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<ミャンマーで今、何が?> Vol.100
2014.06.25

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■週刊メルマガ第100号記念特集

 ・01:週刊メルマガ<ミャンマーで今、何が?>が第100号を迎える

 ・02:2年前を振り返る

 ・03:弱き者、汝の名は外国人

 ・04:日本語の言葉遊び

 ・05:理論武装

 ・06:勘違いしてもらっては困ります

 ・07:日本語情報

 ・08:第100号を機会に軌道修正

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01:週刊メルマガ<ミャンマーで今、何が?>が第100号を迎える

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読者の皆様のご支援のもと、この週刊メルマガ<ミャンマーで今、何が?>は曲がりなりにも第100回記念を迎えることが出来ました。これもひとえに皆さまのお陰と厚く御礼申し上げます。

今回は内祝いのつもりで、政治も経済も、一般社会問題も、すべて忘れて、このメルマガ誕生の経緯を想い出してみたいと思います。内祝いといっても、その当時が今とどれほど違っていたのか、そのあたりを読み比べていただければ幸いです。話が脱線するかもしれませんが、すべてはキーボード次第です。



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02:2年前を振り返る

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この週刊メルマガが発足したのが2012年7月10日でタイトルは<駐ミャンマー米国新任大使“デレック・ミッチェル”とは?>でした。これが第1回目の創刊号です。それからほぼ毎週継続して2年間かかって第100号を迎えましたが、今のヤンゴンの変化を目の前にして2年前を振り返ると隔世の感がします。

創刊号の準備段階の時点で前宣伝も兼ねて、No.1<ミャンマーで今、何が?>とNo.2<センチメンタル・ジャーニーbyザ・レディー>の二本を2012年7月4日の同日付で配信しました。

この二本はメルマガ主催者であるK社のK社長にアピールする目的で作文例として提出したものですが、“これはおもしろい”のひと言で、そのまま前宣伝に採用してもらいました。

ですが、この準備段階で大きな問題に出くわしました。メルマガならば執筆者の略歴を紹介するのが当然で、執筆責任の所在をはっきりさせるべきだという要求です。酔生夢死の人生を送ってきたワタシには立派な経歴もなく、それよりもなによりも、当時の当局はジャーナリズム活動に厳しい目を向けていました。しかも、入国時の申告と異なるビジネス活動をしたとして入国管理法違反を理由に網走ならぬインセインの別荘に送られる危険は常にありました。



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03:弱き者、汝の名は外国人

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今の風潮からすると、何を大げさなと思われるかもしれませんが、当時の民主化路線はまだ先行きが読めない時季でした。

ひとつの例として、このミャンマーで西暦2000年に創刊され、大きく読者数を増やした週刊英字新聞“ミャンマー・タイムズ”紙があります。その創立者でCEOを務めるのはオーストラリア籍のロス・ダンクレー氏です。その後まもなく、英語版のみならずミャンマー語版も発行して、外国人経営の新聞社として約300人のスタッフを抱え、同氏はミャンマーのセレブとなります。だが、この国の恐ろしさは、ロス・ダンクレー氏が海外訪問から帰国して数日後の2011年2月10日に突然逮捕されます。そして保釈金を支払ってインセインの刑務所から保釈されたのが3月29日。すなわち47日間、臭い飯の別荘暮らしを体験したわけです。その後、法廷闘争に場面を移し、婦女(売春婦)暴行および移民法違反として、2011年6月30日に10万チャットの罰金が確定し結審となりました。この“ミャンマー・タイムズ事件”は、実際には経営権を巡って政府とこのオーストラリア人との間での綱引きなのですが、その内幕は週刊メルマガのバックナンバーNo.30<第30週特集号>、No.31<空軍最高司令官が通信省の新大臣に>、No.32<空軍最高司令官が軍服を脱ぐ>などで報じました。ご興味のある方は参照してください。

この大新聞社と当メルマガを比較するという大それた了見はこれっぽちもありませんが、この国に住む外国人としては悪夢のような出来事で、用心に用心を重ねねばという緊張感に囚われました。

このあたりの事情を説明すると、長年ミャンマーを熟知するK社長はひと言“分かりました”と覆面執筆を了解してくれました。



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04:日本語の言葉遊び

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さあ、そこで覆面執筆者の名前です。“東西南北研究所”という如何わしい名前も、太っ腹のK社長はあっさりと認めてくれました。ですが、言葉遊びはワタシの道楽みたいなものです。この東西南北を英語に直して、その頭文字の順番を変えると“NEWS”になります。吹けば飛ぶようなチッポケなメルマガですが、当局に対するジャーナリスティックな心意気を示したつもりです。もうひとつ、この東西南北をさらに捻って“サイトーなんぺい”というペンネームも用意しましたが、これは使用せずに済みました。漢字では西東南北と書きます。



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05:理論武装

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ですが、用心!用心! もしも、秘密警察から拷問に近い厳しい追及を受けたら、初回のメルマガに書いたとおり、英語学の学徒として同好の士に英語情報を流しているだけだという理論武装も用意しました。

だから、最初の<ミャンマーで今、何が?>で、“ミャンマーの民主化はスーチーさんの英語力がなかったら実現しなかった”との私見披露はそのためのものです。
ワタシは学生時代から徹底的なノンポリでしたので、政治を語る趣味は微塵も持ち合わせておらず、時間の無駄だと、これは秘密警察の担当者ですら折伏できるほどの屁理屈を身に付けております。

そして要所要所を読めば分かるとおり、例えば、No.96<英語ノススメ!>、No.97<英語ノススメその二!!>などの布石は着々と打ってあります。

そういうことで、私の見果てぬ夢は、秘密警察の皆さんに英語の学び方を伝授したいというのが本心なのです。情報入手はミャンマー語だけでは不十分だ、英語の時代ですよと。だが、英語はあくまでも情報収集の道具。そして、母国語の美しさは地上のすべての国民が大切にしようというアピールも用意してあります。

ワタシも日本語の美しさ、そして日本語の言葉遊びについてならば、いろは歌をはじめとして秘密警察の皆さんに最低3時間はじっくりとお話しできるストックは準備してあります。だが、今のところ不運にも彼らと接触する機会にはまだ恵まれていません。



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06:勘違いしてもらっては困ります

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数年前になりますが、ある日本人男性が、市内のとあるホテルで室内持込を巡って口論を起こします。どうもその道の女性をテイクインとのウワサもありましたが、真実は藪の中です。海外に出ると、武士道精神を誤解して粋がる日本人も大勢います。ほろ酔い気分だったのかも知れません。そして伝家の宝刀“出るところに出ようじゃないか”という格好良い啖呵を切ります。ですが、日本から一歩外に踏み出して、出るところに出てはいけないのです。これほど危険なことはありません。特にミャンマーにおいては致命的です。それが証拠には、この男性は6ヵ月後か一年後か忘れましたが、このホテルに示談を申し入れて、スゴスゴと帰国しました。

出るところに出た場合のシナリオを整理しますと、その時点でパスポートはその地区の警察が大切に保管してくれます。ということは勝手に国外逃避できないということです。審理が開始されます。すべてミャンマー語での手続きです。アナタは日本語&ミャンマー語の通訳を自分の費用で雇用します。ミャンマー人の雇用に貢献したわけですから、これは立派な行為です。通訳だけでなくミャンマー人の弁護士も雇用することになります。プロの弁護士の牛歩戦術は超一流です。弁護士料金が渋滞のタクシーと同様にカチャ、カチャと加算されていきます。まだ法廷に乗り込む前の弁護士先生に相談の段階でです。この頃になるとほろ酔い気分はとっくに醒めて、あなたの頭と懐具合は真っ青という状態にどの日本人もなります。あなたに逃げ場はありません。パスポートなしに日本へ逃げ帰ることも出来ません。日本大使館に駆け込んでも、困った日本人だと、常識的なアドバイスしかしてくれません。気がつくと6ヶ月、一年間の月日が経ってます。そこで賢明なアナタは示談和解が最良の方法だと気がつきます。もう少し賢明だと、出るところに出なければ良かったと悟るはずです。そして、親切な日本大使館は日本の身内に連絡してアナタの莫大な必要資金を届けてもらう手配をしてくれるでしょう。この地はドネーション(お布施)の国でもあります。テーブルの下を通って裁判官にまでアナタの慈悲は行き渡ることでしょう。このようなアドベンチャーは日本に引き篭もっていては決して体験できません。

隣のバンコクの刑務所には、出国時に白い粉を発見されて、終身刑あるいは死刑の判決を受けて収監されている無知な外国人がかなりの数に上っているとのことです。
李下に冠りを正さずで、海外では特に気をつけたいものです。タイに限らず、最近は若い無知なバックパッカーが増えているようです。それを年配のオッツァンがやったのでは友人から家族から馬鹿にされるだけです。くどいようですが、いくら酒の上とはいえ、“出るところに出よう”など、粋がってはいけません。



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07:日本語情報

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最近は、ヤンゴンも激変し和食の飲食店も急増中です。昼食も日本人同士でラーメンを、夜食も日本式居酒屋で日本人同士が固まっているようです。これじゃ日本にいるのと、まったく同じ風景ではないのか? どうしてミャンマー人を連れて和食を楽しまないのか、どうしてミャンマー人に付き合って屋台で盛り上がらないのか?

日本語情報だけの付き合いで、本当にビジネスは大丈夫なのだろうか? 心配になってきます。

最近は、日本語でのタウン誌や、日本語でのメディア情報も充実してきました。
<ミャンマーで今、何が?>も100号を迎え、優秀なこれらの皆さんと同じ路線でミャンマーニュースを配信するのでは、ますます影が薄くなっていくような気がします。
そこで考えました。



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08:第100号を機会に軌道修正

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最近<コンニャク物語>を配信しました。

そしてコンニャク博士に是非会いたいとヤンゴン駐在の女性が東西南北研究所を訪ねてくれました。実家は関東圏で創業160年のコンニャク屋さんだそうです。ここでのコンニャク問答は大いに盛り上がりましたが、企業秘密になりますので紹介はしません。
ですが、そのとき考えました。

秘密警察との想定問答集も充実してきたので、そろそろ覆面を脱いでも大丈夫かなと、少し大胆な気持ちになってきました。という意味は、読者の方に限って、東西南北研究所のドアを少しずつ開放することを検討しようかと考えています。ヤンゴンで当てのない方など、東西南北研究所を足がかりにしようとお考えの方は、お立ち寄りください。

かと言って、お上に尻尾を捕まれるような愚は避けたいと思います。メルマガ主催のK社に連絡をください。ドアの向こうでつぶやく暗号を後刻お教えします。不審なところが無ければ、ドアは開かれるはずです。

秘密警察さんも同様でしょうが、今の時代は正確でスピーディな情報が求められます。この国は2015年の大統領選挙という、次の大きな関が原がやってきます。そこで、かなり安定した方向性が確認できますが、情報交換の重要性はますます高まっていくことでしょう。

皆様の声を直接的にではなく、編集したうえでメルマガに反映できればと考えています。
K社のK社長は鷹揚に太っ腹で構えていれば足りるのですが、実際には同社の優秀なスタッフTさんの支援があったからこそ、このメルマガは第100号を迎えることが出来ました。原稿遅延とか、肝心の添付原稿が送付されていないとか、急場はすべてTさんのお陰です。

内祝いの最期として、Kさん、Tさん、そして読者の皆さまに、熱く厚く御礼申し上げます。



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