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<ミャンマーで今、何が?> Vol.429
2021.04.23
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■天下泰平国家と戦乱国
・01: GNLM紙は3月1日以降コロナ統計数字を一切発表せず!
・02: 遠路はるばるの格下賓客?
・03: 推理小説の楽しみ!
・04: ここは戦乱国である
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:2021年03月02(火)午後8時発表(前回のまま)
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陽性感染者数合計:141,965名
新感染者数:49名
死者数合計:3,199名
退院者数合計:131,534名
現在検査中:名(*数字判明せず)
出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省
(GNLM紙は2月一杯は前日のコロナ数字を掲載していた。だが3月に入ってからはコロナの統計数字を一切発表せず。国民の健康無視どころか、国民の生命を大量虐殺しはじめた。自国民のジェノサイドを糾弾すべきである。ジェノサイドとは大量殺人のことである)
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・021:遠路はるばるの格下賓客?
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これもNewsじゃなくてOldDaysの話しだが2021年3月27日付GNLM第1面の写真つき記事に驚いた。駐緬各国大使館の武官(*スパイの仕事)ならノンポリ以上に飛び上がって驚いたことだろう。そしてその親密な関係と影響力の凄さを改めて確認したはずだ。
「国家行政委員会議長国防軍最高司令官上級大将MAHが、2021年3月26日ネイピードでロシア連邦の防衛副大臣Colonel-General Alexander Vasilyevichを接見」とのキャプション(*写真説明)で両者が椅子に座り対談している。
実際にはミャンマー側側近とロシア代表団の一行がその全面にずらりと控えているはずである。それはこの公式写真には写らない。上座と下座を映すにはカメラを逆方向に2回セットせねばならないからだ。これが報道写真にトリックが入りやすい要素でもある。
何千人の将兵が気をつけの姿勢で演台に立つ司令官のスピーチを聞いている。カメラマンが演台の下から司令官をアップで写す。カメラマンの背中には何千人の将兵が気をつけしている。ドローン技術の登場までそれがカメラマンの泣き所であった。時代は確実に変化している。
ロシア式軍人階級に疎いのでColonel-Generalという大将の位を何と和訳したらよいか不明である。賢明な読者に教えを乞いたい。どちらにせよ彼の肩書きは防衛副大臣である。通常格下のレベルであればMAHはミャンマーの防衛副大臣クラスを対面させ自分は出席しない。
アセアンの会議もそうだ。ところが外務省儀典局の国際プロトコールに無知なMAHは嬉々としてロシアの防衛副大臣と対面し国営新聞の第一面に取り上げさせた。この記事はさらに第3頁に続き上段3分の2を使用し、暴動者が使用した武器を直接説明している写真と、もう一葉“名誉賞メダル”授受の二人の写真が掲載されている。
さらにはその下段3分の1を使い、ロシア連邦国営通信社とのインタビュー会見中のMAHが二葉掲載されている。インタビューアーはロシア大統領顧問の情報アドバイザーと若い女性。
国連をはじめ西側メディアとの接触を極力嫌うMAHであるが、このサービス振りはナゼ?
この辺りからノンポリの分析は始まる。
ホワイトハウスでの日米首脳会談。日本の最高首脳をワンランク下のハリス副大統領が玄関先で出迎えた。失敬ではとアメリカのマスコミですら非難した。外交上の国際プロトコールでは元首には元首を、副官には副官を対面させる。歯に歯をの外交を知らないとバカにされる。
話を戻そう。
翌27日開催される国軍記念日はクーデター発生で各国の欠席が多発した。その中で遠路はるばるロシアから防衛副大臣が出席してくれた。MAHとしては格下などと言ってはいられない。外交辞令のプロトコールなど無視して有頂天で歓迎の辞を述べた。言葉ひとつでそれが分かる。
昨2020年の国軍記念日はCOVID-19でキャンセルとなった。今年は宿命の政敵を武力で追い出し、成し遂げた第76回国軍記念日である。Diamond Jubileeという英語を使用している。
これは本来1897年に行われたビクトリア女王即位60周年祝典に使われた言葉である。
ここが屈折したミャンマー人の心理状態である。旧宗主国イギリスの影響を振り払い、民族主義を鼓舞しながら、国営新聞でDiamond Jubileeという古臭い言葉を採用している。2012年6月4日にバッキンガム宮殿前で挙行されたエリザベス2世女王即位60周年の大音楽界でもダイアモンド記念の言葉は使用された。
お馴染みトム・ジョーンズ、ポール・マッカートニー、スティービー・ワンダーなど世界一流のミュージシャンが4時間にわたって大観衆を酔わせた。女王自らも一時間半経過した辺りでロイヤル席に登場した。だから国営新聞で第76回国軍記念日にダイアモンド式典を使用するのは無理があり、叛乱軍政府の無教養さを露骨に表している。
エセ英語教師はシツコク調べてみた。結婚記念日にダイアモンド婚式というのがある。夫婦が結婚後60年(または75年)目に行う祝賀の式典と辞書にある。いかにもミーハーな事例を取り入れたものだ。
名誉ある国軍の記念日に結婚式のしかも(カッコ)書きを採用するところに今回のクーデターの安易でチープな特徴が溢れている。世界の笑いものである。
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・03:推理小説の楽しみ!
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またまた脱線した。(*くどいようだが日本語には主語がない)
遠路はるばるのロシアの格下賓客を両手を広げて出迎えた司令官の話しであった。
もうひとつ言葉のトリックがある。昨年が第75回で今年2021年は第76回国軍記念日に相当する。それを国営新聞上では混同している。ダイアモンド式典という言葉があやふやである。言葉を粗末に扱ったのでは新聞でない。それとも言論の自由と主張するつもりか?
その格下によれば、昨2020年にMAHが直々にロシア連邦の第75回偉大な愛国者戦勝記念日の軍事パレードに出席した。その答礼であると述べている。この戦勝者記念日を装飾語抜きで書き直すと第二次世界大戦の勝利記念となる。
日刊英字紙第3頁によれば、暴徒たちが使用した長めのナイフや刀らしきものの一部をロシアの防衛省副大臣一行に直接MAHが説明している写真つきで、記事内容も非合法な方法で国家権力を握ろうと腐敗した政治が2020年に形成されていった、となっている。
そこでお得意の“だから”、と国軍は純粋なデモクラシーと規律を守るために立ち上がり責任を果たしたと国際的には理解できない自説を展開している。スーチーのレガシーは説明責任と公開透明性をミャンマー政治に根付かせたことにある。
オモシロいことに国軍はこれを信奉し必死に説明責任をロシアの防衛副大臣に励行している。身内のロシアや中国に納得されても小世界の話しだ。世界を納得させるという今の時代を把握していない。それがMAHである。そこが怖い。世間知らずという意味である。
突然だが、ブレーキング・ニューズが飛び込んできた。
単主絵に失脚させられ、現在はアートギャラリーのオヤジというキンニュン元首相を叛乱軍政府の顧問に依頼し、本人は受諾したとのウワサがローカルのSNSで流れている。
これも耳から耳の風評で裏付けは全くない。
だが単主絵に異変が起きたとするノンポリの仮説からすれば、俄然現実味のあるウワサとなってくる。老獪学は大英帝国からスタートして、007映画、江戸川乱歩、EAポー、コナン・ドイル、シャーロック・ホームズ、アガサ・クリスティと研鑽を積んできた。
その老獪学からすると、名前だけでもキンニュンの登場は意味深でオモシロイ。特にロシアと関連付けて推理してみたい。くどいかもしれないが単主絵はその前身ソ連のKGBで若き将校時代を過ごした。その単主絵から長年にわたり臭い飯を食わされてきた。
異変が起こったと仮定すれば、トラウマとなっていた悪夢から解放されたことになる。
ノンポリの分析には旨いサケが必要だ。買出しに行ってくる。
今回はここまでにしたい。
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・04:ここは戦乱国である
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深夜にひたひたと目明しの御用提灯が迫ってきた。軍靴を鳴らし軍隊と警官がナンバーストリートに入り込んできた。暗闇の中なので隊列の足音が不気味だ。そこには高層ビルのゲストハウスとなっている。支配人は軍隊に好意的と近所では囁かれている。
裏窓がそこに対面する主婦から翌朝聞かされた。不穏な足音に昨夜カーテンの隙間から覗いてみた。すると真っ暗な最上階のベランダからヘルメットが暗視望遠鏡でこちらを眺めている。その横には別のヘルメットがライフルをこちらに構えている。
ゾーッとして気分が悪くなり、室内をすべて消灯し、一晩中震えが止まらず眠れなかったという。これがヤンゴンで今、何が?の現実である。YouTubeではフリーランス・ジャーナリストの邦人がフェークニュースを流した容疑で再拘束されインセイン刑務所に収監されたと報じている。
翌朝早い時間に軍隊と警官は引き上げて行ったようだ。それで安心はできない。午後8時のなべ釜騒音に元気がなくなった。翌日深夜警官がゲストハウスを再訪。ローカルの宿泊客から現金そしてカネ目のものをすべて強奪し悠然と立ち去ったという。
この国は“警官を見たら泥棒と思え”がいろは歌留多の基本である。そこでMAHがDisciplineという言葉を頻繁にスピーチで使用するから、この大将は士官学校は出たかもしれないが、小学校は出ていないのではと疑っている。英和辞書では規律正しさ、秩序、修養となっている。
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ただいまのヤンゴン時間4月23日(金)午前9時30分。
これから発信トライします。
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