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<ミャンマーで今、何が?> Vol.475
2021.12.19
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■ 2021年も残り2週間
・01:不動如山(Sun ziの言葉)
・02: 母国語を大事にしない日本人
・03: 2021年12月10日ミャンマーにて
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01: 不動如山(Sun ziの言葉)
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周辺がいかに騒々しくても、風評で自分の心が惑わされても、山の如く不動の心であれ、と説く。司馬遷の「史記」は兵法書の中で古典中の古典とされた孫子の言葉を現代に伝える。豪雨で流入した土石流が沈殿して、本来の湖が落ち着き、自然の透明に戻るまでかなりの歳月が掛かると諭してくれる。
1972年になって漢の時代の墳墓から竹簡が発掘された。竹簡の解明で在来の“孫子”(紀元前500年頃)の他に“孫臏”(紀元前340年頃)の存在が発掘された。彼も同じ孫姓である。160年という時代を隔てて二人目の孫氏が出現した。歴史学界は騒然となった。気の遠くなる話だが、その事実が掘り起こされるのに西暦でさらに1972年の歳月を要した。今振り返ると1972年とは昨日の事である。歴史が見直されるのに、合算すると2500年ー2300年という悠久の時空を飛び越えたことになる。
今日現在から160年を遡ると明治維新を飛び越えて桜田門外の変、元号で言えば安政の時代となる。井伊直弼や水戸・薩摩の浪士にジングルベルを祝う2021年の師走など時空を飛び越えはるか彼方だ、ということをYouTubeで思案中である。若者にはスマホが筋斗雲(きんとうん)や魔法の絨毯となる。ディズニーランドに行かずとも、それが誰にも可能な時代となった。
何を言いたいかというと、ミャンマーも固定して見てはいけない、フレキシブルに見直せという教訓である。
独断的にスーチーを擁護するのではなく、MAHを全面的にヘイトするのでもない。ノンポリはノンポリらしく、鳥の目のように両陣営を俯瞰して見ろと諭された。すると違う世界が見えてきた。その手法に従い改めて12月10日という日を見直した。
昨夜は12月18日(土)満月であった。ミッドナイトを越えた辺りから12月10日(金)の事件を拾ってみた。事件を知りたければ、翌日の日刊英字紙を丹念に熟読するのが一番。スマホと言っても功罪混濁する。余計な情報が24時間ひっきりなしに雪崩れ込む。アドレナリンが刺激され、現代人は時間の感覚を失っていく。
博士資格を持つフランスの女性精神科医が草の根運動を開始した。患者の話である。わずか5歳の子供がむずかりスマホを与えた。機嫌を直したが、同年代の友達とも遊ばず、母親とすら会話が無くなった。スマホを取り上げると、暴力的にすらなった。途方に暮れた母親が女性精神科医に相談した。パリのど真ん中で、そういう子供を抱える母親が激増している。このドキュメンタリーはドイツのTV局が制作した。それをYouTubeで鑑賞している最中だ。
ちょっとしたコツが必要だ。
設定でSubtitleを選び字幕言語を英語に切り替える。するとフランス語もドイツ語も英語の字幕で読み取れる。さらに停止・巻き戻しをクリックすれば、何回でも不明な箇所を繰り返せる。最後に電子辞書と世界地図は必携だ。あとは忍耐と努力の世界が続く。歳はとりたくない。若者は難なくこなす。
そのお年寄りに耳よりな話しをしたい。だが余計な情報で多忙な現代人にはお勧めしない。“英語”を現代のエスペラント語、すなわち世界共通語の道具と割り切れるヒマジンだけへの甘い囁きである。
古代ラテン語・ヘブライ語・ギリシャ語の番組ですら英語で鑑賞できる。アマゾンの密林で語られる地域言語も、イヌイットの村で話される言語も英語で楽しめる。これには老獪なBBCやスミソニアン協会などの厖大なデータを無断借用する必要がある。
説明に手こずったが、生徒たちもそれを認めはじめた。ミュンヘン・札幌・ミルウォーキーのみならず世界の都市やロンリープラネットの極地を探索し放題である。実際には生徒たちと宇宙の果てまで遠出したこともある。
その過程でとんでもない出来事に出くわした。
この章を中断し、話をとんでもないことに切り替えたい。
章を改めよう。
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・02: 母国語を大事にしない日本人
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そんなことを言えるメルマガかとのお叱りは重々覚悟している。
だがそのエビデンスをお見せしよう。
先述のSubtitle設定で字幕言語を“日本語”に切り替える。日本人にとって日本語の字幕は不要とほとんど活用されない。だが唖然とする結果に驚愕してしまった。驚愕どころか日本人として背筋が寒くなる話である。
日本映画でも、日本人の討論会でも、日本語のニュース番組でも構わない。日本人の喋る日本語をAIが判断して日本語の字幕として流れていく。それがチンプンカンプンな日本語なのだ。日本語を知らない言語プログラマーが作製したとしか思われない奇妙な日本語が随所に頻繁に出現する。もし日本語を学びたい外国人がこの日本語字幕に接したら、と考えると卒倒モノである。その現実を是非覗いて欲しい。本当にひどい日本語である。
日本の海外進出機関がどれほどの人材と拠出金と時間を費消しているか知らない。だが受け入れ側の個々人が頼りにするのは、YouTubeなどの日本語字幕である。当然英語字幕との対比が話題となる。英語字幕では話し言葉がほぼ完璧に近い英語で流れていく。日本語字幕では文章構造にもならない奇妙な日本語が流れる。日本という国家は先端技術のフロントランナーと誰もが看做している。だがヤンゴンから世界を観察すると、それは日本人が見逃した誤解だと生徒たちと薄々感じ始めた。
ひとつの例を挙げよう。
忠実に再現してみたい。語る日本人モデルは養老孟司である。かなりゆっくりと、しかも他の話者に邪魔されずにひとりで喋っている。
AIによるSubtitle字幕;「バカの壁が止めてくれたのは多分そこらへんを常識的に日本風としてるから とてもこれ以上やっていけないというところが詰めたからset groupある意味の説得力があったんだと思う」
実際に同氏の語った日本語;「バカの壁があれだけ売れたのは多分そこら辺を僕が常識的に日本風にしているからで、とてもこれ以上やっていけないまで詰めたから、ある意味での説得力があったんだと思う」
養老孟司は考えながら言葉を選択し、ひとこと一言ゆっくり話すだけでなく、その文言は論理的である。AIにとってはかなりハードルの低いサンプルである。
日本が先端技術のイニシャティブを狙うのなら、100点とまでは言わないが、せいぜい80−90点はとりたい。だがノンポリの採点では50点にも届かない。
厳しい採点に思われるかもしれないが、YouTubeの英語字幕を最大限に活用してきた経験からすれば、現在の英語字幕は80−90点レベルを平均してクリアしている。
もちろん日本語字幕のお粗末な理由は幾らでもあるだろう。
英語はOne bite、日本語はTwo bite。英語は単語ごとに分かち書きし、日本語は句読点が使用される。英語の文章構造は論理的で、日本語はどっちつかずの表現が多い。スマホはアメリカで開発され、GAFA以降アメリカの独壇場である。
ネガティブな理由を並べても意味がない。だが現実には英語字幕には致命的な後塵を拝する結果となっている。
本来なら海外駐在の同胞、日本語検定に与る教育者、翻訳関係者、日本語学の専門家、学者先生、ジャーナリストなどが率先して指摘してカイゼンされるべきだったが、母国語が無視されたまま今日まできてしまった。その責任は日本人全員にある。最近のマスコミの日本語は乱れている。チェック機能が皆無となっている。ひき逃げ事故を起こした逃走者に敬語を使用する目撃者の談話をそのまま報道する無神経さにこのヤンゴンで腹が立つ。
ヤンゴンの不平不満は、話者がどんなに早口だろうと、数名の議論がどれほど白熱しようが、英語字幕のAIはほぼ完璧に近い水準に到達しているからである。それだけ英語字幕はかなりのスピードで先へ先へと流れ去っていく。ノンポリの防衛策は停止・巻き戻し・再生の繰り返しである。英語字幕に可能で、日本語字幕が不可能というのでは、あらゆる分野で日本の危機と言わざるを得ない。デジタル庁以前の問題である。
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・03: 2021年12月10日ミャンマーにて
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ピンウールイン(旧名称メイミョウ。大英帝国はラングーンが灼熱となる夏季この避暑地で植民地行政を行った)にあるDSTAグラウンドで開催された大々的な軍事式典に午前中出席した。DSTAとは“防衛サービス技術アカデミー”の頭文字で陸海空三軍の工兵部隊または施設部隊の幹部候補生士官学校を意味し、今回は第23期卒業生の軍事パレードによる祝典であった。23期生ということは、逆算すると1990年代後半の創設で歴史の浅いアカデミーとなる。
MAHは士官候補生による延々と続く並足・速歩の行進軍事パレードでのる挙手敬礼を閲兵し、長広舌のもったいぶった演説を垂れ、首席卒業および二位三位の最優秀士官候補生の表彰など、久しぶりに肩章で飾り立てた晴れがましい式典にご満悦だった。
この人物の支離滅裂なところは、民主主義国家を目指すと公言しながら、次のような演説を垂れるところにある。「2008年憲法の条文に記載されている。国軍の主目的は国内外に存在するすべての危険からミャンマー連邦を防衛することにある。Tamadaw建設の神髄はその人員と組織に核心がある」
だが1962年に軍事独裁政権が樹立されてから、この憲法に記述された国外の危険とは経済侵攻を強める中国の人民解放軍以外には存在しない。それには太刀打ちできず軍事政権は朝貢外交を続けてきた実績がある。それから敷衍すると、Tamadawとは国内に存在する危険と対峙するとのみ解釈されるのが2008年憲法の正しい解釈となる。
今年2月に挙兵したMAHの行動は、すべてこのロジックで動いている。そうであれば、MAHがスーチーの政治的なパトロンで元ビルマ軍の国防大臣で将軍だったU Tin Ooと元独裁政権のスパイマスターだったキンニュンをそれぞれヤンゴンの自宅に訪問した理由がどうしても読めない。だが国家の一大事を相談するのであれば、自分を現在の陸海空三軍の上級最高司令官に抜擢してくれた単主絵が最優先人物である。だが単主絵関連情報としては単主絵夫妻揃ってコロナに感染し入院し、たったの三日間で回復・退院という公式ニュースだけである。何か臭い。しかも本来であればはるかに格下のロシアの軍事顧問団を外交プロトコールを無視して主権国のトップである首相を名乗るMAHが接見している。さらには軍事顧問団の再訪についても広範囲にわたる特別な自由行動を付与したとの情報も流れている。これなども単主絵の健康問題という極秘情報を担保に単主絵とその懐刀ウ・テイザーが築き上げた錬金システムを横取りする愚策ではないかと疑われても仕方がない。
MAHなどロシアの大親分・プーチンにすれば赤子の手を捻る様なものだ。単主絵のニュースがこれっぽちも流れないところに、その監禁が厳重な警護に置かれていると想像される。ここまでの話しはエビデンスなしのまったくのイマジネーションである。
その数日後キンニュンはアルツハイマーに長患いしているとのウワサが流れてきた。MAH\と手を取り合っているキンニュンの写真を精査すると、確かにそれを裏付けるようなキンニュンの表情である。この情報も何一つ裏づけのないことをお断りしておきたい。
このTamadawというビルマ語はアウンサン将軍が創設したビルマ国防軍のことである。MAHにとって許せないのが、天敵スーチーの父親が自分たち国防軍の伝説的英雄であることである。それを考えると精神的錯乱を起こすほどに気狂いしてしまう。この男は肝は据わっていないし、豪傑ではない。小人閑居して不善を為すの代表例だ。それだけに何を仕出かすか分からない。
そろそろこの章のエンディングといきたい。
12月10日の午前10時から午後4時までは自宅に閉じ篭り外出を禁止したのは、国軍側とお伝えしたが、それは間違いだった。
これこそ若者グループの策略であった。ヤンゴン郊外や地方での国軍による虐殺は発生したが、それは数人規模であった。若者たちの策略により国民のほとんどは外出しなかった。これによって血に飢えた国軍の殺戮は阻止できた。若者たちも賢くなっている。国防軍の裏をかくように犬死を避けたがのが、今回の12月10日であった。
スマホでならば若者は国軍と有利に、しかも賢明に戦えるはずだ。検討を祈りたい。
ただいまのヤンゴン時間12月19日午後6時25分。
今のワタシはMAHに関わる時間が惜しくなってきた。ネコの額のQガーデンで有りとあらゆる植物類の発芽に時間をとられているからだ。その下準備として土壌の改良がオモシロくなってきた。化学肥料は使用しない。蚊取り線香の燃えカスである灰を利用したり、鶏やアヒルの卵の殻を砕いて肥料としている。ヤシの繊維も利用できる。PHなど小難しいことは気にしない。これらはすべてYouTubeからの雑学である。それもパタゴニアの寒冷地から南アフリカの高原まで、世界中のアイデアを盗用している。キーウィーやドラゴンフルーツの胡麻のような粒粒種子からカボチャの種までピンセットで選り分け、トイレットペーパーで挟み、ちょこっと水に浸す。毎日水を変え一週間から二週間ひたすらに待つ。数日で発芽するのもある。それらをピンセットで取り出し槌に植え替える。
ここでミステリアスな大事件が発生した。これは次回以降のテーマとしたい。
これから発信します。
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