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<ミャンマーで今、何が?> Vol.229
2017.9.29
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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■世界は広い〜な、大き〜いな♪
・01: やせ蛙マケルナ・・一茶ココにあり・・
・02: 義のあるところ火をも踏む
・03: 北から南へ自転車で縦断を計画
・04: Diaspora(ディアスポラ)
・05: 世界地図を眺める
・公式ツイッター(@magmyanmar1)をはじめました!
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01: やせ蛙マケルナ・・一茶ココにあり・・
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誤解しないで頂きたい。このメルマガはノンポリが信条である。
英語のプロになると決心し、英字新聞、英語ネットを渉猟して、勝手にツブヤイテいる老書生である。
そして愛すべき読者は、貴重な時間を割いて、それを勝手に覗いているだけ。
だから、NLDを支持するなど、トンデモナイ。ましてや政治的にスーチーを応援するなど、もってのほか。それがこのメルマガのスタンスである。
本件で読者と論争する気など毛頭ない。
その癖、野次馬精神だけは旺盛!!
日本には古くから、ホウガンビイキ(判官贔屓)という言葉があった。薄幸の身の上の九郎判官"義経"に同情し、その肩を持つという意味だ。公儀に歯向い、主君の仇を討った赤穂浪士を江戸庶民は喝采して支持した。その心意気で、大新聞社よりも、大国の外務官僚よりも、スーチーに理があるとこのメルマガは判断した。
英語学習のついでに、西欧思想のオリジンを知るため、英語の旧約聖書を参照する。
あの土塊だらけの土漠の民たちは、些細な罪を犯し、ひもじく食い物を盗んだ、宿痾に苦しむ穢れた女に、多勢が寄って集って石のつぶてを投げつける。死ぬまで投げ続ける。酷過ぎる! その伝統は、西欧社会に伝播し、魔女狩りとなった。アメリカではリンチである。
西欧思想には力でねじ伏せる傾向がある。ヒューマン・ライトは要求するが、人情というヒューマニティが欠けている。
日本では元来、多勢で無勢は卑怯とされてきた。美学に反する。特にサムライはそうであった。サムライだと意気がる日本人は多い。だが、ホンモノは少ない。"義を見てせざるは勇なきなり"、ナ〜ンて旧いが、それがサムライの粋である。勝新の座頭市にも通じる。
このメルマガはノンポリのくせに、野次馬でもある。"皆んなでバッシングすれば怖くない"という欧米理屈に反論して、異を唱えた。ラスト・サムライのマネ事である。
戦後いつのことだろう、器用な日本人はアメリカをマネした。アメリカの巨大なスーパーマーケットを見学に行き、日本に小型のスーパーを根付かせた。アメリカ式経営学が脚光を浴び、優秀な息子たちをアメリカに留学させた。将来のオレの跡取りだ。質より量を学んでくる。MBA、何だソリャ! バカ息子は落ちこぼれ、優秀なムスコは頑張った。アメリカで箔をつけると、日本では大モテだった。
戦後ン十年、アメリカ思想が日本を席巻した。そして日本のココロが失われてしまった。
ヨミウリとは瓦版(かわらばん)で、最古の瓦版は"大坂夏の陣"を描いた1615年のものだという。日本におけるジャーナリズムの走りだ。江戸幕府は情報流通の活発化を警戒した。林子平などが、その犠牲となり獄中死した。ミャンマーの軍事政権だけではない。
時代を遡れば、欧米でも日本でも、世界至る所で言論弾圧の歴史がある。
スーチーは今それに歯向かっている。
"透明性"という名前で言論の自由を新生ミャンマーに根付かせようと努力しているのが、スーチーである。軍部は新政権の支配下に入っていない。軍事政権が起草した2008年憲法があるからだ。だが、軍のトップから中堅まで、スーチーの手法を見習い、事あるごとに記者会見を開き、資料を提示して公表し、質疑応答まで行うようになった。スーチー戦略が徐々に軍部にまで浸透してきた証拠だ。だが、組織上、軍部はまだスーチーの指揮下には入っていない。
ミャンマーの中央政府軍がロヒンギャ村を襲撃した。スーチーの無策で、スーチーの責任だ、と報道するのはあまりにも短略的で、この国の歴史を勉強していない。お茶の間テレビの演芸番組に自らを貶めないで頂きたい。
日本がミャンマー同様に国造りの理想に燃えていた頃、政治家は野に下っても、信念を貫き通した。
今は違う。目指す思想は違っても、票勘定だけで平気で野合する。
勝てさえすれば良いと、数の論理をアメリカから学んだ。票読みができる政治家が政治を牛耳ってきた。理想や哲学は評価されない。考え方ではなく、パフォーマンスで人気度が上下する。
こうして、日本のココロは消えてしまった。
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02: 義のあるところ火をも踏む
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あ〜あ、われダンテの鬼才なく♪
バイロン、ハイネの熱なきも♪
石し〜を抱きて、野にうたう〜♪
芭蕉のサ〜ビを、我は知〜る♪
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03: 北から南へ自転車で縦断を計画
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定年退職と同時にカミさんを誘って、世界に飛び出した男がいる。自転車を2台購入し、その行程は、韓国、NZ、豪州、英国、オランダ、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ、フランス、スイス、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、ブルガリア、トルコ、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、そして思いがけず南極大陸にまで渡った。
その間、急いで日本に戻り、福島・宮城の被災地でボランティアにも参加した。
走行総距離14,200km、訪れた国24カ国。メカに弱くパンク修理もできない。カミさんはチャリンコの初心者。二人とも方向音痴。
カミさんは独特の社交性を発揮、英語など必要としないコミュニケーションが得意だ。マジック、折り紙、オカリナなどで、ホステルの同宿者、学校の子供たちを魅了していく。
その体験記が宮田固著「世界自転車の旅 カミさんと走った500日」だ。その帯には"定年退職するダンナが言った。「自転車で世界を旅しないか」"とある。さらには"人との出会いがエネルギーに!"とも書謳っている。この本が2016年9月、朝日新聞社自費出版特別文化賞を受賞した。
北端から南端まで自転車で縦断したいと、来週ヤンゴン入りする。そこへ飛び込んだのが大使館からの危険情報。旅程が制限される、どうしようと相談された。
情報通り解釈すると、何もできない。皮肉ると、家から一歩も出ないで過ごすのが、最も安全な老後となる。だが、家の中にまでクルマが飛び込む時代。一日も早くあの世に行くのが、最も安全なトコロかもしれない。
漱石は非人情の世界に引っ越し、画学生の心境を描いた。
この「カミさんと走った500日」には、逆に旅先で出会う心温まる人情話で一杯だ。ゲストハウスの若者と旅情報の共有、夕暮れ迫る時クルマで引き返してきて自宅の庭でテントを張れと、心優しい老婦人、すれ違いざまに飲料水や焼き立てのパンを手渡してくれる見知らぬ人などなど。だが、ケチャップ強盗も経験した。直前に気付き、難を逃れた。
新聞ではヘイト・スピーチが横行している。
異国の見知らぬ人たちが、通りすがりの二人に、どうしてこんなに優しいのだろう。訓練を受けた"オモテナシ"ではない、普段着のオモテナシである。特に、カミさんの天真爛漫な無防備にはハラハラさせられる。だが、初対面の警戒を解かせる極意はソレかも。国連の高官やコワモテの外交官に欠けている近寄り易さがいっぱいだ。
ダンナの定年後はスキにさせてもらいます、コレも人生。だが、二人は夫唱婦随。今回の旅はトイレとシャワー以外は24時間ずっ〜と一緒。初めて性格の不一致を発見。苦難の上り坂や暴風雨の連続では惨めになった。支え合うのは二人しかいない。泣き笑いのこの旅で、ダンナとカミさんの絆はかってないほど強まった。
行動はモタモタだが、事前の情報収集と事後の情報整理の緻密さは、バツグンだ。ダンナの会社人生はカミさんとの自転車旅行の準備期間だったとしか思えない。定年をネガティブにとり、一気に老け込む人もいる。だが、このダンナとカミさんは好奇心満々で、会社人生から解放されて、むしろ、青春真っ只中である。世界の若者たちと青春を共有してきた不思議な夫婦である。
多様性溢れるこのミャンマーを北から南まで、ジックリ味わって欲しい。そのトラべローグが楽しみだ。
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04: Diaspora(ディアスポラ)
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「バビロン捕囚後、ユダヤ人が異邦人の間に四散したこと」を意味し、ギリシャ語の離散が語源となっている。彼らはユダヤ教を堅持し、特異な共同体を組織し、離散地の諸国において、特定の職業に限定されることなく、その経済活動は諸分野に及んだ。このため、諸国で迫害を受けることになる。
ユダヤ人の歴史は迫害の歴史である。それを記したのが旧約聖書である。
迫害の歴史があるがゆえ、彼らはより強く結束し、言語、宗教儀礼、教育など独自の伝統を護ることになる。
最近の解釈は変化しているようだが、シェークスピアの時代も高利貸しのシャイロックが典型的なユダヤ人として「ベニスの商人」に描かれている。
苦難の放浪の末に、国連決議に従い1948年5月14日、パレスチナの地にユダヤ人の国イスラエルが建国された。だが、建国以来、イスラエルとパレスチナの間には今なお和解と対立が繰り返されて、この地域は不安定な状況にある。
なぜ、この話をするかというと、ミャンマーのロヒンギャも元々はバングラの"ディアスポラ"であるからだ。しかも、この歴史的な背後には、老獪でトラブルメーカーのイギリスがパレスチナを委任統治し、1917年11月2日英外相が発表したバルフォア宣言に元々の元凶はある。
1972年ミュンヘン・オリンピックで11人のイスラエル選手・役員が虐殺された。テロの時代である。激怒したイスラエルは、世界有数の対外秘密情報工作機関モサドを始動させ、標的を11人のアラブ・テロリストに絞り、それを一人一人、非合法な方法で消していく。スピルバーグ監督の描いた「ミュンヘン」である。その凄惨なミッションは、原作ジョージ・ジョナス著「標的は11人」(原題はVengeance=復讐、仇うち)を読めばよい。
いま、世界が煽るラカイン州問題は、そのような報復作戦に陥る危険がある。単に無責任というだけではない。全てを公開して解決方法を一人苦悶するスーチーの手法を、どうして世界は理解できないのであろう。
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05: 世界地図を眺める
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皆さんにはお馴染みだろうが、そしてとっくにご承知だろうが、アングロ・サクソンが原住民を虐殺して原住民から略奪した領土は全て人工的な直線で統治されている。
まず広大なオーストラリア大陸をジックリと眺めてほしい。
NSウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州、西オーストラリア州、ノーザン・テリトリー、これらの州境は全て一直線。
次にカナダに行ってみよう。
Nファンドランド州、Nブランズウィック州、ノバ・スコシア州、Bコロンビア州、マニトバ州、アルバータ州、サスカチェワン州、どこを取っても州境は定規で引いた直線だ。
そしてトランプ自慢のアメリカ大国の地図だ。
ハワイ州を除く全州が人工直線で描かれている。
このメルマガが何を言いたいかというと、本来の国土そして領土が形成されていく歴史的な発展段階は、山岳地帯の尾根、蛇行する大河川が、国土の自然発生領土である。その自然に逆らって、地図をエイヤッと作るものだから、環境問題が発生しても、理解できないのである。パリ協定に合意できないトランプの知的水準はそんなところだろう。
極論すると、イギリスが元凶で、それをアメリカはマネした。
そのくせ、コピーライトを振りかざして、新興国を管理下に置こうとする。
その程度の頭脳で東西ベルリンを、南北朝鮮を、そしてベトナムを、北緯何?度線でエイヤッと境界するものだから、そのアトの解決になかなか繋がらない。
そしてそれらの老獪な国々が、今では世界主要会議のサミットを牛耳っており、情けないことに、これらの国々に尻尾を振る国家まで出現している。これらのポリティッシャンの国々から爪弾きになったミャンマーではあるが、この国の新指導者にはステーツマン、否ステーツウーマンの風格が見て取れる。それはサムライ魂に比肩できないだろうか?
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