| ******************************
                
 <ミャンマーで今、何が?> Vol.456
 2021.07.26
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 
 ******************************
 
 
 ━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
 
 ・71: 三人娘の最終回
 
 ・72: 読者からの有り難いお便り
 
 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 
 =============================
 
 ・71:三人娘の最終回
 
 =============================
 
 
 今夜は寝ずの大作戦である。
 スーパーではスイーツ・果物・パスタなどの食料だけでなく、雨に濡れた3人分の着替えも購入するよう指示して置いた。
 
 帰宅のタクシーで打合せた通りの段取りだ。アイロンは有るのか、ハンガーは?との細い質問も受けた。矢張り利発だ。
 
 お湯を沸かし、しばらくシャワールームが騒ぞうしい。
 一人が洗濯役を引き受け、もう一人が晩飯の準備を手伝ってくれた。そしてもう一人がアイロン掛けの担当だ。その要領の良さに感心した。
 
 有り難いことにトタン屋根を叩く雨音が騒々しさを掻き消してくれる。
 
 一段落したところで、温めたミルクに蜂蜜を混ぜ、スイートで3人にゆったりと落ち着いて貰った。
 
 誰にも弱点はある。同時に長所もある。それが個性というものだ。
 ノンポリにできることは長所をひたすら励ますことにある。
 
 姉は親分肌。妹はシャイで無口、だが親戚家族友人・皆から可愛がられる性格だ。
 イトコは社交家で誰にも話し掛け、物怖じしない。
 バランスの取れた三人娘だ。
 
 三人とも落ち着いた所で、ある物語を話してみた。
 
 ダディンジュすなわち火祭りは、水祭りの丁度6ヶ月後にやって来る。シュエダゴンの境内では女性達が一晩で機織りを競い合う。ミャンマーの田舎に行くと織機はどこにでもある。
 
 日本でも昔はそうだった。
 その織機屋がアメリカに行って当時最新鋭のT型フォードを購入して日本へ持ち帰った。高い買い物だった。
 
 日本人は大きな事は苦手だ。だが小さな細い仕事は得意である。寸法を測っては全体図を四方八方から写生していった。
 
 次に高価な自動車を部品ごとに壊し始めた。それも寸法を測って写生した。ボルト・ナットの類いまでだ。紙を継ぎ足し継足しして、膨大な設計図が出来上がった。これでもう一度元通りに自動車を再製出来る。
 
 これが日本最大の自動車会社のスタートである。今は世界一の自動車会社になっている。
 
 MAHはロシア製の武器やミサイルを得意になって有り難がっている。奴さんに聞いてみたい。誇り高き軍事パレードのどこに国産はあるのかと。
 
 三人娘をけしかけた。
 今夜の作戦は、負けたらMAHと同じだ。ミャンマーの機織り娘になって見ないか?と。
 
 その後の作業は凄まじかった。すべてスマホ作戦だ。
 高校大学時代の恩師から始まり、町内の反政府派の役員まで、真剣に訴えた。
 
 彼女達には愚かな田舎者にはなるなとクドいほど話してある。
 最初は躊躇していたが、ハラが座ったのだろう。親分肌の姉が、父はコロナに罹り死にそうなんです、と訴え始めた。
 それから雲行きはガラッと変った。
 向こうから折り返し電話が掛かってきた。今すぐ婦人科の女医さんに電話しろ。電話番号を確認する。
 
 一方で自宅からは昏睡状態の父親の酸素濃度が56まで下ったと悲痛な情報が入る。
 姉の指示でイトコが片っ端から電話を掛けまくる。
 ノンポリはただオロオロするだけである。
 
 何度も連絡を取り合っていた女医さんから指示が入った。小容量の酸素ボンベが手に入りそうだ。善意の慈善家が寄贈してくれるそうだ。至急連絡を取りなさい。
 
 ここで注目したいのが、これらはすべて違法行為である。
 国軍を率いるMAHの解釈では人を殺すのが法に則り、人を救うのが違法行為としている。
 
 家族が町内の慈善家からボンベを受け取ったが、容量は4時間分しかない。だがその4時間が父親を救った。酸素濃度は80にまで急速に回復した。熱も下がり始めた。
 
 親分肌の姉はそれでも心配で仕方がない。酸素ボンベを間もなく使い切ってしまう。
 奇跡としか思えないが、酸素を追加注入する業者から電話が掛かってきた。
 
 それ等がすべて一段落したのは翌朝午前2時近かった。
 父親の意識が戻り、トイレにも一人で立って行ったと連絡が入った。酸素濃度は90台で一安心。
 
 小休憩の後、午前4時の戒厳令解除を待って、三人娘は父親のいない店の手伝いに出掛けて行った。
 
 昨日は憔悴しきった三人だったが、今朝は自信に満ち溢れていた。
 
 後日談となるが、酸素ボンベ屋からの売り込み電話が四六時中掛かってきてウルサクて仕方がないとこぼしていた。
 
 日本語ではボンベとしたが、英語だとシリンダーという。
 
 ご賢察の通り、ヤンゴンでは酸素ボンベの販売・補填注入という新商売が台頭してきた。
 
 日刊英字紙ではMAHは酸素ボンベは何千本どこから手当したとムキになって、繰り返し絶叫しているが、新商売の台頭によって、かなりの数が横流しされているとノンポリは邪推している。
 
 それが証拠には、酸素ボンベが逼迫する前は一本60万チャットだった。今は一本700万チャットと10倍以上が相場だ。
 
 一晩でその筋の専門家となった三人娘が憤慨して語るのだから間違いない。うっかり者の私はその容量を聞き忘れた。40リットル??だったか? 申し訳ない。
 
 怒りついでに文句を言いたい。日刊英字紙は隣国どこそことの何ヶ月分の国境貿易で何%激減などの統計数字を発表する。その理由はすべてCOVID-19のせい、となっている。
 
 このCOVID-19をクーデターのせいでと置き換えないと、この国の実態は何一つ見えてこない。
 
 三人娘はひとまずこれでお終いとしたい。
 
 
 
 =============================
 
 ・72:読者からの有り難いお便り
 
 =============================
 
 
 実に有り難い。隠れ読者の方々からお便りを頂く。それぞれにミャンマーとの関りを持たれておられる。
 ノンポリの感染を心配して頂いている。
 
 福岡のMSさんからはコロナ予防法として鼻うがいの資料まで送って頂いた。この原稿発信後拝見させて頂きます。
 
 淡路島のIYさんからは、一読しただけでは信じられない様な情報を頂いた。
 
 感染者がコロナ特効薬2タブレットを服用したら、翌日コロナが全快したと言う話だ。
 ヤンゴンで鍛えた猜疑心は絶対に信じない。こんな話は。
 
 だが添付されたビデオ資料は十分に説得力がある。
 NYタイムスの記者がジャーナリスト仲間に訴え、WHOが採用しないことが問題として、米国を初め多くの医学博士が治療経験を報告し、そしてコロナに罹患したアメリカの婦人が体験談を語っている。
 
 人命に関わる情報である。医学・薬学とは無関係のメルマガが取り上げるにはあまりにも重たい。
 
 ただしMAHに見棄てられ、何一つすがる者のない、藁にもすがる思いの地元の感染患者に、飽く迄も自己責任を条件に、このビデオを転送すべきか悩んでいる。
 
 その場合でも、クリニックの医師とこのビデオをシェアして、自己責任で決断するよう、どう伝えるか難問だ。
 
 再度連絡を取り、三人娘に相談したい。今となっては彼女達が私の掛かり付けのドクターである。
 
 IYさん:非常に興味ある情報有難うございました。
 *
 
 只今のヤンゴン時間7月26日月午前9時45分
 
 東西南北研究所
 
                              
                ========================================
 
 公式ツイッター(@magmyanmar1)
 
 ========================================
 
 
 <ミャンマーで今、何が?>の公式ツイッター(@magmyanmar1)をはじめました!
 
 
 今月よりアカウントを取得し、<ミャンマーで今、何が?>の
 公式ツイッター運用を開始いたしました。
 
 公式ツイッターでは読者のみなさまからの感想などをツイートしていただけると
 嬉しいです。
 
 ツイッターをご利用の方はぜひ『フォロー』をお願いいたします。
 
 現在のところリプライには対応しておりませんので、
 質問等は下記メールアドレスまでご連絡ください。
 
 お問合せ:magmyanmar@fis-net.co.jp
 
 公式ツイッターをぜひご覧ください。
 
 
 ■公式ツイッターはこちら
 
 https://twitter.com/magmyanmar1
 
 
 
 
 東西南北研究所
 
 
 
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております!
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ※「ミャンマーは今?」の全文または一部の文章をホームページ、メーリングリ                                                                                         
                スト、ニュースグループまたは他のメディア、社内メーリングリスト、社内掲示                                                                                         
                板等への無断転載を禁止します。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ※登録解除については下記のページからおこなえます。
 ○購読をキャンセル: http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 発行元:ミャンマーメールマガジン事務局( magmyanmar@fis-net.co.jp )
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 |