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<ミャンマーで今、何が?> Vol.30
2013.2.6
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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■週刊メルマガ第30週特集号
週刊メルマガ「ミャンマーで今、何が?」も皆さまの力強いご支援で第30週目を
迎えることができました。今後とも皆さまのご期待に沿えるよう努力しますので、
叱咤激励のほどよろしくお願い申し上げます。
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ミャンマーで主要な英字紙はThe New Light of MyanmarとThe Myanmar Timesの二紙です。前者は国営日刊新聞で欧米からは政府のマウスピースと揶揄されてきました。後者はオーストラリア人とミャンマー人の合弁で2000年に創刊され週一回の発行で紆余曲折を経て今日まできました。
ミャンマー政府の改革は政治・経済に留まらず、マスメディアの分野でも目覚しいものがあり、今年の4月1日からはこれまで禁止されていた日刊新聞が許可される予定です。そのなかでもこのミャンマータイムズは前から日刊発行に意欲を見せ有力な候補の1社となっています。
ところが、つい最近このミャンマータイムズ社内でCEOである大株主(51%)の妻が自分の許可を得ていないとしてその計画を阻止する態度を示し、オーストラリア人社長を告訴したことからゴシップ的な内輪もめが表面化。この内紛は外国人経営者が絡んでいること、ミャンマーとの合弁企業であること、ミャンマー駐在の多くの外国人を購読者とするメディアが舞台であること、政府が改革を目論んでいる報道機関のゴシップであることなど、いろんな問題を内包していますので、企業進出を狙う日本の読者にも興味を引く問題ではないかとして今週号はその内幕をお伝えしていきたいと思います。
ミャンマータイムスの創立者であるロス・ダンクレー社長(49%)は4月1日から日刊新聞に切り替える計画を促進すると宣言した。しかし、両者は同社の経営管理を巡って長いこといがみ合っており、ついに両者共に先週お互いを告訴する動きに出た。
“どんなことがあっても新聞の使命は最優先事項として守らねばならない”とダンクレー社長は1月29日の記者会見で語った。“目の前に新たな支障が出てきたが、彼らの行動は4月1日から日刊新聞を発行したいとする我々の計画、夢を押しとどめることはできない。我々はこの国できちんとした日刊新聞を発行したいという我々の理想は長いこと皆さんに理解されてきた筈だ”と共同経営者を非難した。
同社の親会社MCMの株式の51%を所有しCEOでもあるDr Tin Tun Ooの妻Dr Khin Moe Moeとダンクレー社長は1月28日ヤンゴンにある同社のニュースルームのスタッフの目の前でいがみあいの口論を繰り広げ、スタッフたちは一様にショックを受けている。
この事件のあと、同夫人は節度を持った女性に暴力を振るおうとしたとして警察署にダンクレー社長を告訴した。一方、ダンクレー社長は脅迫罪を含めて3つの罪状で同夫人を告訴した。
この事件は1月27日に開催された非常に短い役員会議のあとで発生している。その役員会議の結論としてDr Khin Moe Moeは翌1月28日の午後1時から同新聞の経営を自分が行う意向だと語った。
ダンクレー社長はDr Khin Moe Moeにメモを送り彼女は執行役員ではなく日々の実務作業をこなす権利はないとして、ダンクレー社長の許可なしには事務所に入らないようにと警告した。
1月28日の午後3時、Dr Khin Moe MoeはMCMの従業員ではない5人のメンバーとミャンマータイムスの事務所に入り事務所内を調査し、そこのスタッフと話を始めた。その内の一人はビデオカメラでこの内紛を撮影した。
ダンクレー社長はこのグループと口争いを初め事務所から出て行けと大声で怒鳴った。それに対してDr Khin Moe Moeは“私がこの会社のオーナーで、あなたは従業員に過ぎない”と社長に向かって怒鳴り返した。
この出来事は2005年にMrダンクレーの共同創立者であったU Myat Sweが収監されたとき以来、株主間での関係が最悪になったことを意味している。
2011年2月にMrダンクレーは4つの罪状で逮捕され、保釈されるまで47日間インセイン刑務所に収監された。この時の関係者はミャンマータイムスの所有権を巡っての争いだと語っている。Dr Tin Tun Ooは自分はMrダンクレーの逮捕には何も関連していないと否定し保釈金の半分を援助した。Mrダンクレーは後に2つの罪状は認めた。しかし、普通は有り得ないことだが国外追放を免れ事業継続も許可されている。
Mrダンクレーの収監中、ミャンマータイムスのミャンマー語版のCEOと編集長の地位をDr Tin Tun Ooに取って代られた。
その翌日両者は記者会見を行い、お互いに相手を告訴すると発表した。1月29日にダンクレー社長は記者会見を行い、同社の株主協定書で取り決めた規則に相手は違反していると語り、当然守るべき規則を無視したと同社長は語った。同社の社長として自分は日々の実務作業を運営している。私が役員会議で指名され、Dr Khin Moe Moeは8年前に夫が経営パートナーとなったときから一取締役に指名されたに過ぎない。彼女は執行役員ではない。彼女は過半数の大株主として多くの特権を与えられているが、このような問題は役員会議という適切な会合で話し合うべきだ。彼女の役割は新聞としての日々の実務を邪魔することではない。これは明白なことだとダンクレー社長は語った。
MCMに雇用されていない人間が社内に立ち入りスタッフの前で騒ぎを起こすのは暴力行為である。私が極力紛争を避けてきたのに彼女がこのようなことをするとは信じられないと語っている。
同氏の説明では、この騒ぎはDr Tin Tun Ooの所有するMCMの株式を元の株主であるU Myat Sweの家族に売却する交渉をしている最中に発生した。同氏は今もタウンジーの刑務所で14年間の刑に服している。本当のことを語れば、これらの株式は本来はU Myat Sweの家族に戻すべきだ。そうすれば2000年創刊時のパートナーに彼らは戻ることができると同社長は語った。
一方、Dr Khin Moe Moeは彼女は自分の立場は役員で経営委員会のメンバーで、同社のオーナーで経営にタッチする権利があると記者会見で何度も繰り返した。そして、現在海外に旅行中の夫はCEOとしての義務と責任を正式に自分に移管したと語っている。私は会社に交渉に行ったが、ダンクレー社長は言葉の上でも物理的にも私を侮辱したと語った。個人的な書簡でダンクレー社長に対しては役員会の許可無くしては同社は日刊新聞の発行はできないと忠告したとDr Khin Moe Moeは語っている。日刊新聞を発行するためにMCMのいかなる資産、人員・機械・資金、を使用してはならないと同書簡で伝えてある。さらにこの規則に従えないならば、法の下で解決しようと警告したと彼女は語った。
問題が起きた日に彼女は手紙で1月29日午後1時から上級スタッフとの会合を開く計画だと同社に通告した。そして会合に出席できないスタッフは出席できない理由を説明した署名入り手紙を提出するよう伝えてあると語った。29日の午後2時に行った記者会見で彼女は今のところ誰一人来ていない。かと言ってスタッフが私の味方では無いとは言い切れない。特定の人物がこの会合に出席することを禁止したからだと明らかにダンクレー社長を非難する発言を行っている。彼が2月に逮捕された時に彼を首にしようと思えばできた。だが家族の経済的状況に同情してそうはしなかったとDr Khin Moe Moe付け加えた。
Mrダンクレーは1月29日午前11時に声明文を出し、Dr Khin Moe MoeがMCM社内で会合を開くことは許可しない。しかし、それ以外の場所ならどこで開こうと彼女の勝手だ。そしてその会合に出席するかしないかはスタッフの自由であると付け加えた。
しかし、Democratic Voice of Burmaは1月30日付でDr Khin Moe MoeはMCM社と情報省検閲局に対してミャンマータイムスの英語版・ミャンマー語版その他の発行を交渉が解決するまで差し止める旨の手紙を送ったと報じている。しかし、検閲局は1月24日に政府が解体しており、次の日ミャンマータイムスのミャンマー語版は通常通り発行された。
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