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<ミャンマーで今、何が?> Vol.277
2018.11.2
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■モノマネそしてコピーの世界 2
・05: アメリカも多様性の社会だ、教材に迷う
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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05: アメリカも多様性の社会だ、教材に迷う
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アメリカを何処から攻めるか、大いに迷うところだが、DVD“THE MEN WHO BUILT AMERICA”辺りから見ていきたい。
アメリカは発見されたのではなく、これらの主人公が造り上げていったのだと強く主張するドキュメンタリーである。
そのDVDは3枚に分かれ、自動車王のフォード、石油王から金融界の王者となったロックフェラー、鉄鋼王のカーネギー、金融資本家J.P.モルガン、海運・鉄道王のバンダービルトの5人がそれぞれに主役となっている。才覚だけでなく、幸運にも恵めれたかもしれない。だが、人の何十倍の熱意と努力を重ねてきた点では、凡人とはまったく異なる。それがこの5人の男たちだ。タイトル通りアメリカを造り上げた男たちの物語である。
アメリカン・ドリームを体現し、世界屈指の大財閥となった。このDVDはアメリカの資本形成および蓄財の歴史を見せてくれる。欧州で食いっぱぐれたご先祖が移民として新大陸に第一歩を印した。豪華客船タイタニック号の船底に閉じ込められたかもしれないが、彼らも着の身着のままで大西洋を渡ってきた、ボートピープルには違いない。
それに比較するとドナルド・トランプが、小人物に見えてくる。
上記を経済編とすると、もう一つのDVDお勧めは“UNTOLD HISTORY OF THE UNITED STATES”である。簡単に政治編とはいえない重厚さがある。正にアメリカの建国の歴史を描いたもので、DVDは4枚に分かれた超大作である。アメリカといえども、植民地帝国イギリスからの独立史である。そして周りにはフランスもスペインもいた。
ドキュメンタリー映画だが、オリバー・ストーンが監修・監督を務めている。それだけではないナレーター(話者)も務めている。当然、オリバー・ストーン自身がアメリカの歴史を綿密に掘り起こして、脚本を書いたということである。
オリバー・ストーンはエール大学を中退、陸軍に入隊し、ベトナム戦争を体験した。除隊後ニューヨーク大学に入学し、そこで奇才マーティン・スコセッシ監督に映画製作を学んだ。ベトナム戦争を扱った「プラトーン」、「7月4日に生まれて」、「JFK」、「ニクソン」、「ウォール街」などなど話題作を次々に発表したアメリカの良識派といえるだろう。
オリバー・ストーン監督は皮相的な解釈はしない。問題の本当の核心はどこにあるのか、徹底的に掘り下げ追求していく。このメルマガが手本にさせてもらっている手法である。
教科書的にNo.1から見ていくのが正当かもしれないが、ヒネクレもののワタシはNo.4から鑑賞してみた。現代から過去にさかのぼる試みである。
場面は2000年の米国大統領選挙。民主党候補のアル・ゴアと共和党候補のジョージ・ブッシュのテレビ討論会でDVDはスタートする。
司会者がゴアとブッシュの根本的な違いは何かと両者に質問を発する。
最初に民主党候補のゴアが答える。
ゴアは、アメリカが果たしてきた戦後体制の役割について語る。アメリカは世界のリーダーとして常に国際社会をリードしてきたし、世界もそれを期待していると述べる。
続いてブッシュは、強いアメリカが世界をリードしてきた。だから世界はアメリカの言うとおりに動けと叫ぶ。これがゴア副大統領の考え方で民主党の立場でもある。
その考えは間違っているのではないか。
自国のことは自国で決めるのが国際ルールだ。自ら努力をした上で、アメリカに援助を求める国があれば、アメリカは喜んで、その国を支援したい。それが共和党の考えで、私の考えだ、とブッシュは答えている。アメリカが軍隊を送り込んで、その国の建設に力を貸すなどおかしい、とブッシュは語る。
筆者自身大きく誤解していた。これまではリベラルのゴアが進歩的で、ブッシュはガチガチの保守思想の持ち主と思わされてきた。
この一対一の討論会を目の当たりにしたとき、今、どちらを支持するかと、改めて聞かれれば、私はブッシュを支持すると、答えるだろう。ビジュアルの強さである。それと同時に、自分の考えが、日本のマスコミを通じての間接的なインプットであったことを、思い知らされた。
このようにオリバー・ストーンが記録ビデオを豊富に使って解説してくれるのは、筆者の誤解を完全に打ち砕くものであった。というか、現実を知らずに、イメージだけで、アメリカを判断していたような気がする。今、このDVDによって、真実を見つめなおすことができる。
ストーン監督は続けて、2000年の大統領選挙は、二つの異なるビジョン(ゴアとブッシュ)をアメリカ国民に突きつけた。100年前の1900年のアメリカ大統領選挙にソックリだと畳み掛ける。民主党のブライアン候補と、共和党のマッキンレー候補が、アメリカの未来に付いてビジョンを闘わした。この時代は、社会主義が台頭する時代で、社会主義者の大統領候補も立候補したが、最終的にはマッキンレーが大統領再選を果たしている。
その名前はアラスカ州にある北米大陸最高峰に大統領にちなみ「マッキンレー山」と命名されたが、その後、北米先住民族の名前「デナリ」に変更された。
このオリバー・ストーンのアメリカ史は、DVD4枚である。南北戦争から、リンカーン暗殺、キューバ革命から、ケネディ暗殺、マルクス主義からロシア革命と、世界の動きを丹念に拾い、その時々のアメリカの政策を追いかけている。
その一方で、アメリカ・ネイティブ・インディアンの大虐殺など、アメリカの政治家が伏せておきたいような歴史の汚点を、丹念に、そして全体的な流れと同時に、案内してくれる。もともとネイティブの土地に、欧州各国の白人連中が幌馬車隊で西を目指す。
ジョン・フォード監督の「荒野の決闘」、「駅馬車」、「アパッチ砦」、「黄色いリボン」などなどが思い出される。そしてジョン・ウェインの格好良さに酔いしてた。だが、被征服者であるネイティブ・インディアンに焦点を当てる、オリバー・ストーンの冷徹さにはジャーナリストの鋭さが見て取れる。徐々にそのジャーナリスティックなモノの見方に引き込まれていく。
話を元に戻して、ジョン・フォード監督の「怒りの葡萄」に話をもっていきたい。
これも英語でThe Grapes of Wrathという原題を知らないと、日本の留学生はスタンフォードの学生と話もできない。それだけではなく、旧約聖書の物語から引用された題名と理解していないと、UCLAの教授からはバカにされる。
このジョン・スタインベックの「怒りの葡萄」は、、旱魃と風食によってロッキー山脈東の大平原地帯はダストボウルが吹き荒れ、農地は疲弊し、西へ西へとカリフォルニアに向かった1934年から1945年頃のアメリカの普通の農民を題材にした物語である。当時のアメリカは、本当に貧しかった。そして貧しさの中には良心があった。
確か、どこかで聞いた話だと本箱を漁ってみた。久馬一剛著「土とは何だろう?」(京都大学学術出版会)にはこう書いてある。
当時はシカゴやニューヨークなどの大都会でも、ダストボウルから吹き上げられた砂塵(ダスト)によって昼なお暗い日が続いたという。これは、見境なく開拓が進められた農地から、乾燥気候下で十分な植被がないままに、強風によって表土が吹き飛ばされたためという。
これらが見えないG8の政治家が、今、世界を動かしている。
そのリーダーがD・トランプである。そのトランプに尻尾を振る経済大国もある。
ナンテーのが、このメルマガの主題ではない。
だが、アメリカという国は、カリフォルニアに楽園を夢見て、流れていく季節労働者ジュード一家の苦労など忘れて、カリフォルニアに大農園のワイン畑を展開し、あるいは現代のソドムの町ともいえる歓楽街ラスベガスを砂漠の町に作り上げ、人工的な灌漑用水を網の目のように張り巡らせ、地下水を枯渇させ、そうなることが分かっていた塩害対策に悩む。
そして、毎年のように新聞を賑わすのが、カリフォルニアの山火事である。これはスタインベックの描き出した“ダストボウル”の21世紀版以外の何物でもない。
そして世界最先端のNASAは、夢のカリフォルニアがダメなら、宇宙への植民計画にと天文学的な大金を費消している。貧乏人にばら撒けば、南北の貧富格差は一気に解決し、ボート難民も発生しないのにと思うのだが、欧米人の思想の根本は何一つ変っていない。表面的には宇宙へと進歩しているようだが、彼らの頭の中味は何一つ進歩していない。
多分、スーチーはこの程度の話は、ロヒンギャから類推して十分にご承知のはずだ。
そして、今、経済大国が経済発展、経済発展と、スーチーに拍車をかける。
余命いくばくもないワタシにとり、ミャンマーの若者と、一銭の得にもならないFairy Taleでも語り合うのが、性に合っていそうだ。
またまた巨象の一部を撫でただけで、終わってしまった。
アメリカを語るには、アメリカのジャーナリズムにも触れねばならない。
そしてアメリカのユダヤ人に付いても、それだけではない。現代のアメリカン・カルチャーに付いていも。その代表がハリウッド産業と思っているが、なかなかそこにたどり着けない。
それでアメリカが見えたと思ったら大きな間違いだ。
一方で、ミャンマーの若者との時間も大切にしたい。
ドウシヨウ。コマッチャウナ。デートに誘われて。
ということで、次回は未定。
I have a dream, a song to sing
To help me cope with anything
If you see the wonder of a fairy tale
You can take the future, even if you fail.
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