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<ミャンマーで今、何が?> Vol.316
2019.7.1
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■ユーモアの話術
・01:さいとうナンペイとの問わず語り
・02:スーチーの軌跡、それは奇跡だった
・03:ジャック・マー
・04:アーノルド・シュワルツネッガー
・05:盗む英会話
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:さいとうナンペイとの問わず語り
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2019年も半分は終わった。
まだ半年あると見るか、もう半年しかないとみるか、アナタ次第だ。
「アウンサン物語」の著者・さいとうナンペイとは長い付き合いだ。水祭り期間中に再びその上下2巻を読み直した。それまで彼の存在はすっかり忘れていた。だから、長い長〜いご無沙汰であった。これを切っ掛けに、この著者との往来が復活した。
中国には“貴人は往来を尊ぶ”というコトワザがあったと、先輩に聞いた。
そのひそみに倣うことにした。
“交互に行き来を繰り返す”という意味である。それが貴人だという。
停電の中、ローソク一本でナンペイと話し合った。
チビリ酒でヤンゴン人生を語り合うと、時代の変遷を感じた。
今は、何でも彼でもEメール、スマホの時代である。
要件は片付くかもしれない。絵文字では心の底が見えない。
最近「あけおめ、ことよろ」の年賀が出てきたと、友人に教えられた。
そうなると、貴人の往来に本来の“外交”があるのかもしれない。
最近は一回二回の行き来で、外交が成立したという。
あとは、トゥイターあるいはフェースブックでジャブが繰り出され、ついにはパンチの応酬となる。
最初の出会いは、常に緊張する。
相手の目を見つめ、お互いに人物を計測する。
ここにも東洋と西洋の大きな隔たりがある。
そして、それぞれに文化に根ざした歴史がある。
西洋では利き腕の右手を差し出し、素手で握手する。
さらには両手を大げさに広げ、武器は身につけていないと、オーバーに表現する。
それだけでは不十分だ。
お互いに背中を叩き合い、背中にも武器を隠して無いか確認し合う。
身体検査は終わった。だが、これでは味気ない。
最後に、頬っぺにチューと交互にやって、うわべを繕う。
これで西洋の儀式は終わる。
それをマニュアルで覚えた外交官がProtocol(外交儀礼)と称するものだから、余計可笑しくなってくる。これは西洋人の文化だから、連中がやるとサマになる。
だが、それを押し付けられた東洋人がヤルと、まるでサマにならない。
異国の指導者が、ハグしようと一歩前に出る。
東洋のリーダーは、悠然と一歩後ろへ下がる。
慌てて西洋は、さらに一歩前に踏み出す。
東洋は、失礼とばかりに、さらに一歩下がる。
これが、真の対等外交ではなかろうか。
この場面をYouTubeで見ることが出来たら、世界の人々は判断することだろう。
トランプがいかに押し付けがましい外交をしているか。
そして日本の皇室がいかに優雅かを。
西洋に対して東洋には、まったく異なる文化がある。
相手に礼を尽くして面会を申し入れる。
迎えいれる方も、礼を尽くして応対する。
だが、初対面では必要以上に接近しない。一定の距離は常に堅持する。
言葉だけでなく、態度で相手の腹を読む。
たったの150年で、日本は西洋のマネゴトにすっかり堕した。
明治維新は1868年である。
外見だけでなく、魂まで売り渡したようだ。
YouTubeで世界のトップ外交を見聞すると、その違いが鮮明だ。
情けないのが歴史豊かな中国と韓国だ。
マネゴトに成功した日本の、そのマネゴトを忠実に追従している。
その責任は、中国・韓国にもあり、日本にもある。
他国を批難する場合ではない。
外交のハイライトである国賓を迎えるにも、今ミャンマーは伝統衣装で応対する。国内でも民族衣装が大半である。インドでも伝統衣装がいたるところに見える。砂漠の民イランでも、サウジアラビアでも見事な伝統衣装が生きている。アフリカに至っては、色とりどりの民族衣装が美しい。
民族衣装を誇示する国民には、一本骨が通っているような気がする。
YouTubeでは欧米の首脳が、サウジやアフリカの為政者を訪れたシーンを見ることができる。背広にネクタイの欧米首脳が安っぽく見え、民族衣装の王族が堂々と見える、のは何故だろう。
このメルマガはノンポリなので政治的な発言および判断はしない。
だが、世界を文化人類学的に眺めると、世の流れの本質が見えてくるような気がする。
今は、小学生でも腕時計の時代だが、地方都市および町村を歩くと、イギリス植民地時代の時計塔が町の中心に必ずある。時間を知りたければ、家を飛び出し道路の真ん中に立てば、それで充分だった。
今では誰もが時計を二三個は持ち、スマホだけでなく、時計が組み込まれた電化製品に溢れている。本当に時計は必要なのだろうか。
ミャンマーに住んでみて、正確な時間は意味をなさないように思えてきた。
辻信一著「スロー・イズ・ビューティフル 遅さとしての文化」はご本人からヤンゴンで寄贈された。
グローバライゼーションの元凶は、時計にあるのではなかろうかとまで考えるようになった。
男の首に巻きつけるあのネクタイ。
この奇妙な代物に付いて考察してみた。
実用的には、ヨダレ拭きか汗拭きにしかならない代物である。
あのネクタイを締めていたのは、何年前だっただろうと、ヤンゴンで考える。
ハワイやフィリピンなど、そして民族衣装を着る中南米の人たちは、もちろん砂漠の民も、アレは犬の首輪と一緒で、現代奴隷の象徴と見ているのではなかろうか。
時計とネクタイを身につけた人類はオカシナ方向へ暴走していく。
指導者の単純思考は国民に浸透し、英語ではムース、日本語ではヘラジカの集団を思い出す。
ヘラジカは季節になると大集団で、移動の旅に出る。
思考の狂ったリーダーは、断崖の頂に登り詰め、そのまま真っ逆さまに絶壁に身を投じていく。思考力を奪われた奴隷集団は何も考えずに、それに続くそうだ。
リーダーの磁石が狂ったと言われるが、その原因は分かっていない。
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・02:スーチーの軌跡、それは奇跡だった
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アウンサン将軍が暗殺され、とっくに70年は過ぎた。
独立を勝ち取ったものの、ビルマは長い長〜い迷走を続けた。
進むべき道を誤ったからだ。
周りの世界が大きく変化する中、ミャンマーは今、新たな迷走を続けている。
アウンサン亡き後、時代は次の次の世代に突入した。
アウンサンが身を引いた軍人の世界。新たに取り組んだ政治の世界。
32歳という突然の死で、ビルマの軍隊および政治が、その迷走の病根となった。
将軍の暗殺は、娘のスーチーが父の面影も覚えぬ2歳1ヶ月のときであった。
数奇な運命に導かれ、そのスーチーが新生民主国家ミャンマーの元首として、今、大統領の上に君臨している。
1945年生まれのスーチーは、今年6月19日(水)で74歳の誕生日を迎えた。
スーチーがウワサになる前の話である。
英国オックスフォードの学園都市で、ネパール・ブータン学者マイケル・アリスの妻として、平々凡々な主婦稼業に従事していた。その一方で父親の足跡も追い求めた。どうして祖国ではアウンサンが国父として慕われているのだろう、と。
調べれば調べるほど、父親アウンサンにのめりこんでいった。
父親の偉大な夢。
それはインポッシブル・ドリームとなった。アウンサンの夢は本当に消えたのか?
その疑問がスーチーの心に大きく広がっていく。
スーチーが権力を掌握し、今考え、実行に移していることは、父親の夢を“ポシブル・ドリーム”にすることだと思えてしょうがない。
その辺りの現在史を英国「インディペンデント」紙の外国特派員ピーター・ポパムは「アウンサンスーチーの半生“ザ・レディーとピーコック”」という大部の書にまとめた。
その後、同著者は「ザ・レディーと将軍」(副題は“アウンサンスーチーおよびビルマの自由への闘争”)を出版した。
これらを読み直すとスーチーの軌跡が見えてくるかもしれない。
この2作目もヤンゴンでは海賊版が手に入る。
原書に記載された定価は12.99英ポンドだが、2017年にヤンゴンの書店で入手した価格は5500チャットであった。カラー版の表紙裏表も綴じ込みの写真も原版そのままである。
この第2作目も440ページと分厚く、これはまだ読み始めていない。
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・03:ジャック・マー
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さいとうナンペイとは遠慮なく自由に話し合える仲だ。
それだから苦言を呈した。
日本人が日本語で犬の遠吠えを繰り返しても、屁のツッパリにもならんぞ、と。
ピーター・ポパムのように英語で書き、世界に咆えろ、と。
英語のプロになると大風呂敷を広げただけに、手伝っても良いと言ってしまった。
さいとうナンペイに受け売りでYouTubeの話をした。
アリババのJack Maには、世界の舞台から声が掛かる。
YouTubeで調べると10本以上ものビデオが流れている。
その講演スピーチを手当たり次第に見聞した。
垢抜けない粗野な英語だが、逆に荒削りの魅力がヒシヒシと伝わってくる。
億万長者に憧れて聴衆は集まってくる。彼の話は、資金は無一文、挑戦するが失敗の連続、自分の無能力さを悟った。気付くと能力のある友人たちが周りにいっぱいいた。彼らが自分を支えてくれた。それがアリババだと語っている。
招聘しているのは米国、インド、マレーシアなどの一流大学ばかりだ。
学生の質問が壇上のジャック・マーに集中する。学生の早口を聞き取れないときもある。
横の司会者に助けを求め、質問内容を確認し、堂々と自分の夢を展開する。
だからさいとうナンペイにも挑戦してみろとけしかけた。彼は逡巡する。
私はどやしつけた。
オマエは典型的な日本人だ。アウンサン将軍の伝記を書いたというが、島国人間の殻を破っていない。
ジャック・マーを見ろ、彼は中国人の殻を完全にブレークスルーした。
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・04:アーノルド・シュワルツネッガー
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もうひとつの例は、アーノルド・シュワルツネッガーの卒業式講演だ。
ターミネーターのあのシュワルツネッガーである。
オーストリアで生まれた彼は15歳で重量挙げを始めた。
20歳でミスター・ユニバースの栄冠に輝いた。
アマチュアとして伝説的なミスター・オリンピアの記録を塗り替えた。
21歳のときにチャンスがやって来た。
子供時代からの夢だった憧れのアメリカに筋骨隆々の体ひとつで渡った。
違法移民とのウワサもある。
アメリカの低下層を支える当時の移民は、大半が後ろめたい過去を持つ。
新大陸は気分も領土もデッカイ。
そして広い大平原を西へ西へと開拓していった。
それがアメリカの歴史である。
薄っぺらな歴史を読めば、メイフラワー号の時代から違法移民で成立した国がアメリカである。
歴史を知らないトランプは、肝っ玉も小さく、移民を排斥するから、国内外から総スカン(好かん)を喰っている。マネゴトに一生懸命の国だけが、トランプを評価する。
シュワルツネッガーの話に戻ろう。
当然ながら、若きシュワルツネッガーは英語をほとんど喋れない。
努力しても強烈なドイツ語訛りが矯らなかった。
ターミネーターの主役に抜擢された理由を、シュワルツネッガーはユーモアを交えて語る。
彼の英語はまるでマシンが話しているようだ。
ジェームズ・カメロン監督は彼の奇妙な英語を激賞したという。
カリフォルニアの州知事まで上り詰めたシュワルツネッガーは、実際のところ努力の人である。何人もの語学教師につき、発音矯正に努力した。
“The Fine Wine grows on a Vine”それから“The Sink is made out of Zinc”
シュワルツネッガーはこの発音を熱演してみせる。
ドイツ人はF-W-V-S-Zの発音が不得手だそうだ。シュワルツネッガーはこれらを朝から晩まで繰り返したという。
それをシュワルツネッガーは演台の上で実演して見せた。
あのゴツイ体のミスター・ボディビルの涙ぐましい裏話である。
YouTubeを停止して学生に説明すると、思い当たるところがあるのだろう。
感じ入ってくれた。
こうやってシュワルツネッガーは、彼のアメリカン・ドリームを成し遂げた。
だが、しみじみと彼は語る。
人は私をSelf-made Man(*自力で叩き上げた人)と言う。だが、それは違う。
私がここまでこれたのは、多くの人たちに助けられたからだ。
だから、卒業生の皆さん、感謝の気持を持ってほしい。先ずその第一歩はこの式典に駆けつけた両親への感謝からである。
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・05:盗む英会話
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ヤンゴンにフェイクの街角大学を建てる。それは蜃気楼であっても構わない。
学生たちとの夢である。アメリカのラスベガスにも蜃気楼はある。
アウンサンの見果てぬ夢になればよい。
友人に教えられたYouTubeで、夢はフュージョンしていく。
聴くだけで英語が上達するという、コマーシャルを見たことがある。
だが、その効能は信じない。
しかし、そのアイデアは盗むことにした。
大西鉄之祐の言う盗むとは、チープなマネゴトではない。
その真剣な盗みに取り組んでいる。
当ニセ大学では発音講座を入門と同時に徹底させている。
意味も文法も排除して、音感教育による発音徹底講座だ。
シュワルツネッガー方式とも違う、独自の発音矯正である。
日本語とビルマ語は文法が似ていると、日本語の学習者は多い。
だが、当研究所の分析では、文法は知らぬが、日本人とミャンマー人は英語の発音が信じられないほどお粗末と言う共通点である。
沢木耕太郎の「深夜特急便」に「ヨーロピアンは英語が出来るから問題ない。日本人は上客だが、英語が喋れない。困ったもんだ・・」「農業技術者として来てくれるのはありがたい。だが、日本人は英語がほとんど話せず、肝心のことが通じない・・」というくだりがある。
世界を漫遊した沢木耕太郎は。日本人の英語音痴について随所で語っている。
ということは、それは日本の国家機密ではなく、世界の常識ということである。
英語の学習には、肝心要のコツがある。
それを無視して小学生にまで英語を強要するなど、亡国の思想でしかない。
丸投げで青い目のブロンドに英語教育を任せるなど、国家滅亡の計でしかない。
「あけおめ ことよろ」の普及には貢献するが、それは日本語の破壊でしかない。
ミャンマーで珍しく気が合う日本人に出会った。
彼からTEDというフォーラムの名前を教えてもらった。
すっかり忘れていたが、YouTubeをサーフィンするうちに、このTEDに出会った。
Technology、Entertainment、Designの合成語である。
科学からビジネスまで知的な話者が続々と登場し、刺激的な話を英語で聞かせてくれる。
そのほとんどが18分以下の短い話だ。
特に若者言葉は早口で、中身が濃い。
YouTubeをいじり始めた当初はドナルド・トランプとはどういう人物かの探りを入れた。
それでドナルドとヒラリーの選挙戦討論会に釘付けになった。
それから、歴代アメリカ大統領の演説に聞き入った。
そして、ついにはアメリカ大統領の資金調達パーティ、ジャーナリズム界を招いての食事会、それぞれに大統領の個性が出る演説が中心となる。
ここで、感じたのは、彼らの演説が達者であること、ユーモアの精神が旺盛なこと。大統領自身がイビラレテいるのに、本人がゲラゲラ腹を抱えて爆笑していることなどが、見えてきた。
そのルーツはどこにあるのかを探すうちに、大学の卒業式がひとつのポイントになることが分かってきた。東部のハーバードやMIT、西海岸のスタンフォードやUCLAだけでなく、米国大学の卒業式には有名人が招待され、場合によっては名誉博士号を与えられ、セレブが卒業生に向けてスピーチする。彼らのスピーチが卓抜だけでなく、彼らを紹介する大学総長や、学生代表のスピーチがユーモアたっぷりで洗練されている。
日本では卒業式はGraduationだが、英語ではCommencement(*開始)である。
日本と西洋の思想が根本的に異なることが分かる。
YouTubeでこれらの講演を片っ端から、そして何度も見聞する。
そのボリュームは無限と言ってもよい。生きた英語の勉強にはもってこいである。
アフリカ人や中近東の若者でも立派な英語話者はいくらでもいる。どうして彼らは達者なのか? 教材のヒントはいくらでも転がっている。
これらを盗むことに決めた。
話はまたまた横道に逸れてしまった・・
さいとうナンペイとは、時代が急速に大きく変化していることを認め合った。
日本村という小さな世界で発言しても無駄だ。
世界は今、英語で動いている。お前も英語を勉強しろと強要した。
彼が話を聞くかどうかは分からない。
一ヶ月間、真剣に音感英語学校を続ければ、間違いなく英語の発音は矯正される。
その後で、これらのスピーチを聴かすと、オモシロいように英語の一語一語が見えてくる。だから、私が受けてきた日本の英語教育は、完全に間違っていたと痛感する。
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