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<ミャンマーで今、何が?> Vol.440
2021.06.29
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■小バカが大馬鹿に!?!その4

 ・11: 若者は独裁者の真の怖さを知らない

 ・12: 戒厳令下深夜の火災

 ・13: 葬られたシュエマンが証拠を・・

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・11:若者は独裁者の真の怖さを知らない

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ノンポリとは言え妄想を膨らますだけでは無い。裏付けが無ければ読者にバカにされる。
ノンポリ自身が記録した過去のバックナンバーから検証していきたい。

適宜編集して引用した 。

Vol.173;
「次期政権を担うスーチーは2015年12月2日午前テインセインと45分間、午後2時からMAH最高司令官と約1時間、個別に秘密会談を行った」

表面的には両者とも友好的であった。

「大統領と最高司令官との会見から僅かに2日後の12月4日夕スーチーはネイピードにある元独裁者の邸宅を訪れた。当時82歳と70歳の会談は前者の倍の2時間に及んだ」

「もと独裁者の孫ネイシュエトゥエイアウン24歳ただ一人が同席した」

「現代っ子らしくこの孫は翌日5日のFBに“国民の誰でもがドー・アウンサンスーチーが総選挙に勝利した事、そして未来の指導者になると言う事実を受け止めねばならない”と、もと独裁者の含蓄のある言葉を流した」・・このSNSはミャンマー全土で狂喜をもって受け容れられ、外電がそれを伝えた。

「このことで大統領および最高司令官と言う国家最高権力者二人には肝心要の決定権がない事が暴露され、引退したとされる無冠の帝王の真の実力が決定的となった」



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・12:戒厳令下深夜の火災

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推論の根拠がもう一つある。この孫が実質上のオーナーとされる巨大なルビーマートが戒厳令下の深夜に綺麗サッパリ焼け落ちた。今はブリックでできた四方の壁のみが虚しく残ってい
る。
当時軍隊を満載した大型トラックや警察官が常時駐屯し、厳重警戒していたボジョー・アウンサン大通りとパンソダン大通りの鉄道陸橋が交差する一等地である。

警察は反国軍のガソリン放火と発表したが、厳重戒厳令下の深夜で市民は信用していない。

国軍に言い含められた暴徒が入口ドアを壊し、金目のモノをトラックで持ち去った直後に火の手が上がり爆発が起こり炎上したとの、見てきたようなウワサが町内では流布している。

ノンポリが注目するのはそんな事ではない。莫大な損失を被ったのは泣く子も黙る独裁者の孫である。独裁者が現役であったならば、ほぼ全焼に近い状態にまで至らせた、セキュリティの落ち度、責任者トップ高官に容赦ない鉄槌が下る事件である。何のお咎めも無かった。

アガサ・クリスティならば、もと独裁者のコワモテに陰りが生じたと推測してもおかしくない。ここでミツヒデ陰謀論ががぜん現実味を帯びてくる。事件の決着が不自然なのだ。


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・13:葬られたシュエマンが証拠を・・

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時間はかなり跳躍するが、話題の書シュエマン著『レディと私、そして国家問題』を入手した。その英語版を解説した一部がVol.262である。
トランプ失脚後の米国史もそうだが、歴史は時間が経つ程に新事実が明らかにされて行く。

スーチーと蜜月関係にあり、一時は単主絵・マウンエイに次ぐ国軍No.3の実力者だったシュエマンの回想録である。自慢話は飛ばし読みして、スーチーともと独裁者の極秘会談秘話が面白い。

「総選挙で大勝利したスーチーは、引退した上級将軍と是非とも会いたいと用件を語った。将軍の経験から、国内統一の為の和解と新生国家建設の助言を学ぶのが理由である」話を続ける。

「手短にスーチーの用件を伝えること。その際、年長者の名誉と尊厳を汚さないよう注意深く言葉を一つひとつ選んで使用してネと念押しされた。スーチーが将軍を“アンクル”と呼んだとシュエマンは予想外だったとばかりにブロック体で記述している」

ミャンマーでは英国流に年配の男性をアンクル、女性をアンティと呼び、尊敬の念と親しみが籠められている。

「シュエマンは将軍のアポを取付け指定日時に面会し、10分間で手短に訪問の趣旨を説明した。私はスーチーを識りませんでしたが、国会議員となってからのスーチーは、発言・行動が論理的で、理屈の分かる人と感心しました。この国を愛しており、言葉は誠実で、自分の言った言葉を守る人です」と将軍に語った。

「将軍は満足げに頷き“多分・・お前の言う事は真実なのだろう。それを聞けて嬉しい。今や彼女はこの国のリーダーとなった。我々はその真実を認めねばならない。
次回2020年の総選挙で国民から再選されたら今後も同様だ。彼女がこの国の為に働く限り、私はこの手を貸そう”と言明している」

更には“お前もスーチーとの会談に応じるとの事だが、大統領と最高司令官にも事情を良く説明しておけ!”とシュエマンに厳命している。

この場面は非常に重要である。2008年憲法で何一つ肩書の無い隠退した老人が、憲法上この国最高の権力者二名をガキのように扱っている。しかも立法最高機関の下院議長であるシュエマンにガキたちへの使い走りを命じている現場のシーンだからだ。

国軍が制定した2008年憲法を完全に無視して超然と君臨しているのがこの無冠の帝王である。

その帝王とスーチーの極秘対談については、スーチーは堅く口を閉じ何一つ語らない。だが2021年が半分過ぎようとする今、この無冠の帝王は国軍の頂点に立った独裁者として、それから男として(*表現が時代遅れでスミマセン)も、選挙で選ばれた国民代表のスーチーに対して約束を破ったことになる。

これは世界中から非難どころか、物笑いの種にされる、歴史上の珍事である。この国にKGB仕込みの恐怖政治を定着させた張本人が嘘をついた。

このもと将軍に対する言動はこの国では年配者から児童に至るまで、慎み絶対に口にしない。骨の髄まで染み込んだ恐怖は10年20年で消え去るもので無い。その張本人がスーチーとの約束を反故にした。世界中で物笑いのタネにしようではないか。怖いからSNS上で匿名で笑い飛ばそうではないか!!

だが実態は深刻である。スーチーとウィンミエン大統領は極秘の軍事裁判でスーチーが老婆になるまで長期監禁が画策される。そして国軍が仕組む次回国民投票が終了直後にスーチーは恩赦で釈放される。
何度も繰り返された国軍によるミャンマーの古典劇である。

将軍との極秘会談内容は言行一致の人らしく、スー・チーは約束通り墓場まで持って行くつもりだ。

だが強面だった独裁者が恥ずべき事に約束を破った。
であればスーチーも紳士いや淑女協定を守る義理は無い。

であればスーチー側証人としてこの無冠の帝王を秘密の軍事法廷に引っ張り出してはどうだろう。

帝王の前ではヒヨッコのミツヒデはオタオタする。
そこで高齢および健康を理由に国軍の常套手段で出廷拒否を押し通すのは容易に想像がつく。

普通はそこで引き下がるのがミャンマー人の性格だ。
だが勇気を絞って医師の署名入り診断書を要求し、更にはオンラインでの出廷を要求する。多分再び拒否が予想される。そしてこのやり取りを文書に記録する事を要求する。

更にシツコク将軍の様態はそれ程までに悪いのかと、文書に残す形での記録を要求する。
ここまで食い下がる事が出来れば、立派なファイティング弁護士としてミャンマーでは通用する。

そこまでの遣り取りをスーチー側だけで構わないから詳細に記録し、次に例の本を書いたシュエマンをスーチー側証人として喚問要求する。彼はまだまだ壮健だ。断るにも理由が必要だ。

出廷を阻むとしても、拒否理由には前任者とのシツコイ遣り取りとの整合性が求められる。国軍皮あるいは検察側との知恵比べとなる。
*

続けて書きたいが、中国製スマホの欠陥はバッテリー消費と生徒から教えられた。今現在限りなく20%に近い。

ヤンゴン時間6月29日午前11時15分。発信トライします。


東西南北研究所


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