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 <ミャンマーで今、何が?> Vol.455
 2021.07.25
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 
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 ━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
 
 小バカが大馬鹿に!?!その19
 
 ・66: 感染者数・死者数と各累計
 
 ・67: コロナ患者の病院の実態
 
 ・68: ATMがオープンすれば長蛇の列
 
 ・69: 梁山泊の三人娘
 
 ・70: 中古救急車の活用方法
 
 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)
 
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 ・66:感染者数・死者数と各累計
 
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 22日6701*253364 319*6133
 23日5506*258870 326*6459
 24日5657*264527 297*6756
 
 
 
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 ・67:コロナ患者の病院の実態
 
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 前回はスマホで調べた病院に向った所までだった。
 
 私立病院らしく大きく目立つカラフルなロゴで“何とかホスピタル”と看板が掲げられていた。
 ここへ到着するまで大通りは驚くほどガラガラであった。
 間違い無く戒厳令効果である。
 
 この時期にコロナ患者を受付ける数少ない病院とあって大繁盛している。
 赤灯を点滅させた救急車が道路のあちこちで順番待ちをしている。
 患者を運んで来たと思われる自家用車やタクシーが大通りの向う側にもズラリと駐車していた。
 離れた所でタクシーを駐車させ雨の中病院まで歩いて行った。車道駐車の数だけでなく正面入口も黒山の人だかりだった。
 
 三人娘の忠告で、マスクを二重にしてきたのは正解だった。
 何十分待たされるか、何時間待たされるか分からない。
 私は人混みと雨を避けタクシーの中で今日の英字紙を読みながら待つ事とした。
 
 少しでも隙間が出来ると運ちゃんは前へ前へと車を割り込ませて行く。これこそミャンマー人独特の性格だ。
 30分ほどして三人娘からスマホが入り、駐車場所が運転手から告げられる。
 漱石なら、スマホは車夫・馬丁の輩にまで行きわたった、とヤンゴンを描写したであろう。
 
 建物内では院内感染クラスターが発生しても可怪しくない大混雑だったと三人娘の話で知った。
 娘たちも当然割込みで話を受付から聞き出したようだ。
 この病院がコロナ患者を受付けているのは事実だった。
 受け付け人数は一日30名に限定。30枚の番号札は毎朝8時に配布され、即時に完了となる。それが殺人的な混雑を引き起こしているとの事。
 
 番号札を入手するには早朝から並んでは遅すぎる。前の晩か、それとも前々日か、三人娘の話は絶望的現状だった。
 
 停車したタクシー内で妙案が出て来た。
 雨の中、4人で病院近くの路地を覗き路上に座ったモノ売りのオバチャンを探した。かなり離れた路地まで歩いたが、戒厳令下ひとっこ一人いなかった。
 
 妙案とはモノ売りの利益分を一日1万チャットと計算した。
 3万〜5万チャット払って、番号札を獲得出来るまで代わりに並んで貰うという作戦だった。
 
 だが他人を信用する事、しかも赤の他人任せにする事に元々無理があったと三人娘は認めた。
 
 プランAは諦めざるを得ない。だがプランBが全く無い。
 
 大黒柱で大切な大切な父親を救えないかも、見殺しにするかも。
 三人娘の表情は悲痛な顔付きに変わっていた。
 
 帰宅途中でプランCを思いつき念の為ヤンゴン総合病院に寄ってみた。
 いつもは送迎用車が二重三重に駐車しているが、今日はスカスカだ。
 イヤな予感通り、臨時窓口は病床が満杯で受付けは閉鎖中と素っ気ない。
 本音は不服従運動で医師も看護士も不足してるという事だ。
 
 解決策の見えぬまま、自宅に向った。
 ビルマ語も分からず肝心な時にノンポリにできることは何一つ無い。だが乗りかかった船。
 徹底的に面倒を見ようではないか。
 
 日本では想像も出来ぬだろうが、戒厳令下、他人を深夜に自宅に集め会合するのは危険が伴う。当局が踏み込む理由は何とでも付けられる。
 こうなってくると、近所の顔馴染みですらスパイの目と耳と疑わねばならぬ。
 
 三人娘を先にスーパーで降ろし、タクシーは自宅前でお役御免とした。これなら近所の目も見慣れた男の下車風景だ。
 
 30分後、地元の娘が買い物袋をぶら下げ同じビルに入っても誰も気に止めない。
 ここで「ヤンゴンより愛を込めて」の音楽でも演奏されれば、007の気分になれる・・
 
 
 
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 ・68:ATMがオープンすれば長蛇の列
 
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 余談を挟みたい。
 道中ATMの前は長蛇の列となっている。現金不足で多くのATMは閉鎖されているからだ。
 全ての家庭は手持現金が乏しくなり毎日の生活費に支障が出ている。
 この状況は民間銀行も、中央銀行も、国庫すなわち国軍も同じである。
 
 クーデター後、中央銀行は手持ちの外貨(*米ドル)を度々売却し、国内での流通紙幣に充当している。
 それだけでない。
 造幣局は現地通貨である紙幣印刷に全力投入している。
 面白い事に、これが巷に流通するようになった。
 そのせいだろう。本日のタクシー代金のお釣りはピンピンの新札で貰った。
 久し振りに手にしたアウンサン将軍の新札である。煮しめた旧札では無い。ラッキー!
 
 
 
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 ・69:梁山泊の三人娘
 
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 今夜は梁山泊に泊り込み、決死の作戦が行われる。
 MAHにとっては“虫ケラ”だろうが、三人娘にはこの世でかけがえの無い“尊い命”が消えかかろうとしている。
 頼ろうとした“何とかホスピタル”も万一の総合病院も命綱は
 断ち切られた。絶体絶命。
 
 最初はぎごちない英語会話も、ゆっくり整理して話すと相互理解出来る事が分かった。
 三人三様に利発である事を再発見した。
 
 戒厳令下の外泊は何とでも難癖を付け収監出来る。
 国軍の弾圧下である。
 彼女たちの決心は何とも雄雄しいではないか。
 それに引き換え、女子供に暴力を奮い快感を得るMAHの女々しさとは雲泥の差だ。
 (性差別の用語を使用した事お許し願いたい)
 
 
 
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 ・70:中古救急車の活用方法
 
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 無駄話ついでに、今回出てきた救急車の話を付け加えて置きたい。
 
 日本はアジアにおける中古車の大マーケットである。
 
 年間予算・償却期限に從い、官公庁・地方自治体などは消防車・救急車・パトカーなど公用車を処分する。
 
 これが東南アジアの国々で国家権力に近付く最速で便利な寄贈品となっている。
 
 ミャンマーはドネーション(*善意の寄贈)で成り立つ奇特な国家である。
 
 元国会議員や大臣は、例えば救急車をタダ同然で払い下げて貰い、ミャンマー当局が指示する僧院・学校・孤児院・病院へ寄贈する。
 すると翌日の政府系新聞に贈呈式の写真が大きく掲載され、立派な紙一枚の感謝状と共に善意の寄贈者として大きく持ち上げてくれる。
 
 これらを新聞記事と共に、額縁に入れて事務所に飾れば、明日から誰もが先生、先生と崇めてくれる。
 
 ミャンマー国軍は、昔からこのシステムを巧妙に確立しており、救急車数台でも持ち込めば、明日からアナタも国軍の友好人士としてアル特権を与え、表面上は好意的な歓待をしてくれるはずだ。
 
 アル特権とはなかなか下りなかった政府許可が突然OKとなるから実に不思議である。
 
 だからGNLM紙上で、善意の贈呈式があると、この人あるいはNGO団体はミャンマー通なんだと解釈して尊敬するのが常識である。
 
 ミャンマーは日本中古自動車のゴミ捨て場です、という通列な皮肉を聞かされた事がある。
 
 世界最大の輸出国として21世紀を生き抜くならば、この言葉は重く受け止めるべきではないだろうか?
 
 
 本日25日までの緊急連休は有利に作用したとMAHは判断したようです。
 引き続き戒厳令下の連休を8月1日まで延長すると国軍は発表しました。
 そして不気味な停電は、朝食の用意に忙しい朝4時、夕食の時間帯に狙いを定めようです。
 本当にMAHはどうしようもない迷惑なチビ助です。
 
 只今のヤンゴン時間7月25日午前10時15分。
 
 東西南北研究所
                           
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