システムと多方面にわたる。そこで昨年12月から“新型コロナ”騒動に巻き込まれた。
今年2020年1月から世界中で大騒ぎが起こった。情報とはなりえないウワサが世界中で飛び交い不安に陥れられた。だが100-150年のスパンで発生する世界的パンデミックと断定され、ミャンマー独自の風土病でないことが判明した。
かといってミャンマー独自に撲滅できる感染病ではない。医療分野でのインフラ不足も露呈した。すべてを国際機関など海外に救いを求めねばならない。感染源は中国の武漢である。ミャンマーにとっては隣国である。政府は2月3日航空機による中国との往来をすべて停止した。
だがフェースマスク、赤外線検温器、コロナ感染の検査キットなど、中国・韓国からの協力およびそのパフォーマンスは素早く際立っていた。ビジネスその他での見返りを期待するお決まりのミエミエ作戦である。当然ミャンマー政府は謝辞を述べる。特に海外では、控え目な日本スタイルは時代遅れで目立たない。
旧軍事政権はZenophobia(*外国人恐怖症)で、猜疑心から海外の援助をすべて拒絶した。民主化でミャンマーは世界にオープンした。多くの数字データを扱う統計という手法も導入された。だが統計ほど恣意的に誘導できる数字はない。この分野では日本政府も官僚も、そしてマスコミもプロである。アメリカの大統領選挙からマネした、国民誘導法である。
しかしミャンマーの保健・スポーツ省が発表する上記数字は各国の技術援助で算出したもので信頼できると看做したい。もちろん国境のチェックポイントをすり抜ける政府高官、ビジネスマンは存在する。鼻薬に関してはミャンマーは一流先進国である。
そこでメルマガのバックナンバーを振り返ってみた。Vol.143に2008年5月2日の思い出がドキュメンタリー風に纏めてある。
12年前、多数の死者を出したサイクロン(*日本の台風に相当)ナーギスの記録である。
軍事政権は死者数の統計数字を日刊英字紙NLMで連日発表した。その数字は、新型コロナと同じく加速度的に増加の一途を辿った。死者数はついに13万人の大台を越えた。そこで軍事政権は死者数の発表を突然停止した。
軍事政権は統計数字を集計・管理・処理する能力がなかった。最終数字を受けてナーギスの死者数合計は13-14万人と報道されるが、とんでもない。実際の数字はそれをはるかに上回っている。軍事政権時代の国勢調査の人口統計や、国民投票の数字も、信頼できる数字でないことは明白だ。
繰り返すが、現在のCOVID-19に関しては、国境地帯でのすり抜けはあるが、国際機関の協力もあり、まず信頼できると看做そう。誤差率で言えば、11月3日に行われるアメリカ大統領選挙よりも遥かにマシな数字である。
従ってこのメルマガもミャンマー保健・スポーツ省から発表される数字をお伝えする。
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・04:「どこでもドア」を手に入れた
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またまた話が逸れてしまった。本題に戻す。
新型コロナの分かりやすい、教科書を求めてYouTubeを徹底的に活用した。スペイン風邪とか黒死病(*ペストの俗称)、SARS、MERS、パンデミックをキーワードとして手当たり次第に検索した。そして内外の情報を片っ端から鑑賞した。
だが最後に行き着いた究極のお薦めは、次のYouTubeである。日本語だけに分かりやすい。
『新型コロナと闘う 児玉龍彦X金子勝』で検索。最新版は10月13日付け。東京大学先端研がん・代謝プロジェクトリーダー児玉龍彦の説明が秀逸だ。私の頭脳でもついていける。そして経済専門の立教大学特任教授+ジャーナリスト升味佐江子は医学分野では素人である。その二人が素朴なナゼを児玉教授にぶつけていく。
この番組はシリーズ物で、今年4月から政府の対応のお粗末さを曝露してくれる。日本だけでなく、欧米・北欧の進捗状況も視野にいれ、理に適った説明をしてくれる。新型コロナはご承知の通りそのタイプを変化させていく。先端医学チームが刻々と新型コロナを追い詰めていく。
これこそデータの集積が不可欠の要素であると教えてくれる。すなわち世界の細胞学会が協力して感染データを公表発表しあう。これが学術界のトレンドである。トランプは一方的に武漢ウィルスと中国を排撃するが、同教授は科学者としてデータを解析し、新型コロナを追い込んでいく。
そしてこれまでに分かってきたこと、まだ分からないことを平易に解説してくれる。まるで良質の推理小説を読んでいるような気分だ。現時点の知見から、A・B・Cという仮説が立てられる。だが先月の英国の事例から、この仮説は完璧に崩された。北欧のこの数字は何を語るか?
ワインを傾けながら、パスツールに、いや野口英世になった気分だ。筋道を立てて、しかも簡明に謎を解いていく。完全にシャーロック・ホームズの世界だ。ヤンゴンの若者にこの手法は使える。また妄想が膨らむ。
そして無責任な横文字を多用してのWithコロナでなく、“Withoutコロナ”を目指すべきだ、と強烈な皮肉をこのYouTubeは日本の政治家にぶつける。愛国者ぶる政治家がいまはお粗末なヨコモジを乱発する時代となった。厳粛な国会でヨコモジを使用したら、罰金として一万円を納付させる法案を提案したい。
だがこのシリーズ物は大ビンゴであった。
コロナウィルスというものを、そして新型コロナとの違いを、さらには現代細菌学界の取り組み方を、根本から学ぶ礎となった。この番組のあと、他のコロナ関係YouTubeを見ると理解が進む。だがソレは私個人の感想だ。皆さんに押し付けるわけには行かない。
読者はご自身で新型コロナを考え、ご自身で対処願いたい。そして愛するご家族を守っていただきたい。さらには個人的意見だが、コロナ騒動が落ち着くには一年どころか、最低二年はかかると踏んでいる。有効に時間を過ごされますように!!
気に入ったとはいえ、『新型コロナと闘う 児玉龍彦X金子勝』シリーズ全編はまだ見ていない。中身が濃いいと、集中力が途切れてしまう。気まぐれに音楽番組に逃げ込むときもある。
それでも好奇心だけは一杯だ。
だがこのシリーズでヤンゴンの風評に立ち向う理論付けも出来た。時間はたっぷりある。
シリーズ番組すべてを理解し、咀嚼した上で、ミャンマーの若者と語り合って生きたい。
貴重なYouTubeで私と波長が合いそうだ。だが押し売りはしない。いまは民主主義の時代である。読者の方はご自身でコロナ哲学に向き合って対処願いたい。
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東西南北研究所
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