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<ミャンマーで今、何が?> Vol.304
2019.3.27
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■日本で、イラワジデルタで、ヤンゴン川畔で・・・
・01:ヤンゴン川畔での打ち上げ会
・02:ミャンマーで最も息の長いベストセラーは?
・03:今日の国軍記念日は何の日?
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:ヤンゴン川畔での打ち上げ会
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イラワジデルタの最西端からヤンゴンに戻ってきた。
今回も、またまた、ヤジウマの立場で参加させてもらった。
重要な会議、連絡、報告、意見の交換、などの現場にもアウトサイダーとして立ち合わせていただいた。
それらすべてが完了して、昨26日はストランドホテルの真ん前、ジュニアダック・レストランで3人だけの、ささやかな打ち上げ会を行った。
太陽は沈んだばかりで西の川面が美しい茜色をしている。
ヤンゴン川のこの場所こそ、アウンサンとラーミャインという若き二人の青年が、中国服を着込み、英国官憲の目をかいくぐり、ノルウェー船ハイリー号(海利号)の船客としてラングーン港を脱出した、その歴史的な現場である。1940年8月8日のことであった。
そして台湾の最北端金門島の目と鼻の先にある共同租界アモイに密出国したのである。
先月2月に日本に戻ったときには、このメルマガにも時折ご登場いただく、その道50年のコンニャク博士からアモイの詳細な観光地図をお土産に頂戴した。非常に貴重な資料である。
その当時、アウンサン青年は5チャットという小額懸賞金で、ビルマ全土に指名手配されていた。
老獪な大英帝国は、印刷間違いではない5チャットで、学生運動の闘士でドバマ協会の役員でもあったアウンサンをワザと小者扱いしたのである。
世界の手本とされる英国であるが、意外とセコイ面もあることに笑ってしまう。
同じく指名手配中であったラーミャインもビルマ石油会社の労働組合書記長として反英国の闘士であった。
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・02:ミャンマーで最も息の長いベストセラーは?
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と聞かれたならば、個人的意見としては、英文の“Burma’s Challenge 1946 AUNG SAN”(仮題「ビルマの挑戦1946年 アウンサン」ではないだろうか、と答える。
その正式な英語版版権を所有する出版会社の社長さんに、ささやかな打ち上げ会に参加していただいた。ビルマ語、英語、日本語を自由自在に読み・書き・話す知識人である。だから私が愛する葛飾北斎の話や、アンディ・ウォーホールのエピソードなどが何の違和感も無くポンポンと飛び出してくる。北京ダックも美味かったが、こういう話は酒の肴としては最高だ。
豪華レストランでもない、高級ホテルでもない。
酒と食事が美味いかどうかは、誰と一緒するかですべては決まる。
この多忙な出版人が一緒してくれるというので、散らかった屋根裏部屋から、さいとうナンペイ著「アウンサン物語2015年」の海賊版コピーを探し出し、それを彼へのプレゼントとした。というのも、この書の書き出しに、さいとうナンペイが同出版社社長から英文の“Burma’s Challenge 1946 AUNG SAN”をプレゼントされた経緯が記されていた筈だと思ったからである。
記憶は間違いなかった。
ついでに同海賊版コピーのアチコチを読み直すと、第27話「ビルマ脱出、第2陣」に後世“ビルマの三十人の志士”と呼ばれる当時の若者たちが日本船“恵昭丸”でラングーンを密出国する手に汗握る緊迫の場面が描かれている。その歴史的現場もパンソダン・ジェティで、このナンティダ・ジェティからは目と鼻の先である。
このメルマガは脱線が売り物のひとつとなっている。
ここで登場する日本船の名前でハタと気付くのだが、総理大臣閣下令夫人のご芳名に酷似している。私が現在猛勉強中の“英国式老獪学”であれば、あるいはユダヤの陰謀であれば、どうして首相夫人がこのミャンマーの寺小屋教育に物心両面で深入りしているかのエピソードとして、当然ストーリー・メイキングの因縁話としてこの“恵昭丸”を無理矢理にでも絡める筈だと、想像してしまう。
ダンナ(梵語でダーナの音訳、六波羅蜜のひとつで、お布施を意味する)の方は、このノンポリのメルマガでは徹底的にこき下ろすが、ご夫人は当たり前のことながらダンナとはまったくの別人格である。
話を元に戻そう。
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・03:今日の国軍記念日は何の日?
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今日27日は暦の上では赤字で印刷された国民の祝日記念日となっている。
昨日今日来たばかりのビジネスマンが、27日は何の記念日だねと聞いても、ミャンマー人は口を濁してハッキリと答えてくれないはずだ。
英語では“Armed Forces Day”(国軍記念日)である。
さいとうナンペイ著「アウンサン物語2015年」から、関連ページを剽窃して長くなるが、そのあたりの事情をコピー&ペーストしてみよう。
「1945年1月、イギリス軍の有力な機甲部隊が、イラワジ河を渡河、あっという間にビルマ中部平原を蹂躙しはじめた。
1945年3月17日、ビルマ国軍は日本軍が苦闘している中部ビルマ戦線に出動するため、盛大な出陣式をシュエダゴン・パゴダ脇のゴルフ場(現在の革命記念公園)で行った。
国家元首(*ビルマ語でアディパディ)兼首相のバモウ博士が激励し、アウンサンが出陣の決意を堂々と述べた。
『兵士諸君。今日、ここに我々が集まり、出陣式を行う目的は、祖国の独立を妨害し、危機に陥れようとする一番近くの敵に闘いを挑むためである。
これからの闘いで重要なのは、勇気と度胸、それに祖国に身命を捧げても悔いがないという決意である。
いかなる苦難にも耐えねばならない。指揮官の命令には絶対に服従せよ。
全員が心をひとつにして闘わねば勝利はありえない。私は常に諸君とともにある。ビルマの敵を殲滅することを心から願っている』
訓示はたったこれだけである。時間にして60秒足らずの訓示であった。それだけだった。それですべてであった。
幹部将校はすでに事情を知っていた。一般兵士は将軍の演説で改めて戦意をかき立てられ奮い立った。
しかし、出陣式に出席していた政府(*日本軍を指す)の幹部連中、ビルマ国軍最高顧問沢本少将らは、上ビルマに浸透してきたイギリス軍のゲリラ部隊を掃討する目的で、ビルマ軍が出陣するものとばかり思っていた。
だから、“一番近くの敵”という意味深長な言葉を聞き流している。また、見学していた数多くの市民たちは、あまりにも短い将軍の演説に首をひねっていた。
1945年3月20日、出動するはずのビルマ国軍が出発を延期した。ビルマ国軍動揺のウワサが飛んだ。
1945年3月22日夜、アウンサンはラングーンから姿を消した。
1945年3月27日、ビルマ軍は完全に日本軍の指揮系統から離脱した」
少し長くなったが、これが本日3月27日の国軍記念日である。
本日が祝日だからといって、駐在員の皆様がゴルフコンペなどに精を出していると、ミャンマー人の部下は、ゴルフ場に送り迎えするお抱え運転手を含めて、ウチのボスはミャンマーのことなど何も知らないと、多分バカにされることでしょう。
歴史を知らなければ、アナタは一歩一歩“一番近くの敵”に成り下がること間違いありません。誰かが言ったではありませんか。「歴史は繰り返す」と。
2月に日本に滞在してからずっと、そして時間タップリだったイラワジデルタで考えていたことを、今日3月27日の国軍記念日にコジツケて、メルマガでつぶやかせていただきました。
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