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<ミャンマーで今、何が?> Vol.97
2014.06.04

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■英語ノススメその二!

 ・01:恐縮ながら、またもや英語談義

 ・02:英語学習の極意

 ・03:もうひとつ秘訣がある

 ・04:英語は単なる道具

 ・05:情報収集は英語が有利

 ・06:だが、どうやって英語を勉強?

 ・07:ヤンゴンでのエウレーカ!

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01:恐縮ながら、またもや英語談義

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事件が起きたのは、先週号のメルマガ発行直後のことだった。古くからの友人に電話で呼び出され、居酒屋に拉致された。普段は酔っ払ったような口を利くが、飲むごとに理路整然としたシャキッとした話し方に豹変する男だ。だが、「ミャンマーで今、何が?」の熱心な読者でもある。そして英語の習得が並大抵でないことを、脅迫するように諭された。
その滔々たる理路整然に根負けして、今週号も英語学習について詳述することを約束させられた。個人的な敵討ちのメルマガとなるが、ご寛恕願いたい。

実は、東西南北研究所に英語を教える能力はこれっきしもない。しかし、“英語の学び方”については一家言もっている。それは試行錯誤の末に到達したものである。それを糧に結実したのが週刊メルマガ「ミャンマーで今、何が?」である。インターネットの英語版メディアから一流紙・一流通信社のミャンマー関係ニュースを片っ端から斜め読みし、話題を提供しているからだ。

ところで、先週号の日韓英字新聞は日刊英字新聞にお詫びして訂正します。



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02:英語学習の極意

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それはアウンサン自身が語った「個室に篭り何時間も訓練を繰り返せば、それは不可能ではない」という言葉につきる。

それを朝・昼・晩、土日なしに連日繰り返すだけである。それ以外に英語の上達方法はない。テープを聴くだけなどという方法は試したこともないが、まったく信用していない。
高い授業料を払って海外に留学する必要もない。広告宣伝に惑わされて英語学校に通う必要もない。文法書や、テキストブックを購入する必要もない。そんな無駄なことはおやめなさい、というのが東西南北研究所のアドバイスだ。師を求めず、独りで、個室に篭り、没頭するだけで英語は上達する、というのが極意といえば極意だ。

早朝街角のニューススタンドで、日刊英字新聞“The New Light of Myanmar”(略称NLM紙)を買い求める。一部100チャット(邦貨10円)だ。そして近くの路上喫茶で死ぬほど甘ったるいラペッイエ(紅茶)を注文する。これが250チャット(邦貨25円)、これが独りで英語を学習する個人授業の一日の投資額だ。このときに電子辞書は是非持参願いたい。

NLM紙の厚さはわずかに16ページと英語学習者には手頃にできている。しかも、今ではすべての写真がカラー刷りとなっている。英語学習に地上で最適の環境をここヤンゴンに作ってくれたミャンマー政府に御礼を述べたい。英語が得意で無い人にとって、ミャンマー人の編集した英語新聞なんてとケチをつけたくなるところだが、どうしてどうして、この半分の8ページは海外の一流どころの通信社が配布する英語ニュースで埋まっている。

ちょっと前までは、UPI、AFP、BBC、AP、フォーブス、ブルームバーグ、NYタイムズ、ワシントンポスト、フィナンシャルタイムスなど世界の一流どころが揃っていたが、最近はNLM社の方針が変わったのか、ロイター通信、共同通信、新華社を主軸に記事が編成されているようだ。だが、この三通信社は世界の一流新聞に配信しており、英語学習のテキストとしてなんら文句をつける理由はない。それよりも記事の内容が大切だ。

この8ページの内容は、海外の政治ネタ、経済、科学、医学、ハリウッド・ボリウッド映画情報、音楽情報、サッカー・テニス・ゴルフなど世界のスポーツ情報と盛りだくさんだ。

あとはこのワンダーランドに浸りきればよい。ときおり、この死ぬほど甘ったるいラペッイエを啜りながら。これがヤンゴンで最もトレンディな朝の過ごし方でもある。気分はスターバックスでもよい。あるいはパリのカルチェラタンでもよい。

ただ、アウンサン将軍の秘伝によると、これを毎日続けることが肝心だ。NLM紙に休日はない。だから、アナタも365日休みなしだ。これを地道に2年、3年続けると、あなたは間違いなく英語の達人になる。アナタが頭が良いとか悪いとかはまったく関係ない。継続は力なりである。ここで3年間というキーワードを憶えておいてほしい。



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03:もうひとつ秘訣がある

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それはTOEICに挑戦するとか、外交官試験に挑戦するなどという、不純な動機を抱かないことだ。ひたすらに独自の英語道を目指す。師も持たず、ただ独りで。集中力だけを味方とし、路上喫茶のざわめきも無視して、英文だけに集中する。

文部省のもたらした弊害が何かというと、試験場への辞書持ち込みを禁止したことだ。それゆえに、受験生は必死に単語を暗記する。試験場に入って経験するのは、英文の語彙が分からない。こんな単語は初めて目にしたという情景だ。文部省が依頼する試験官は、一見難しそうな単語ばかり選んで問題文を作成する。だから、単語が分からないのは当然なのだ。これこそ弱いものいじめの典型である。性格がひねくれているのだろう。どうしてみんなに分かりやすい問題を作成できないのか? 試験官の頭が悪いとしか思えない。

東西南北研究所のシステムは、最初から電子辞書の持ち込みをOKとしている。非英語国民は単語が分からなくて当たり前。アナタの個室である路上喫茶へは逆に電子辞書持参を奨励というか、強制している。そして分からない単語は片っ端から、辞書を引きまくるのだ。努力して単語を憶える必要はまったくない。未知の単語が出てきたら辞書を引く。それを繰り返す。ひたすら繰り返す。あっ!この単語、さっき辞書を引いたが意味を忘れてしまった! だが、あせる必要も、頭が悪いと、自分を責める必要もない。だから、アウンサン将軍が打ち明けたように、個室が必要なのだ。ここでは何回同じ単語を引いても誰にも咎められない。それよりも人間は忘れる動物だと頓悟することだ。これを何度も何度も繰り返すと、辞書を引くのが面倒くさくなる時がくる。不思議なことに、その面倒くさくなった頃に、どういうわけか、この単語の意味を憶えてしまう。これが東西南北研究所の開発した極意だ。



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04:英語は単なる道具

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英語なんていうのは、意思疎通の単に道具(Instrument)でしかない。決して日本人の魂を鬼畜英米に屈服して売り渡すことにはならない。確かに一部の英米人で日本人の英語をジャパングリッシュ(Japanglish)と揶揄して“下手な英語の代表”みたいに馬鹿にする教養のない輩もいることはいる。そういう連中には、47文字のアルファベットすべてを一回だけ使用して仏教の真髄を七語調の詩にできる言語を日本人は発明したんだと教えてやればよい。そして「色は匂へど、散りぬるを・・」と、いろは歌を朗々と聞かせてやればよい。逆に、口惜しかったら「ABC・・XYZ」のアルファベット26文字をそれぞれ一回だけ使用して聖書の真髄を語ってみろ、SUDOKUの要領だ、と言ってやればよい。彼らがどれほど無教養か納得することだろう。

だが、ユダヤの陰謀なのか、日本語のアルファベットは「あいうえお」だと若い世代は間違ってインプットさせられてしまった。これはその陰謀に加担した文部省の重大責任でもある。母音と子音の組み合わせで日本語のアルファベットが出来ているなぞ、外国人に教えるならいざ知らず、豊穣の文化で育とうとしている日本の子供たちには百害あって一利なしだ。「色は匂へど、散りぬるを、我が世誰ぞ、常ならむ、有為の奥山、今日越えて、浅き夢見じ、酔ひもせず」、“ファック”と“シット”しか口にしない欧米文化と比較して、なんと優雅な文化ではないか。



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05:情報収集は英語が有利

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だが、今の時代は、英語での情報分量は日本語を含む他の言語の、それをはるかに上回っている。それはグーグル検索でも、ウィキペディアでも、ウィキリークでも、英語バージョンは日本語バージョンよりもはるかに充実している。だから、情報インプットには、日本語バージョンだけに頼っていたら、欧米人に負けてしまう。今は「英語」の時代なのだ。その一方で、いろはにほへとを理解する難しさは英米人にとっては大きな障壁となっている。情報戦の今の時代、日本語は情報の漏洩を防ぐ武器ともなりうる。これもハサミと同じく使い方次第だ。

かって日本では、太平洋戦争時代、偏狭的に、英語は敵性語として使用が禁止された。中国でも、文化大革命時代、西洋びいき、洋行帰りの大使館員の家族などは街中の晒し者となった。一方、欧米では積極的に敵性語である日本語のプロを養成していった。その一人が、太平洋開戦時、海軍の日本語学校に学んだドナルド・キーン氏である。

それだけに、海外でビジネスを行うのに、現代でも日本語だけで勝負している日本人を見ると、気分は太平洋戦争時代ではないのかと考え込んでしまう。

そこで、ミャンマーでビジネスを検討中の皆さまには、是非とも英語にチャレンジしていただきたいと、お勧めする次第である。

というのが、日本語はぺらぺらだが、英語が苦手とおっしゃる皆さんに、じっくりと話を聴くと、英語の語彙が相当インプットされているのに驚かされる。

身の回りだけでも、シーリング、フロア、ウォール、カーテン、ライト、ランプ、ウィンドー、ワイングラス、カップ、ジュース・・・気の遠くなるほど膨大な語彙を身につけておられる。デモクラシー、フィロソフィなど抽象的な言葉も自由自在に使いこなす。ウィスキーをソーダで割ってドリンクしたいなど、冷静に考えれば、たいていの用事は足せる語彙力である。

ただ問題は、その発音が文部省のマニュアルで授業を受けた人たちばかりなので、世界市場では通用しない。そこのきっかけさえ掴めば、あるいはコツさえ習得すれば、教養のない英語を話すなんて簡単なのである。その点で、文部省のお粗末な英語教育を長いこと受けてきた影響には恐ろしいものがある。その悪影響を小学生の時代から植えつけようと文部省はがんばるものだから、日本人の英語はますます世界の笑いものになっていく。

英語なんてものは、人に習うものではなく、アウンサン青年よろしく、個室に篭って一人で勉強するものである。そうすれば、アナタも英国の首相と差しで話しができるようになるだろう。

東西南北研究所も、文部省からの悪影響を吹っ切るのに無駄な時間を費やした。だが、今では世界のミャンマー情報をNYタイムズ、ワシントン・ポスト、BBC、ガーディアン、などなど世界の一流紙、通信社からダウンロードし、片っ端から目を通している。そしてミャンマーの日刊英字新聞、ニュー・ライト・オブ・ミャンマーから、国内の動きを拾っている。しかし、出だしはアウンサン青年と同じくお粗末な英語力であった。しかも、不幸な文部省教育を受けたというハンディキャップを背負ってのスタートで、この点では英語がお粗末だったアウンサン青年にも劣るスタートである。

ということで、“為せば成る”精神で、アナタにも是非挑戦していただきたい。このミャンマー市場で欧米勢力と競争するのであれば。日本語のできるミャンマー人よりも、英語のできるミャンマー人の数はダントツに多い。日本語文化圏のみから情報を拾うのと、英語文化圏にも範囲を広げて闘うのであれば、後者のほうが有利とは思いませんか? 日本人も、そろそろ太平洋戦争時代の伝統から脱皮する「今」が来ているような気がします。


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06:だが、どうやって英語を勉強?

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アナタが出張でも、遊びでもよい。仮にバンコクで数時間の余裕ができたとしよう。辺りを見回すと、映画の看板がずらりと並んでいる。冷房の効いた映画館で、評判のハリウッド映画を見るのも悪くない。だが、場内が暗くなると、早口の英語が飛び交い、字幕がタイ語であることに気付く。映画代がもったいないので、そのまま我慢して画面を見ているとなんとなく話の筋が分かってくる。これが文部省とは違う、もっとも自然な語学学習方法なのだ。頼るのは“ファック”とか“シット”などという耳をふさぎたくなるような音声と、画面の動きだけである。だが、人間には推理力という超能力が備わっている。これを活用するのだ。

NLM紙からプレミアリーグ・サッカー記事でも、ボリウッドの記事でも構わない。一行一行、分からない単語は電子辞書で引き、センテンスごとに理解した単語だけで推理していくのだ。途中で理屈が合わない解釈をすると、アナタの頭脳はこれはおかしいと判断し、別の解釈をもう一度トライする。だから、生真面目に英語の勉強と力まずに、ゲーム感覚で挑戦していただきたい。これが意外とおもしろいゲームになる。



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07:ヤンゴンでのエウレーカ!

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アルキメデス先生の故事に倣い、エウレーカ!エウレーカ!と叫んでしまったことがある。
ヤンゴンの両親たちは教育熱心だ。幼稚園も大繁盛している。園長先生に聞くと大半が3歳児だという。感心したのは授業内容ではない。送迎に付き合う父親や、母親との幼児たちの会話力に驚いたのだ。何と彼らは3歳にして母国語をネイティブの発音で立派にこなしている。内容は分からないが、立板に水を流すように母親に不満をぶつけている。この光景はまさにエウレーカものであった。

そういえば、同じような光景をいろいろな国々で見てきたような気がする。類推すると、この地球上のすべての国で発生しているのだろう。
つまり、3歳になると幼児たちは母国語をネイティブの発音ですでにマスターしているということだ。フランスの幼児も、英国の幼児も、インドの幼児も、中国の幼児も、3歳になれば母国語の天才なのだ。もちろん日本の幼児も、そしてミャンマーの幼児も語学の天才であった。

だが、それをダメにしているのが、教育という名前のお節介である。なかでも、日本の文部省の英語教育は世界の物笑いになるほど劣悪である。

チベット仏教は説く「子供のようであれ、さすればすべてを驚きの目で見る=“Be like a child, astonished everything”」と。

幼児は語学をマスターする能力を本来身に付けていた。が、不自然な教育によってこの天才的な能力は消滅していった。

今60歳の人は57年間の面子を、40歳の人は37年間の垢を、20歳の人は17年間の英語教育を、洗い流すことができれば、英語の習得は簡単なことである。

もうひとつの極意といえば「三歳の童子になれ!」が決め手だろうか。

ミスター理路整然ドノ、これでご勘弁願えるでしょうか?




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