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<ミャンマーで今、何が?> Vol.489
2022.04.08
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■ミャンマーの4月はホッテスト
・01: Boys plus Girls be ambitious!!
・02: Matriculationと洗練された英語
・03: 水祭りの日
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:Boys plus Girls be ambitious!!
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早朝散歩の途中で延々と続く長いフェンスに出会うことがある。それが途切れると正門か、後門にでくわす。
枠どった中に大きく「XXXX GOODS SHED」と書いてあった。XXXXはその地区の名前である。
悪い癖が出て、正門の前に立ち止まり、生徒たちに英語の講釈を始めた。
広々とした敷地内からランニングシャツ姿の男が出てきた。一見して目が鋭い。危険を感じた生徒の一人が乱暴に私の腕を掴み、慌ててその場を離れた。
ヤンゴンでは政府敷地付近は危険地域である。銃を冓えたセキュリティが物陰に潜んでいる。その正門前に立ち止まるとは、迂闊だった。
日本の友人からヤンゴン空港も間もなく解禁と連絡を受けた。同時に街中は安全かと確認された。
中央銀行の副総裁(女性)が自宅で暗殺とのニュースが先日流れた。自宅でも政府のVIPのセキュリティは厳重な筈だ。弾丸は酷たらしくも何十発も打ち込まれた。
国軍はテロリスト集団の犯行と発表した。
スケープゴートにされる理由は双方にあり得る。
反政府側は臆病でスマートだ。
VIPならば、一発の銃弾で逃げ去るのが通常の手口である。
2発目だと確実にセキュリティがすっ飛んでくる。
3発目だと取り押さえられるか、射殺されるかだ。どちらも望ましくない。
臆病だが犯行声明はこれまで出してきた。だが今回は今現在も流れてこない。
横丁の薄暗がりで兵士・警官に暴行を受けた事件も発生している。
だからヤンゴンが安全かどうかは、一般的なことしか書けない。
日本の友人へ告げたい。
久しぶりにヤンゴンを訪ねても、人混みの多い少ないで、そして薄暗い時間帯からも、危険を察知するヒントはある。ヤンゴンではホモサピエンスが失った危険への嗅覚を磨く訓練が出来る。ジャック・ロンドンの『野生の呼声』(The Call of the Wild)に耳を傾けてほしい。
ヤンゴンはウクライナとはレベルが違う。だが国によって事情が異なることは押えておきたい。
ヤンゴンを再訪するなら、信頼出来る友人に頼むのが一番だ。
だが会社の部下は注意すべきだ。解雇されないために、耳に心地良い言葉しか彼らは語らない。腹心の部下も金次第である。
さいとう・ナンペイ著『アウンサン物語2016』からそれは学べる。
そういう点から、“ヤンゴン農学校”では優秀なツアーガイドが徐々に育ちつつある。当局認定のライセンスなど糞くらえだ。
「ヤンゴンで今、何が?」の幅広い知識を身に付けてこそ、次世代の若者に育っていく。暗記で覚えた知識でなく、モノの考え方、システムを解読する訓練を目指している。
海外にジャルパックの知識で出かけるなど危険極まりない世の中になってきた。ブランドものの下着は外して、和製フンドシを締め直してほしい。
マンハッタンのマジソン・スクエア・ガーデンで道を聞かれたと得意になる日本人に何人か出会ったことがある。あそこは世界中のお上りさんが一生に一度やって来る場所である。生粋のNYっ子はほとんどいない。
オレは本場でアメリカ人に間違えられたと大威張で勘違いしないことだ。お上りさんがお上りさんに道を聞いただけである。
今回は当局の追及をくらますために、気晴らしの話題を無関係にダラダラ書くことにした。
場所を変えて、生徒たちにGOODSとは何かを聞いてみた。最近は料理に忙しくて、英語の勉強をサボっているようだ。
生徒の誰一人として知らなかった。SHEDも当然知らなかった。
ここはヤンゴン川の近くである。
意地悪な教師は簡単には意味を教えない。生徒は全員スマホを手にしている。英緬辞書のアプリはインストール済みだ。
英単語の意味は一つだけではない。awesomeの意味は一つだけではない“怖い”だけでなく“素晴らしい”と真逆の意味もある。
アメリカ人が“最高!”とべた褒めすることを、皮肉な英国人は“Not so bad=悪くない”と平然とぬかす。これが老獪な英国人の“イイネ”である。
辞書の妙味は訳語の中から適訳を探し出すことにある。そのセンスで英語が得意か苦手かが分かる。
Very goodのgoodと答えた生徒もいる。それは間違い。正解は“品物”そして“商品”と教えた。
ヤンゴン川を遡る船舶が運んできた荷物が桟橋で卸される。その“荷物”がGOODsで、それを雨から守り保管する“倉庫”がSHEDだと説明した。
だから正門の表示は、外国からやってきた“輸入貨物の保管倉庫”と蘊蓄を語った。生徒が相手でも手抜きをせずに自分のテーブルに引きずり込むのが私の老獪学である。
輸入だけですか、輸出貨物はどうするんですか、と聞かれたら、しめたものだ。ここから会話は港湾の施設機能に発展する。
ヤンゴンでは未熟な船員を海外に派遣するいんちきシッピング・エージェントが花盛りである。
外貨を稼げるので特にこの業界は軍政府が保護すると同時に監視も厳しくし、稼ぎを搾り取ってきた。
だから旧態依然な体質は50年以上改善されていない。
国際海運は日進月歩で、六分儀など使わず新入りでもGPSで船舶の位置を測定出来る。更に時は進みスマホの時代である。
紙一枚の免状など無視して、朝の散歩に船乗り希望の若者を10-20名ほど連れ出すとしよう。
道中、保税倉庫を説明しても良い、ヤンゴン川縁りで上下する船舶の種類、喫水線のドラフトマーク、大型船舶をアシストするタグボート等など教材は無数に転がっている。
その指南役を私の生徒にやらせようというのが、私が夢想するゲリラ商法である。生徒は全員若手のアマゾネス軍団。早朝散歩をくり返すことで、生徒の知識はプロ並となる。そのアマゾネス軍団が甘っちょろい船員志望の野郎どもをビシビシ指導する。高騰しているビルの教室を借り上げる必要はない。事務員も不要。
桟橋付近だと大型貨物トラックの出入りが激しい。船乗りの第一歩は“安全確保”である。道路を渡るにも軍団教師が野郎どもをどやしつける。そしてトラックの出入りを安全に見渡せる場所を確保し、野外授業を始める。
そして帰宅の路上喫茶で生徒全員をもてなしてもよい。ここでも生徒は軍団教師を丸く取り囲む。
話題は本日の質疑応答でも良し、海運界に革命をもたらした『コンテナー物語』でも良い。これはアメリカの物語である。
世界を制覇したデンマークのマースクラインよりも、野郎たちには二等航海士から夢を実現し世界一周航路を切り拓いた台湾のエバーグリーン会長の立身出世物語が相応しいかもしれない。ヤンゴン農学校のモットーは次の言葉である。
“Boys plus Girls be ambitious!!”
これが意味するところは、欧米発信のLGBTに賛同したからではない。
目の潰れていた期間、アマゾネスたちからメンストゥレイション、即ち女性の月経についてたっぷりとレクチャーを賜ったからである。目が潰れたのは天からの贈り物であった。お互いに目を見つめ合って話す必要はない。恥ずかしさを抜きにして、言いたいことが言えたような気がする。
そして悟った。この世の中は男と女で創った。しかも10ヶ月間もの苦痛を女性だけに強いて。
西洋ではすり替えの物語が宗教を通じて今の時代まで尾を引いている。
東洋でも、男優先の時代が今でも続いている。それは狭い狭い国土のミャンマーと日本だけからも学ぶことが出来る。
女性には正当なハンディキャップを与えるべきだと考えた。だが何が、そしてどのくらいが正当かで悩んでいる。男女同権等という法律や憲法の文言がどれほど虚しいものか、アマゾネスは気づいている。
だからこれは宿題とすることにした。
取り敢えず、次世代の若者は男も女も平等だが、ホモサピエンスが有史以来借りを重ねてきた女を強調する意味で“プラス少女たち”とした。
そもそもこの女の協力が無ければ、男の存在はありえないのだから。
更に話を飛躍させると、下街早朝散歩でアルメニア教会の前は時々通過する。当地では伝説とされるストランド・ホテルを建てたのがアルメニア人のサーキーズ兄弟である。
その面影を慕ってこの教会の敷地内を訪ねたことがある。当時の管理人が「今はすっかり寂れ、たまの日曜日に、ソ連大使館の家族が礼拝に訪れ何がしかの金銭を包んでくれる」と話してくれた。
突飛な書き方をするが、読者の中で「プーチンとロシア正教会のキリル正主教との結びつきが気になります」とメールを頂いたのはTTさんただ一人である。
このアルメニア教会は東方キリスト派である。私の記憶違いで無ければ、ミャンマーが民主化で開国したとき、キリル正主教が異様に見える衣裳をまとって、このヤンゴンのアルメニア教会を訪れた。その後、雨漏り修理が行われ外観が真っ白のペイントで化粧直しされた。バチカン法王が来緬されたのもその前後だったと記憶する。
お見舞いと同時に頂いたTTさんのヒントは私の物語構築を非常に刺激してくれた。
タンシュエ若き日のKGB修行、そして懐刀テイザーとのロシア製ミサイル・銃火器などを通じての途方も無い錬金術。
時代が変わり、自分を総司令官に拾い上げてくれた恩義があるにも関わらず、その錬金術をタンシュエから剥奪し独占しようとプーチンに擦り寄るタンシュエの後継者。
ミャンマーの元首を装う総司令官が、ロシア駐緬大使やずっと格下のロシア軍人グループと面談する場合の対応には異常なほどの、好意的配慮が読み取れる。
指摘されたキリル正主教は世阿弥の序破急に通じる視点で、私の師匠アマゾネス軍団とはかりごとをしてみたいと思います。
キリルとはキリル文字に繋がる歴史の古い世界なので、私も生徒も何の知識も持ち合わせていません。これから勉強です。
点と点が繋がれば、ウクライナ問題が、ミャンマーに飛び火するかもしれません。そうすればミャンマーが、もう一度バズる(最近仕入れた日本語)かもしれません。
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・02:Matriculationと洗練された英語
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これは英国の植民地時代から採用されている“大学入学許可試験”である。スコットランドを除く英国で採用された由緒ある試験であった。
英国では過去形だがミャンマーではシッピング・エージェントのみならず、学校制度も50年前、100年前の遺物がそのまま残されている。
そういう意味では、総司令官の頭が古いのは当然のことと思われる。だって彼自身そういう教育しか知らないのだから。
ちょっと舌を噛みそうだが、この英語は“マトリキュレーション”と発音する。
そして水祭りの直前一週間、学生たちはねじり鉢巻でこの試練に耐えるのである。
そして“百獣の王ライオンは産まれた子を深い谷に突き落とし、生き延びた強い子のみを育てる”という故事に従い、国軍は不意打ちの停電を頻発に見舞い、学生の一夜漬けを鍛え直そうとしている。
3月31日(木)国語であるビルマ語の試験
4月01日(金)英語
4月02日(土)算数
4月03日(日)休日試験なし
4月04日(月)化学
4月05日(火)物理学
4月06日(水)生物学/経済学
4月07日(木)地理学
4月08日(金)歴史学
4月09日(土)選択科目
2021-2022年度の大学入学許可試験はミャンマー全土で一斉に行われ、この日が試験最終日となる。
学生にとって待望の夏休みは翌4月10日となる。
なお夏休み明けの大学は5月12日に再開されると教育大臣が語った。
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この章でお伝えしたい本題は、上記科目の中でビルマ語の教科書は初日の試験科目・国語だけである。
その他の教科書はすべて英語で記述されている。
だから“ヤンゴン農学校”で語る基礎用語の“ミミズ”は“Earthworm”、“光合成”は“Photo-synthesis”と英単語で説明しないと彼らは理解しない。
だが英単語だと地理学でも歴史学でも彼らは簡単に理解する。
さいとう・ナンペイ著『アウンサン物語2016』で、陸軍中野学校の秀才が舌を巻いて脱帽したのは彼等の知的水準の高さにあった。
幾つかの日本語学校をこのヤンゴンで参観させて貰い、日本人教師の話を聞かせて貰った。
そこで「英語でも説明したが、この国では英語が通じないから...」という意見を聞いた。
この地で工場を立ち上げる日本の会社でも同様の意見だった。
トンデモナイ。
アマゾネスとの会話で私が学んだのは、発音は別として、陸軍中野学校に全面的な同意を表明したい。
という事は、世界共通語として英語を使用する限り、日本人よりもミャンマーの若者に世界の舞台で活躍できる可能性が大ということであり、ミャンマーの若者に期待する私の夢は決して“ImmpossibleなDream”ではないような気がするが、どうであろう。
昔話になるが、広大なアジアの片隅で、英語が苦手だと言う日本の外交官と知り合った。それでも通用する地域ばかりを希望して、これまでは大丈夫だった。
だが上のクラスを狙うとなると、任地として英米欧の英語圏も避けられなくなった、とグラスを傾けながら悩みを聞いた。
こういう話の積み重ねが、どうしたら白人連中に物怖じしない、日本人らしくない英語を話せるか?という永遠の、そして究極のテーマに挑戦させているのである。
マクロンにしてもゼレンスキーにしても、決して英語は上手ではない。だが機関銃のような訛った英語を喋りまくる。
カルロス・ゴーンもホリエモンも、図々しいにも程があるという英語である。
有り難い事にYouTubeがすべてを暴露してくれる。
私の考えも流動的である。
アマゾネスの英語も、私の英語も、洗練されたスマホ時代の英語に脱皮中である。
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・03:水祭りの日程
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今年は4月9日(土)から4月17日(日)までが縦一列の真赤な連休となっている。そして中間の日がミャンマー歴の新年となる。
そしてこの長いゴールデンウイークの間、政府系のビルマ語新聞アリンやミラー、そして日刊英字紙はローテーションを組み、交代で休暇を取る。
朝夕の市場は閉鎖されるが、日銭の生活に追われる家族は、閉鎖された入口付近でゲリラ商法を展開するか、あるいはサイカーに戸板を設置し各横丁を流して歩く。まだ学校にも上がらない幼い子供が透きとおった声で両親を助けていると、階段を駆け下り、ついつい果物類を買ってしまう。国連やNGO機関などは、幼児の虐待労働に統計分類するが、もともと学校教育など受けられない家庭環境にあり、親が働いている間、自宅でじっとしているか、親と一緒に
ついでに今年の水祭り行事を記録しておきたい。
週央の4月13日(水)に閻魔大王が天上界から地上に降りてくる。そして四日間各人宅を訪れ、過去一年間の善悪を閻魔帳に記録する。そして次の日の4月17日(日)に天上界に戻って行くと言われる。
もしQ&Aを受け付けて貰えるならば、総司令官および軍人家族の閻魔帳はどうなっているのか開示して貰えぬものだろうか?
この四日間がミャンマーでは水祭りとして大騒ぎとなり、明けて翌日の4月17日(日)がミャンマー暦の新年元旦となり、静寂さが町に戻ってくる。
この日は善男善女、新しい着物に着替え、一家で新年最初の善行を積むよう努力する。例えば小鳥屋から何羽かの小鳥を買取り大空に逃してあげる。同様に生きた魚を買取り川や池に放流する。情緒に欠けた人は、小鳥は逃しても一箇所に戻ってくるよう手懐けていると語る。
今年の4月15日(金)は満月となる。
ヤンゴン市庁舎前には鉄骨で組まれた立派なステージがすでに出来上がっていた。早朝散歩のついでに生徒たちと確認することが出来た。だが道路の片側には赤白の停止板を交互に配置して、しかも有刺鉄線で厳重にガードしていた。
SNS情報だと、反政府グループは、今年の水祭りには参加せず、自宅で静かに過ごそうとの呼び掛けを行っている。アマゾネス軍団の意見はまだまとまっていない。市庁舎まではゆっくり歩いても20分ほどだ、怖いもの見たさもあるが、ここは生徒の判断に任せよう。“老いては子に従え”のルールを採用することにした。
以上
東西南北研究所
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