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<ミャンマーで今、何が?> Vol.331
2019.10.07
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■朝もYouTube、昼も夜もYouTube

 ・01: 人生とは死ぬここと見つけたり

 ・02: 老獪学はYouTubeで

 ・03: またしても19番街でビールを

 ・04: やはり戻ってくる若者教育

 ・05: ヤンゴンは情報の宝庫

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:人生とは死ぬここと見つけたり

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今ヤンゴン時間10月4日午前9時半である。
YouTubeのテレ東NEWSで「エリザベス女王も苦悩?」を見たばかりである。
英国のEU離脱までに一ヶ月を切り、カウントダウンは28日19時間54分22秒と解説。
運命のときは10月31日とされている。

このメルマガは、話をさらに飛躍させたい。

ヒトは必ず死ぬものである。
どの宗教を信じようと、無神論者であろうと、運命のときは万人にやってくる。
不老長寿の薬などこの世にない。栄華を極めた始皇帝ですら免れることはできなかった。
本来は各人が人生のカウントダウンを用意すべきだ。

“生老病死”は他人事と、若きYouTuberたちが禿げ鷹ビジネスを熱く語る。
釈迦でなくとも老いれば、目が霞み、細かい文字が読めなくなる。
自分は無関係とばかりに、若者がゼニ勘定の成功談を話す。

アルゴリズムとAI技術で、介護などの高齢者向けビジネスはブルーオーシャンだと語る。
ファンディングといって、巨額の資金を募る。
細かい文字のプレゼンと早口の説明、しかもヨコ文字ばかり。
老人には“不安ダケダ”と聞こえる。

それで構わない。
小銭を溜め込んだ老人こそターゲットで、若き禿げ鷹が成金こそ人生と煽る。
ヤンゴンの屋根裏部屋でYouTubeから人生のウラオモテを学ぶ。実にありがたい。



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・02:老獪学はYouTubeで

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だが、YouTubeにもヤンゴン独自のアキレス腱がある。
停電が頻繁に発生する。エアコンが切れ、室内が暑くなってくる。
雨季も終わりに近づいたのか。入道雲がモクモクと湧き起こり、青空がまぶしい。
傘は不要だ。新聞を片手に街角レストランに入る。

馴染みのオヤジが人差し指を立てる。生ビールひとつという意味だ。
昼飯にはチト早いが、悪くない。こちらも指一本で応答する。
パウチされたメニューをボーイがもってくる。
ここまでは、無言でことが進む。

昼間の一杯は人生をハッピーにする。ほろ酔い気分で帰宅につく。
信号機を確認する。くっきりと点灯している。電気は戻ったようだ。
自宅向かいのビル前には印刷屋の発電機が置かれている。
“静音式発動機”と中国語で書かれている。作動していないときは本当に静かだ。

老獪なのは英国人だけではない。植民地時代、中国もたっぷりと老獪学を学習した。
歴史を学べば香港問題も簡単に読み解ける。中国製発動機もまったく同様だ。
作動しなければ“静音”だと強弁できる。モノは言いようだは、老獪学の第一歩。

日本の戦後は“老獪学”を学ばず教えなかった。それに加えてジョークが欠けている。致命的だが、それは事実だ。
その点で関西人はずば抜けている。だが東京人のマネゴトをするからヤボだ。

東京電力も、関西電力も、大手企業も、お役所も、記者会見を開き、同じ角度で同じ長い時間、横並びで担当役員が頭を下げる。それを海外で眺めると滑稽ですらある。さすがにコミック大国。漫画チックですらある。あれで謝罪したことになるのか?揃い踏みは大相撲で充分だ。

ヤンゴンでは信号機から、事務所前の発電機から、停電の有無は確認できる。
自宅に戻らずとも、5G機能がなくとも、自宅の停電を監視できる。ヤンゴンなりに進化している。
そこで部屋に戻りエアコンを作動させ、パソコンを立ち上げ、メルマガ原稿に取り掛かる。

興が乗ったところでビープ音が鳴り響き、真っ赤な警告灯が点滅する。本日2回目の停電だ。
馴れたものだ。焦らず、手順に従いパソコンの電源を落す。あとは不貞腐れてベッドに横になる。座して禅を組むも良し、横になって瞑想禅も良し。メルマガに書きたいことが山ほど浮かんでくる。

ウトウトして目が覚めると、外が暗い。遠雷も鳴っている。雨の前触れだ。
トタン屋根を一滴が叩き、一瞬のズレで土砂降りがトタン屋根を走り回る。気温がぐんと下がる。気分が良いとメルマガなどそっちのけ。YouTubeを開き、何を見ようとサーフィンが始まる。



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・03:またしても19番街でビールを

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世界中の街角で路上のMOBパフォーマンスが行われている。素人だがプロ級の音楽家たちが三々五々楽器を持って集まる。小刻みにドラムがどこからか響き渡る。ニューオーリンズのフレンチクォーターで、ハンガリーのブダペストで。シカゴもジャズの本場だ。体が自然にスウィングし、ブギーウギーで足がストムプする。私のハッピーアワーだ。冷やしておいたボトルを取り出し、グラスにウィスキーを注ぐ。

興が乗ると、調子ッぱずれのスキャットまで唄いたくなる。
ヤンゴンにステイしながら、世界中を駆け巡る。
重たいバックパックも背負わずに、今夜のねぐらを心配せずに。

メルマガなどやっていられない。
自分の行動を分析すると、どうして集中力が途切れ、メルマガの話がアチコチに飛び火するのか、これで充分に説明できる。読者の皆さんで、ご理解できる方だけ、お付き合い願いたい。理解を示せない御仁は、購読中止をクリック願いたい。無料のメルマガだからこそ、強気でいける。ドウゾ購読中止ヲ!

ホリエモンも、上杉隆も、立花孝志も、既得権益に媚びたとき、堕落が始まると言っていた。

昨日曜日は日本語を操るミャンマー人が四輪駆動で迎えに来てくれた。
どこに行くと訊くと、出来たばかりの評判の店を挙げた。
行ったことがあるかい、と訊くと、ナイという。その店で何が美味いかも知らずに案内するのがミャンマー人の特徴である。メニューを見て驚き、値段の安いものからオーダーする。

その愚を避けて、19番通りのビール&BBQ街に誘った。彼も安心して同意した。
陽が沈み空は見えない。路上のテーブルが理想的だが、今の時季、突然のシャワーを避け、コンロで焼くケムリにむせない様、店内の外に向いたオープンテーブルの最前列に落ち着いた。

世界中どこの街角でも、人間ウォッチングほどオモシロイモノはない。ひとりで楽しむも良し。相棒がいれば彼の、あるいは彼女の物語に耳を傾ける。
名物のビールでも良し、到来モノのカクテルでも良い。酒は防御のヨロイを脱がせ、偶然隣り合ったエトランゼとも話が弾む。気がつくと明日の朝、隣で寝ているということもある。

今夜の相棒は、日本で小銭を貯め、ヤンゴンで自動車関係の仕事をしている。郊外に自宅を建て、奥さんにはヘアサロンの店を持たせ、偶にシンガポールやバンコクに遊び件仕事で友人を訪ねる。その程度の中堅層で、その程度の日本語を話し、肝心なところは話が通じない。
いわゆる典型的なミャンマー人である。

ビールを飲みながら、家族の写真を見せてくれた。長女26歳、次女22歳、下の弟17歳。全員英語がオヤジよりはるかに達者だという。二人とも美人で、息子はプログラミング・エンジニアを目指しているという。三人とも両親より背が高い。オヤジはどうでも良いが、子供たちに興味を抱いた。話を強引にそちらに持っていった。

次回は娘と息子に会ってくれと頼まれた。
英国から学習中の老獪学を実践して、話をそのように仕向けたのだ。
こうやってヤンゴンの英語塾には、優秀な若者が集まってくる。

今日はラッキーだった。雨にもあわずほろ酔い気分で店を出た。
どこかで私を呼ぶ女性の声がする。
日本人学校の名物校長である。
停電を避けて来たのか、ニューヨークからの友人と紹介された。
Have a nice evening!!ご同輩!!



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・04:やはり戻ってくる若者教育

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YouTubeはすでにグーグルの傘下である。そのデータベースの凄さに驚いている。何十年前の動画が閲覧できるかと思うと、数時間前の地方選挙も閲覧可能だ。

埼玉県川口市にNHKアーカイブがある。数年前に放送されたNHKスペシャルを閲覧したいと訪れた。現在保存作業中でまだ鑑賞できないと丁寧に断られた。あれだけのスタッフを抱え、最先端の技術を誇るくせに? YouTubeと逆の意味で腰を抜かすほど驚いた。

その体験があったから、立花孝志のNHKをぶっ壊すには、大いに共感できる。
浪人したとき、自宅でテレビを見ないと宣言した。それ以来引っ越してからも自宅にテレビを置かないことにしている。

今ヤンゴンでYouTubeに開眼して、地上波テレビは“井の中の蛙”であったと、思い知らされている。逆に言うと、ヤンゴンに居てもYouTubeさえあれば、世界中を見て廻れる。重たいスーツケースを引っ張りまわすことも、航空券を工面することもない。ヤンゴンの若者とビジネスモデルとして革命を起こせる。

だが将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。半世紀以上も軍事政権に洗脳されてきた両親、そして教師のマインドがあまりにも老朽化している。そのプラットフォームの上で、今の若者は育ってきた。だからヤンゴンにやってくるほとんどの外国人が当惑している。大使館員も、投資家も、駐在員も、シンクタンクの隠れ蓑であるNGOですら、戸惑っている。

理由は簡単だ。
ミャンマーはインドから、中国から、干渉を受けてきた。そして英国から、日本からも蹂躙されてきた。イギリスから手ほどきを受けずとも“老獪学”は全身で身につけている。
ミャンマー人に騙されたという外国人は多い。海外にオーバーステイのミャンマー人も帰国して騙される。イノセントな様だが、“老獪術”を巧妙に発揮する。

話はまたまた飛んでしまった。
YouTubeの話だった。
YouTubeでお笑い番組を、バラエティ番組を楽しむのはアナタの勝手。
私は全共闘の学生たちと三島由紀夫が壇上で真摯に討論しあっている動画を発見して驚いた。それから暫くしてである。三島由紀夫が市谷の自衛隊本部バルコニーで自衛隊員に対し決起を呼びかけていた。

ワシントン・ポストを買収したアマゾンの最高責任者ジェフ・ベソスが壇上でインタビューに答えていた。オーナーのドナルド・グラハムがWP社の長所と短所をすべて提示したという。彼とは長い付き合いで誠実な男だと知っていた。その言い値を値下げ交渉もせずに丸呑みで同社を買い取ったという有名なエピソードがある。

オーナーのDGが語った同社の短所は、彼が指摘するほど悪いものではなかった。
DGが語った同社の長所は、彼が語った以上のものだった。
私の勘が外れたのは、この二点ぐらいだったと、ジェフ・ベソスは語る。

話が面白いのはジェフ・ベソスだけでない。
彼に質問するインタビュアーが、JB関連のあらゆる伝記を読破して、ありとあらゆるスキャンダル記事も見逃さず精査して、ストレートに質問してくる。両親の離婚など、触れられたくない質問も容赦ない。離婚した母親の妹、アナタのオバがこう語っている記事を見つけたと地方紙のベタ記事を指し示す。

これがアメリカの風土なのだろう。
相手をおもんばかる遠慮はない。直球質問がJBに突き刺さる。
JBも真剣勝負だ。天井を見上げ思い出すように自分の恥部を語り始める。
アメリカにはジャーナリズムを育む風土がある。

翻って、日本の国会質疑、N国党の記者会見、大会社失態の記者会見が子供のママゴト遊びにしか見えない。

元東京都知事・石原慎太郎の当時の記者会見もYouTubeで見ることができる。
慎太郎が激怒する。「質問するならオレの本でも調べてきたらどうだ。その答えは何十回も書いている。オマエはどこの新聞社だ。」

マッカーサーは12歳と言った。日本人のことである。
マッカーサー憲法とか、マッカーサーの陰謀とか、大合唱する前に、ジャーナリズムの“いろは”を見習ったらどうだ。日本のマスコミこそ、そして国会議員こそ、本当に12歳に見えてくる。

そこでミャンマーの若者に想いを馳せる。分裂症状を起こした私の頭は、ミャンマーの教育改革、教育戦略で一杯だ。

『昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ!』
今回のメルマガもまたしてもデビエーションだ。
私のように時間に贅沢できる暇人以外は、購読中止のクリックをお勧めします。



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・05:ヤンゴンは情報の宝庫

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1969年8月9日、三島由紀夫がカナダのテレビ局から英語で訊かれ、英語で直接答えている貴重なフィルムがある。ゲーテは若きウェルテルを死に追いやることによって、ゲーテ自身は苦悩の死の淵からこの世に甦ることが出来た。トーマス・マンも同様にしたたかな作家と、この二人の文豪を特筆している。

その文学論にも興味あったが、私がサプライズしたのは、日本の知識人の中では卓越した英語力だったと知ったことである。これもYouTubeのお陰である。最近はMBAを卒業した軽軽な英語の使い手はいるが、アノ時代に英語の重厚さを感じさせる三島に出会ったのは幸運以外の何物でもない。

今YouTubeという道具を手にして、ミャンマーの若者に想いを馳せると、勉強することは山ほどある。日暮れて道遠しの感である。氷山の一角すらまだ覗けていないのだろう。「群盲、巨象を撫でる」である。

ヤンゴンの屋根裏部屋には一枚のセピア色の写真が掛かっている。
フルベッキ親子を囲む明治維新の立役者39名が氏名年齢を明記された写真である。
撮影日時は慶応元年二〜三年(1865年)長崎英語塾 到遠館にて 上野彦馬撮影となっている。

この写真には昔から論議を呼び、話題沸騰の陰謀説まである。
それを新潟県燕三条市の友人から、無理をいって複写させていただいたものである。何故この写真に気づいたかというと、先輩であるコンニャク博士から何度もこの写真の存在を聞いていたからである。私にとってはマボロシの写真だった。

この写真で当時16歳だった明治天皇が入れ替わっているとのウワサが渦巻いていたいわく付の写真でもある。このたび、旧鍋島藩佐賀の友人とメールの遣り取りをしているうちに、話はフルベッキの話にのめりこんでいった。フルベッキはオランダ生まれでアメリカに移住したが、長崎で英語教師をしていた。

私もヤンゴンで英語塾を開くにあたり、英語には異常なほど興味を抱いていた。
前回日本に戻ったときに、浅草で“どぜう”を食った帰りに横丁に紛れ込み古本屋を見つけた。
そこで「日本英学のあけぼの」という稀な古書を見つけた。福沢諭吉はもちろん、その多くの門下生も、佐賀の下級武士・大隈重信の無名時代に読み耽った。

当時、日本は蘭学全盛の時代である。蘭学とはオランダ語である。
だが日本人の本質を発揮するように、ペリーのアメリカ語に興味を示す若者たちが大勢出現する。フルベッキはバイリンガルでオランダ語もアメリカ語も話せる。そして長崎にあった鍋島藩分校である到遠館で英語を教えた。

このセピア色の写真の秘密に関して詳述した書籍が佐賀県の古書店に存在すると言う。
佐賀の友人がこの高価な本をヤンゴンにまで届けてくれる。このヤンゴンにいるだけで情報は集まってくる。どうして若者たちは自分探しの旅に出るのだろう。

このヤンゴンこそ、情報の宝庫である。世界中を旅する必要はない。ヤンゴンでひっそりと蠢いていれば、朗報は向こうからやってくる。

例えば、ホリエモンがメンタリストのDaiGoと一対一でババヌキというカードゲームをやる。
ホリエモンの手の内というよりも、彼の心の動きをDaiGoにすべて読み取られ、ホリエモンのハッタリが見透かされ、ホリエモンが錯乱し、本当に狂乱しまくる。
その模様が、一挙手一投足、動画で見ることができる。

何事も本質を見極めようとすれば、今はYouTubeで探索できる時代だ。
キーワードも重要だが、徹底的に追求することが。

私の授業では、ホリエモンを徹底的に追求していった。朝昼晩見まくった。素面のときも、酒に酔ってもYouTubeだった。ホリエモンの伝説の国会証人喚問も見ることはできる。そこではホリエモンという人物の本質が見えてくる。
DaiGoの手法を見破りたければ、徹底的にYouTubeを利用することだ。
それらすべてをひっくるめてGoogleは凄い。


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