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<ミャンマーで今、何が?> Vol.446
2021.07.06
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■小バカが大馬鹿に!?!その10

 ・32: 敵に特定されるとコワイ

 ・33: 洗濯⇒タメイン⇒血

 ・34: 一休さんの頓智話

 ・35: 単主絵の怖さ

 ・36: また朝が来てしまった

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・32:敵に特定されるとコワイ

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ミャンマー郊外の横丁の名前には単なる番号もあるが、お里が知れる名前もある。
日本語に翻訳すると例えば越後屋通りとか、桜島ストリートと名付けられ、その町区には間違いなく新潟県人・鹿児島県人が集落を形成している。

集落を形成するのは人間の性サガかもしれない。
米国にもリトル東京、チャイナタウン、フレンチクオーターなどがある。

そこで話はヤンゴンの郊外である。何とか横丁と書くと当局に狙い撃ちされるので住民に危険が迫る。その愚は避けたい。

市民不服従運動の動きがあるのである横丁に銃を構えた警官が一軒ごとに家宅捜索されるとのウワサが流れた。インフォーマー(*スパイで通報者)は当局内にも居れば、身内の町内にもいる。不安が募る。

翌朝銃を携行した警官隊がやって来た。それより早くおばちゃん連中は手を打っていた。横丁の道幅は狭い。車一台が徐行してやっと通り抜けられる。

女性用ロンジーはタメインと言って、ミャンマーのみならず南アジアでは不浄のモノ扱いされる。
ボージョーアウンサンマーケットで黒地に鮮やかな赤・緑などで刺繍した洒落たデザインのタメインを見つけテーブルクロスとした。米人女性からはセンスが良いと褒められた。地元の女性は血相を変え、トンデモナイとお叱りを受けた。どうも女性のメンスが問題らしい。



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・33:洗濯⇒タメイン⇒血

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それで合点がいった。
オスカー8部門を掻っさらったリチャード・アッテンボロー監督の映画『Gandhi』は出だしのタイトルバックが素晴らしい。
雄大なるガンガの中洲で女達が洗濯ものを岩に叩きつけ、これぞインド式洗濯方法を見せてくれる。
そして物悲しくむせび泣くようにシタールが何千年にわたるインドの悲しみをシタールの弦に語らせている。
インドの国宝ラビ・シャンカールの響きが壮大な歴史の哀れみを奏でる。メニューインやジョージ・ハリスンもこの不可思議な音色に魅了された。

ヤンゴン、シンガポール、クアラルンプール、バンコクと探し回ったがシャンカールは入手不可だった。ところが東京の友人がいとも簡単に立派な装飾箱入りのアルバムをアマゾンで購入してくれた。

この場面は、血の穢れを背負い一生いわれなき運命に生きるインドの女性たち、バラモンが頂点に立ち、クシャトリヤ、バイシャ、シュードラまでは人間様だが、洗濯業はその不浄を扱うがゆえに最低のカースト外に置かれアウトカースト(*不可触賤民)と呼ばれた。ガンディは彼らをハリジャン(*神の子)と呼び、その差別撤廃を訴えた。
映画は映画で素晴らしいが、シタールがこれほどまでに物語性を表現出来る楽器とは知らなかった。

モンスーン雨季の深夜にラビ・シャンカールを静かに流し、部屋を暗くし、目を瞑ると、そこはコロナでもクーデターでも無い、悠久の別天地へ誘ってくれます。アルバムは結構値がはったが、その価値は十分あります。

話がまたまた横町だ。
そう。翌朝銃を携行した警官隊がやって来た。それより早くおばちゃん連中は手を打っていた。横丁の道幅は狭い。車一台が徐行してやっと通り抜けられる・・だった。

横丁はタメインが道幅いっぱいに満艦飾となっていた。山田洋次監督『幸福の黄色いハンカチ』のイメージだ。

警察官の隊長が横丁のおばちゃん連中と押し問答をしたらしい。

これから警察隊がここを通る。タメインを片付けろ!
今日は洗濯日和、洗濯物は高く干してあるから通行に支障は無いわよ!
冗談じゃない。大の男がタメインの下など通れるか!男の沽券にかかわる。
プイと怒って警官隊は引き上げていったという。



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・34:一休さんの頓智話

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これこそ女の浅知恵じゃ無かった、見事な頓智ばなしである。
端を通らずに真ん中を堂々と渡った一休さんに匹敵する痛快さがある。

このおばちゃんたちが住む横丁の生徒が語ってくれた。他人の家のゴシップが大好きで、他人の家に上がり込みダイレクトに詮索すると言う。
それを横丁全員にばらしてしまうと言う。ヤンゴン下町の上品ぶった空気とは真逆である。

MAHを抹殺するには、このおばちゃん連中の頓智だと思った。国軍には男の沽券がある。
MAHはチビゆえに背伸びをしたがる。

若者がMAHと一言ずつ区切るようにシャウト。すると若い女性陣が“チャブー”と大声で連呼する。
若い女性陣と言うところがミソで肝心なところである。

もうお分かりの通り“チャブー”とはチビのビルマ語。
デモ隊が“チャブー”と言うだけで見下された事になるのだが、このミャンマーでは“女性”に言われると、居たたまれなくなる程の侮辱である。
それを年長者を敬う風習の残るこの国で“若い女性”に名指しで“チャブー”とは普通では街を歩けなくなる程の屈辱である。

しかも×印のMAHの写真を掲げた若い女性陣が大声で“チャブー”を連呼して街を練り歩く。
少しはMAHの身にもなって考えてほしい。穴があったら入りたいどころではない。男のメンツ、最高司令官の沽券は丸つぶれである。

MAH個人の問題ではない。
栄えあるミャンマー国軍の沽券に掛る大問題だから横綱審議会は頭を抱えている。

ミャンマーの若者たちは正にミャンマーの伝統に根差した男の面子メンツに勝負を挑んでいるようだ。

単主絵が自らが後継者にピックアップしたMAHは若造で、頭脳も並で、図体も見劣りがし、最高司令官に最もふさわしくないチビ助である。

だが唯一の取り柄は、生涯自分と自分の家族に忠誠を尽くす下僕と見ていた。ここに大きな落とし穴があった。

単主絵の健康状態に陰りが見えた瞬間、ミツヒデの轍を踏んだとメルマガは判断した。

だがこの言論統制下で何のエビデンスも入手できない。与えられる情報は日刊英字紙だけである。
それならそれで勝負しようではないか。
字面の裏を読み、行間を熟読する。

書いてあるべき場所に書いてない。それが大横綱の指定席である。ふんどし担ぎが腰を下ろす場所ではない。

そこに橋が架かった、農作物の話だ、と第一面に相応しくない写真が飾られる。逆に何かオカシイ、これは何かあると判断するのが、合理的ではないだろうか!

またここまで話が飛んでしまった。



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・35:単主絵の怖さ

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単主絵が決定し実行する裏には、調査室・企画室に相当する選りすぐられた優秀な幕僚たちが控えている筈である。
並のひと括りにできる独裁者ではない。KGBの上級スパイ学校をロシア語で受け卒業した超エリートである。
大統領だろうが、三軍司令官だろうが、チェスの駒並みに自分の指でピックアップし、使い捨てに出来る怖い男である。
舐めたらイケナイ。

あのコワモテで国防軍上層部のスキャンダラスな恥部を全て握り、ミャンマースパイ活動の総責任者で現役の首相だったキンニュンを突然逮捕し、キンニュンの配下は末端に至るまで逮捕された。

そして超効率的な軍事法廷で一瞬にして終身刑に処せられた。

これによって単主絵は自己の独裁政権を確たものにすると同時に、国軍上層部にすら恐怖心を引き起す監視恐怖政治を創り上げた。

国民以上に恐怖心を抱いているのが將軍クラスの軍人である。

だから撃て!と命令されれば、幼児でも母親でも撃ち殺す。TVニュースで見たとおりである。

ノンポリが言いたいのは、これらが国連前や大使館に座り込みデモをやってストップ出来るのか?という疑問である。

自分の頭で考えない若者への不満である。
全員がスマホという機関銃を手にしているではないか。

士官学校が教える古臭い伝統に比較すれば、富嶽のスパコンにも相当する現代兵器である。
それを扱えるのは若者でしかない。

MAHが死守しようとしている2008年憲法や軍人魂に負けるなど情けないではないか。

海外に頼ってもイケナイ。
他人は当てにならない。
自分達で考え自分達で勝ち取るのだ。

その大ヒントが名も無い横丁のおばちゃんパワーで、お下劣な写真の小便パワーである。

国軍のメンツ、そして男の沽券を逆手に取る。これだと思う。

単主絵は上級最高司令官を完全に引退したとか、憲法に則って大統領がこの国を治めるなど小学生並の評論は、この国にかぎって通用しない。



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・36:また朝が来てしまった

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話は脱線続きだが、外が白み、新聞スタンドの店開きである。

2021年7月6日火の第一面の写真は、「イラワジ州は輸送インフラ開発の真っ最中」としてイロハ坂のような山道、大きな川に掛かる完工なった橋などである。

正直、今のカオス状態でどうでもいいようなニュースである。

繰り返すが大横綱が腰を降ろす専用の指定席である。
我らが大将、アノおチビさんはどこへ行ったのだろう?

これを異常事態としないのが異常である。

この謎を解くのは?
シンキング・タイム・・

ヤンゴン時間7月6日午前10時25分。

東西南北研究所




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