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<ミャンマーで今、何が?> Vol.116
2014.10.15
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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■ニュースフラッシュ
・01:NLM紙が名前を変更
・02:中央銀行が5000チャットの新札を発行
・03:ミャンマー・エアウェイズ社が大阪便を就航?
・04:政府が国民の祝日を公告
・05:マンダレー宮廷を取り巻くお濠が夜間照明
・06:グエサウン・ビーチの観光客が倍増
・07:タイの新首相夫妻がネイピード・ヤンゴンを初訪問
・08:英国のトニー・ブレア元首相も来緬
・09:ミャンマーの凄さ
・10:カカボラジ続々続報
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今週は看板に偽りありで、最近のニュースを深く分析せずに、通り雨的に軽く流してみた。
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01:NLM紙が名前を変更
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国営日刊英字紙が10月1日よりこれまでの“The New Light of Myanmar”から“THE GLOBAL NEW LIGHT OF MYANMAR”に紙名変更した。これは情報省定期刊行物局(51%)とミャンマー国内企業のThe Global Direct Link社(49%)が合弁事業契約に合意し、今後は民間企業として運営されるためである。編集などの人材育成・教育には日本の共同通信社が深くかかわっている。同紙は1964年1月12日にWorking People’s Dailyとして創刊され、1993年4月17日にThe New Light of Myanmarに紙名変更された。The Global Direct Link社に関してはU Tin Nyuntという人物が社主ということぐらいしか分かっていない。
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02:中央銀行が5000チャットの新札を発行
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ミャンマー中央銀行は10月1日から、新たな5000チャット銀行券の発行を開始した。5000チャット札が登場したのは2009年10月1日からだが、今回はすかし模様および保護層の印刷技術を導入し紙幣の品質を向上させ、市場流通寿命の長期化と偽造防止を主目的としている。
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03:ミャンマー・エアウェイズ社が大阪便を就航?
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ミャンマー・エアウェイズ社がカンボジアのプノンペン経由でヤンゴン・大阪関西国際空港間に週3回の定期便を就航させると8月24日に発表していたが、当初の予定通りに10月8日から就航したのかどうかは確認できていない。念のために、ミャンマータイムズ誌最新号の国際発着便をチェックしたが、日本との定期航路は全日空のヤンゴン・東京間のみで大阪空港向けは記載されていない。
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04:政府が国民の祝日を公告
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ミャンマーには英国に準じて国民の祝日を官報公告する慣習がある。これは通常ガゼット・ホリデーと呼ばれる。
今月10月に関していえば、10月6日(月)がメッカ巡礼からの帰還を祝うイード・デーとして、イスラム教徒に配慮した国民の祝日。そして10月23日(木)が明かりの祭典のディパバリ・デーとして、今度はヒンズー教徒に配慮した国民の祝日。ミャンマーは仏教国といわれているが、ご存知の通り、人種・宗教そして言語は実に多種多様である。政府も各民族・宗教に配慮した祝日を公認し、法定休日として官報公告している。
ただし、これらの祝日は太陽暦ではなく、お月様の見え隠れ次第で決まることが多いので直前になって公告されることが多い。だから、年初に購入したカレンダーには赤丸印はついていない。そこで昨日今日来緬した外国のビジネスマンが、客筋を訪問してエッ!今日は事務所休み!とびっくりすることがある。
GNLM紙を丹念に読んでいると、ヤンゴン港湾当局がX月X日はガゼット・ホリデーのため、荷役は行わない。どうしてもという場合は割増料金になると通告している。
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05:マンダレー宮廷を取り巻くお濠が夜間照明
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2014年ノーベル物理学賞は発光ダイオード(LED)を発明した米国籍を含む日本人3名に授与するとスウェーデン王立科学アカデミーが決定した。ちょっと遅すぎるのではという感はするが、マンダレー当局はそのコストの安いLEDを2015年2月末から宮廷のお濠に沿って設置すると発表した。太陽光電池と比較して3分の一のコストでお濠がライトアップされ、夜間の犯罪防止にも寄与し、マンダレーのイメージアップにもつながるとしている。
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06:グエサウン・ビーチの観光客が倍増
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乱暴な言い方をすれば、ヤンゴンを真西に向かいベンガル湾に突き当たったところがイラワジ地区のグエサウン・ビーチだ。時間距離では、ヤンゴンを午前4時に出発すれば午前9時には到着する。
2013年の観光シーズンに比較して、今年は201%の伸びを示したとイラワジ地区ホテル観光当局が発表した。
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07:タイの新首相夫妻がネイピード・ヤンゴンを初訪問
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タイ国の新首相(将軍)夫妻が先週特別機で当地を訪れた。タイとミャンマーはどちらかがクーデターを決行する直前に軍のトップが隣国の理解を得るために往来してきた歴史がある。今回はインラック・シナワトラ首相を追い出したあと、新首相として国王の承認を得た将軍の来緬で、時節柄、大量の経済団体を引き連れての訪問である。例の通り、GNLM紙上では何が話し合われたかはレポートされていないが、今では、タイとミャンマー、どちらが軍事政権国家なのか判別つかなくなってしまった。
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08:英国のトニー・ブレア元首相も来緬
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英国のトニー・ブレア元首相がミャンマーの大統領府を訪ねた。ほんの数年前までは閑古鳥が鳴いていたこの国に、今は世界のトップ首脳がアポを取り付けるのに必死だ。そういう意味で、テインセイン大統領はこの世で応接に最も忙しい大統領ではないだろうか?
そして英米のミャンマー攻略は昔から巧妙で非常に強力であった。元米国大統領の肩書きはどこの国でも通用する国際ブランドだ。そして英国の元首相も国際ブランドとしては超一流だ。
彼らが一人でぶらっとミャンマーにやってくることはない。必ず国益を代表する大企業のCEOとか高名な事業家を随伴してくる。GNLMからは肝心なことは何一つ読み取れないが、トニー・ブレアの真の目的も、そのうち見えてくるはずだ。
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09:ミャンマーの凄さ
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ミャンマーの国父と呼ばれるアウンサンは1915年にマグウェー地区のナッモウク町の郷士の家で生まれた。その祖父ボー・ミンヤウンは憂国の士として知られ、当時ゲリラ軍を組織し、英国に対する武力闘争を指導していた。だが最後は、ボー・ミンヤウンおよびその部下全員が英国の近代兵器に屈し虐殺されている。特に指導者であったボー・ミンヤウンは英国の官憲によってその首を打ち落とされ、見せしめのためにナッモウクの村中を巡回して晒し首とされた。晩年、アウンサン将軍は、ロンドンでアトリー首相とビルマ独立の交渉をするのだが、そのことはおくびにも出さず、その娘のスーチーも同様である。そしてトニー・ブレアを温かく迎えている。
同様のことは日本についてもいえる。援蒋ルートを断ち切る目的で、英国に憎しみを持つビルマの若き学生指導者たちを利用して、人様の土地に軍靴で踏み込み、一時はイギリス軍をビルマの領土から追いやった。だが、インパール作戦の大失敗で、日本軍は食料もなく白骨街道をただ敗走し続ける。その当時の軍記を読むと、殺戮・焼き討ち・略奪・強姦などで、戦争のむごさをビルマの老人・女性・子供を含む村人たちに虐げて、人間の尊厳などどこにもない。その歴史をおくびにも出さず、ミャンマーは安倍晋三首相を温かく迎えてくれる。
イギリス人と日本人の傲慢な目くそ・鼻くそを比較するつもりは毛頭ない。言いたいことは、加害者は忘れても、被害者は一生そのことを歴史に刻んでいる。だが、このミャンマーという国は今、中国とも韓国とも違う反応を、英国と日本に笑顔で接してくれる。
190数カ国が加盟する国連機関に21世紀の平和を作り上げる能力はないにしても、ひょっとして唯一このミャンマーにはその潜在能力があるのではないだろうか。だが、欧米の尺度・評価では軍服を市民服に着替えただけのミャンマー政府とステレオタイプのレッテルを貼る。別の言葉で言えば、相変わらずの軍事政権という意味である。
アメリカさんにも言いたいのだが、この国の軍事政権はアユタヤやアッサムを占領した過去を除いて、海外に向けて鉄砲玉を発したことはない。銃を発射したのは国内対象だけである。ベトナムで、アフガニスタンで、イラクで、そして今、イスラム諸国で、老人・女性・子供を含む村人たちを堂々と無差別に殺戮しておいて、そしてミャンマーの人権がどうのこうのという資格がアメリカさんにあるのだろうかと考え込んでしまう。
そして今、テインセイン大統領は、何のわだかまりもなく、英国も、日本も、そして米国の大型代表団まで、にこやかに歓待してくれる。そして海外の獰猛な投資家が、ミャンマーの富を略奪しにかかっているのを法律まで整備して、笑顔で迎えようとしている。それをミャンマーの凄さと記したい。
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10:カカボラジ続々続報
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先週の臨時速報に誤りがありました。お詫びします。
9月27日、カチン州のプタオ近くで墜落したヘリコプターに搭乗していたタイのパイロットとナンマ・ジャンセンの甥の二人は無事であったが、残るもう一人のミャンマー人コー・パイロットのウ・アウンミャットーは死体で発見された。救助チームは、10月9日、ウ・アウンミャットーが避難していた洞窟近くでその遺体を発見した。
ナンマ・ジャンセンの甥ウ・シュエイントージーは10日間以上生き延び、徒歩でラーサー村に辿り着いた。10月7日の夜であった。その翌朝、ヘリコプター墜落時に負傷したタイのパイロットの正確な居場所を救助チームに示し、救援を求めた。同パイロットは生きて発見されたが、同様に負傷したコー・パイロットのウ・アウンミャットーはその日は発見されなかった。
中国のブルースカイ救助チームは、63名のメンバーの内2名を残して全員、先週雲南省で起きた地震の救助に中国へ向かった。
なお、Htoo基金はイタリア人のヘリコプター・パイロットを一名雇用し捜索を続けたが、悪天候に阻まれ、ヘリコプターによる捜索はこれ以上無理と語っている。だが、手がかりとなる、二人の登山者の足跡と登攀に使用されたと思われるロープを発見したとしている。
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