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<ミャンマーで今、何が?> Vol.275
2018.10.23

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■メルマガ投稿ありがとうございます

 ・01: ジョージ・オーウェルの世界

 ・02: 老獪戦略は英国からアメリカへ

 ・03: トランプ・ゲーム

 ・04: 話は著作権法違反だった

 ・05: 日本語では世界にイチャモンがつけられない

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)


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01: ジョージ・オーウェルの世界

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メールでホーキング関連の情報を頂いた。手前勝手なメルマガにも、真摯な読者が おられるのを知り、大いに力づけられた。それだけに、どうご返事するか、空っぽの頭で長考してしまった。

このNH(姓名の順)さんには、今年2月にもメールを頂いている。ミャンマーで発電所関連の仕事をされたとのことだが、現在のお住まいがミャンマーか日本かは不明である。さらには新交響楽団のお話にも惹かれた。それが、戦前・戦時中・戦後のどの時点だったのか、非常に興味深い。

メール内容には示唆される部分が幾つかある。ホーキング以外にも、著作権法にも言及されている。それを引き金に、ワタシの考えをまとめてみたい。

京浜東北線で荒川を渡ると東京都から埼玉県に入る。日本に居る時は、その駅前市立図書館をほぼ毎日利用する。そこで一冊を丸々コピーしたいと問い合わすと、ご指摘の通り、著作権法違反との説明を受ける。

だが、抜け道があり、3回位に分割のコピーは、合法だという。それを長々と説明する職員、コピー申請書の細かい注意、枚数のカウント、最後に確認のお役所スタンプ、等々。余計な仕事に職員数は膨らみ、コスト高に繋がる。これが日本全土で行われている。日本製品が高いのも当然だ。だが、ムダなコストに目をつむり、高品質だけを日本製品が高い理由に挙げるのは、なんかオカシイのではないか。

同様の細かいルール説明は、銀行、病院、歯医者でも受けた。

日本では当たり前なのだろうが、聞いている途中で拒否反応が起きてしまう。ジョージ・オーウェルではないが、日本では“アニマル・ファーム”、“一九八四年”の世界に突入してしまったようだ。全体主義のビッグブラザーズに支配されている。行政だけでなく、それを受け入れる市民までが文句ひとつ唱えず、従順に家畜化されてしまったように目に映る。ワタシには被家畜化適応能力が欠けている。



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02: 老獪戦略は英国からアメリカへ

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だが、ここヤンゴンに戻ってくると、雨天だろうが猛暑だろうが、停電ですら、精神的には実に快適である。

この例え話を枕として、著作権法違反の話に入っていきたい。

著作権法の問題点を一つ一つ反論しても、盲人象を撫でるで、全体が見えない。

むしろ、スーチー式行政手腕で対処したほうが、全体が掴みやすい。お上の決めたことを、従順に守り従うのではなく、著作権法がオカシイと思ったら、本質的な問題が何処にあるのか、その源流を徹底的に追求するのだ。

このような国際的著作権法や、国際的通貨システムを牛耳っていたのは英国であった。それは戦前の話。だが、第二次世界大戦で疲弊した英国は、余力どころか借金だけが残っていた。全世界が疲弊し尽くした中で、戦費勘定を清算すると、アメリカの一人勝ちだった。アメリカだけが戦争を利用して火事場泥棒のように“戦争肥り”をしていた。だから、単純なアメリカの政界・産業界・学界では、戦争は儲かるという思想が確立してしまった。

一人勝ちの美酒に酔いながら、これからどうやって世界を牛耳るかという大プロジェクトがアメリカ人の使命となり、アメリカの哲学となっていった。



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03: トランプ・ゲーム

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理想を掲げて第一次大戦後に発足した国際連盟はもろくも破綻してしまった。

その焼き直し版が“国際連合”である。英語略称の“UN”だ。これを利用しない手はない。アメリカは太っ腹にも広大な敷地をニューヨークに無料で提供した。ここだけは、アメリカの司法・行政・立法・裁判権が適用されない、国際平和と安全維持のために利用してほしい、とか何とか上手いことを言ってムリヤリ決めてしまった。

確かにアメリカ人は単純だが、老獪さというイギリス人のDNAも引き継いでいる。そこで自国領土内に参勤交代の江戸屋敷のように取り囲んだ“国際連合=国連”を徹底的に利用することを考えた。ご承知のように国連には安全保障理事会、ILO、IMF(国際通貨基金)、UNDP、ユニセフ、UNHCR、UNWFP、PKO、UNCTADなどなど、順不同だが、主要な機関が多数存在する。これらを利用してアメリカが戦後、どれほど横暴なルールを世界に押し付けてきたか、考えてほしい。

UN加盟国の主権は平等と唱いながら、常任理事国は第二次世界大戦の戦勝五カ国が独占したままである。73年経過しても、その体質は、まったく変っていない。

アメリカが巧妙に作り出した新老獪さは、国内12の連邦準備銀行(FRB)に米ドル札発行権を与えたままで、米ドル通貨を、アメリカに関係のない第三国間の取引にも、仕切り通貨、決済通貨、金融通貨として広く利用させるように仕向け、それに成功したことである。

すなわち、すべての国際商行為で米ドルが介入する仕組みになっている。ヤンゴンで日本円貨をミャンマー・チャットに交換するとき、計算上は日本円を売却して米ドルを買い、その米ドルを売却してチャットを購入する。不経済だが、実質上、二重の換算が行われている。だからこそ、米国は北朝鮮に対しても、イラン、サウジ何処の国に対しても、いつでも経済制裁が発動できるのである。

そういう特権を戦後70年にわたって保持しながら、貿易赤字だとドナルド・トランプが嘆きわめくものだから、世界各国はトランプをバカにするのである。手の内にエース、絵札のジョーカー、キングを持ちながら、国際収支赤字だと泣き言を言っているのが、アメリカが参加するトランプ・ゲームである。



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04: 話は著作権法違反だった

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イケナイ、イケナイ、話がまた逸れてしまった。

前にもお伝えしたが、著作権法、知的所有権、海賊版コピーに特定して、ミャンマーの大臣、省庁役人、学者先生、法務省、商務省、移民局などの下っ端役人を集めて、駐ヤンゴン米国大使館および米国商工会議所が、セミナーを挙行した。

これこそ、ウブなおネエちゃんをヨダレを垂らした狼が、猫なで声で説教する、老獪なセミナーである。

記憶が不確かなのでバックナンバーで調べて見た。Vol.84 2014.03.05から引用してみたい。英国の誇るラドヤード・キプリングは当時バイロンをしのぐといわれるほどの人気作家だった。1907年英国初のノーベル文学賞受賞作家となり、欧米世界では大文豪である。
そのキプリングが日本に立ち寄ったときのエピソードである。

1892年4月20日に横浜に到着したが、そこで目にしたのは、自作の作品を無断印刷コピーした本が、見事に系統立てて揃っていた。しかも、英語式スペルを米語式スペルに無断で綴り直していた。キプリングは、これは盗品だ、強盗だと大憤慨している。

これらはニューヨークのジョージ・マンローという出版社が「海岸ライブラリー」と銘打って刊行したシリーズ物で、同社は1888−1899年の間に、キプリングの著書から11冊を海賊出版していた。このような出版事業を生み育てたアメリカという国を呪いながら、キプリングは横浜の店を後にした。これは、かなり以前に市役所図書館のパソコンで調べてメモしておいたものだが、その後、再度ウィキペディアで確認したら、ジョージ・マンローも海岸ライブラリーもすべて削除されていた。それだから、イギリスもアメリカも老獪だとワタシは喚いているのである。



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05: 日本語では世界にイチャモンがつけられない

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だが、こんなことを日本語でメルマガに流しても、屁のツッパリにもならない。

だから、ワタシが英語のプロになりたいと言った意味は、イギリス人およびアメリカ人と狡猾な彼らの歴史に対してイチャモンを付けられる程度の“英語力”を身につけたいということである。

しかも、日本や他国の政治家では、話にならない。

政治家がやることは、アメリカやイギリスの提灯持ちがせいぜいだ。だが、ミャンマーのスーチーはまったく異なる、一本筋が通っている。

多分そこが、自家薬籠中の家庭の主婦と思っていたスーチーを、オックスフォード大学のおエライさんや、その影響下にある欧米マスコミが見損なって、怒らせてしまったのかも知れない。

スーチーは後発組の不利を十分承知している。

だから、彼女の政策を詳細に検証すると、ミャンマーがその不利をなるべく蒙らないように、大臣に、役人に、学者連中に、産業界に、発破を掛けて、極力頑張っている。

だから、国際スタンダードを無批判に採用すると、芽生えかけた脆弱な国内産業が海外資本にすべて踏み潰されてしまう。中国にミャンマー北部を経済侵略された軍事政権が反面教師となっている。

だが、スーチーは、例えば著作権法がモラトリアムなしに施行されれば、他にも主要な金融問題、漁業・森林・鉱山・天然ガス石油、食品基準などなどもそうだ、ミャンマーが瓦解することは十分認識しているはずである。

しかも、この国際基準適用によって、先進国は宇宙の膨張理論同様のスピードで利益を拡大し、ミャンマーのような弱小国は貧困化がさらに激しくなる。

その小さなホコロビが、ラカイン州・バングラデッシュのロヒンギャ流出問題で、グローバル規模で問題を追及する人は、同じ現象が地中海で発生していることに気付く。ともに、ボートピープルという共通語で把握すると理解しやすい。

話を少し飛躍させると、イギリスとアメリカのロック・ミュージック業界は上手い具合に影響しあってきた。そして今や、音楽業界はメガ巨大産業にのし上った。その一歩先を行っていたのが映画産業である。これらについては、日を改めたいが、とに角、音楽産業と映画産業は、超ビッグなグローバルな巨大産業である。

そこにはボナンザの大金が、10倍ゲーム、100倍ゲームを狙ってうごめいている。ミャンマーなどというチャチな獲物ではない。

この辺りを整理して、いつの日か、メルマガに掲載したい。

メールを頂いたNHさん、著作権法に対しても、ホーキング博士についても何一つ、直接の回答はしていませんが、コミュニケーション能力の欠けた ワタシの心中を察していただけるとありがたいです。

できれば将来、貴兄のお知恵で、欧米への奇襲攻撃作戦にも参加していただければ、なお嬉しいです。

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