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 <ミャンマーで今、何が?> Vol.409
 2021.02.17
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 
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 ━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
 
 ■すべては危険な方へ!
 
 ・01: 2021年02月15(月)午後8時発表
 
 ・02: 軍人も政治家も、エセ教育者も高きを目指す!
 
 ・03: 軍人も政治家も、エセ教育者も高きを目指す!
 
 ・04: バカハシナナキャ、ナオラナイ(浪曲調で)
 
 ・05: 大本営発表、否ウワサだけかも知れない
 
 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)
 
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 ・01:2021年02月16(火)午後8時発表
 
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 陽性感染者数合計:141,659名
 新感染者数:22名
 死者数合計:3,192名
 退院者数合計:130,859名
 現在検査中:名(*数字判明せず)
 出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省
 
 
 
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 ・02:軍人も政治家も、エセ教育者も高きを目指す!
 
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 出張先はほとんどが港町だった。初めての港町だと、なるべく背の高いビルの喫茶店か食堂に陣取る。そこから港全体を俯瞰する。私の出張は007の気分だった。最初に把握するのが東西南北の方向だ。太陽の作る影で判断する。それから防波堤だ。その切れ目が船舶の出入り口となる。
 
 もちろん旅立つ前に港町の全景図を入手する。そのコピーは必携だ。だが現実とコピー図はまったく異なる。港湾は生きている。桟橋がずらりと並び、実際に貨物船が荷役中だ。保税倉庫に貨物が運び込まれ、倉庫からトラックで貨物が搬出されていく。アリのように小さく見える。
 
 錨地では入港船が着岸の順番待ちをしている。シンガポールなど主要ハブ港では、無数の船舶が港外で沖待ちし壮観な眺めである。この港は関税のかからない世界一安い船舶用燃料の補給地でもある。荷役は行わず油と飲料水(*ペリー提督の時代は“薪水”といった)の補給だけで着岸はしない。
 
 スリランカの西岸コロンボから島内を延々と右上に斜断した北東部にトリンコマリーという港がある。自然の岩盤を利用した見事な天然港である。ここに私がチャーター・オペレートした貨物船が入港した。一日を費やす長いドライブで、シーギリアの美女、そして危険な野生の象の一家にも遭遇した。
 
 話しは急転する。真珠湾急襲の直前、マレー半島も戦闘状態に突入した。日本のゼロ戦が飛来したアジアの最西端?に私は興味を持った。その一つがこのトリンコマリーだった。さすがに大英帝国である。世界有数の良港にイギリス東洋艦隊最大の海軍基地を設け、巨大な石油基地を備えていた。
 
 空からの攻撃目標には実にオイシイ目標である。石油タンクを狙え! そして東岸のコロンボにも爆弾を落した。私の出張はビジネス以外の寄り道が多すぎる。
 それゆえに海運会社には不向きの、ドロップアウト組となった。
 
 その名残でヤンゴン中心部のサクラタワー20階はお気に入りのレストランである。優秀でセンスのある学生に出会うと、ここで野外授業を行う。レッスン1;正面玄関で東西南北どちらでもよい、背伸びさせてどこまで遠くの信号機を見渡せるか実習させる。ひとりひとりに。
 
 あとはエレベーターが20階まで連れて行ってくれる。ほとんどが良家育ちではない貧乏学生だ。高層ビルは初めての経験である。天井から床まで厚めのガラス張り。東側を除いて南北西の三方が彼方まで見渡せる。興奮しているが、場違いのためオドオドしている。
 
 冷たいジュースで落ち着かせ、私はビールで説教を始める。遠くの信号機を指差し、高くなれば高くなるほど遠くが見えることを理解させる。現代っ子である。そんな話よりセルフィに夢中だ。二時間はここでゆっくりするから写真は後で、と年寄りの決まり文句で説得する。
 
 “教育”とは上に上がれば上がるほど先が見える、とニセ教師は語るが、「このアイスクリームは美味しい」とか、いつの間にか学生たちのペースだ。こうやって説得と情報の伝え方の難しさをニセ教師は悟り、言葉が不十分な中での意思疎通を、逆に生徒から学んでいる。
 
 今後はミンアウンラインを頭文字からMAHと略称する。航空便名のようだがキチガイMAHなどと記述するのでご賢察願いたい。ジェイムス・ボンドになった積もりで!
 
 
 
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 ・03:Transparency とAccountability
 
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 14日が期限だったスーチーの拘束期間が今日17日までに延期された。面会もできないスーチーの顧問弁護士は不満たっぷりに記者発表した。職を剥奪された元大統領はさらに3日間とMAHは二人の分断を考えている。両者共に大物なので収監せずネイピードの自宅で軟禁らしい。
 
 元大統領は弁護士資格を持っており、弁護人は不要と強気の発言をしている。自分で自分を弁護すると頼もしい。世界中にチープな大統領・首相はいくらでもいる。自己弁護できるのは、歴史を紐といてもインドのガンジー位いだ。失言!?。ガンジーは大統領でも首相でもなく弁護士だった。
 
 今週末スーチーは“ネイピード”の軍事裁判所に出廷とAl JazeeraTV英語放送は伝えている。「朝令暮改」のMAHである。どうなるか「一寸先は闇」。これらの表現は日本語に長けたスパイ警察でも簡単には解読できない筈だ。ということでこのメルマガは日本語のプロにお届けしたい。
 
 国防軍が採用している方式で、スーチーが元祖として新政権で始めたことが幾つかある。Transparency とAccountabilityである。この二つこそスーチーの大改革であった。
 業者指定とか重要公職の議長選定を密室ではなく透明性をもって決定したことが一つ。
 
 そして説明責任がもう一つ、この二つはセットで用いられる。
 これを国会議員に周知徹底させ、憲法上スーチー管轄外の国防省・国境関連省・内務省の3省にも徹底励行させた。スーチー嫌いの読者でも、コーヒーでも飲みながら、この違いが分かる男になって欲しい。
 
 国営放送が実況中継される中、国民に隠さず、国軍の広報官が記者の質疑にひとつひとつ応えている。軍事政権時代にはミャンマーが経験してこなかった民主化時代の大改革である。
 テインセインを誤解している外交団もいるが、この大統領の時代まですべてが密室で決定し、囚人釈放などすべてがお上の一方的発表だった。これこそ軍事政権そのものの手法で性格であった。
 
 余計な一言を付け加えると、アベ政権・スガ政権の密室談合、お粗末な野党の追及ドラマをヤンゴンから傍観すると、スーチー政権がはるかに民主的で、しかも先進的で進歩的である。
 
 中国の言いなりとの事実無根が日本では伝播しているが、百倍ほどの反論理由を揃えているので、次回以降チャンスがあればお伝えしたい。
 
 ここでキチガイオトコに話を戻す。
 このオトコが口を開けば、その瞬間から“矛盾”の穴底に自ら陥落していく。
 愚かと思わないだろうか?
 
 国防軍はスーチーが敷いた路線のルールで完全に自縄自縛されている。
 細かいことは部下に任せればよいのに、と老獪学を学んだ私は思う。だがクーデター軍の最高司令官殿が御自ら発表している。どこかの国の総理大臣閣下とダブってしまう。
 
 MAH本人は“透明性”と“説明責任”を全うした積もりである。そういうところは逆に無邪気にさえ見えてくる。
 
 
 
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 ・04:バカハシナナキャ、ナオラナイ(浪曲調で)
 
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 このキチガイオトコが狂ったように連邦大臣・副大臣、地方議会の大臣・副大臣、国立銀行をはじめ主要国家機関の総裁・副総裁などの人事入れ替えを発表している。このメルマガでお馴染みの日刊英字紙GNLM紙はクーデターが発生した2月1日以降その公告で満載されている。
 
 笑ってしまうではないか。スーチー政権の構築した国家改造計画の骨格を温存したまま、中身の人事だけを軍人制服組に入れ替えている。そして国防軍の広報官が説明責任と透明性を果たすため、必死になって記者団の前に立っている。自己矛盾があるので時には汗だくでオモシロイ。
 
 日本を含む欧米のマスコミは心から心配されているようだが、ヤンゴン駐在の研究所所長としては、不謹慎だが滑稽で仕方がない。後世になったら2021年2月1日にこけら落しのミャンマー劇場はシェークスピアも敵わない風刺・諧謔満載の大喜劇と認定されることだろう。
 
 それをエビデンス付きで冷笑したい。失礼!例証のミスタイプだった。お詫びします。
 クーデターを起こした直後に、UMFCCI(ヤンゴンにあるミャンマー連邦商工会議所)の会頭をはじめ各界のビジネス代表(*観光業組合会長など)をネイピードに招聘した。軍のお呼びと経済界の大物が多数駆けつけた。
 
 突然強行したクーデター・戒厳令の経済的衝撃をMAHは知りたかった。バカヤロー、そんなこと小学生でもお見通しだ。オマエは小学校を卒業したのか。とツイツイ下品な言葉が口から出かかる。
 
 当然ながら経済界からは民間銀行のお歴々も、商工会議所会頭も、全員が、「COVID-19で痛めつけられた状況下で、クーデターなど時代錯誤の暴挙は、海外投資家のミャンマー離れを決定付けてしまう!」
 
 「海外からの支援を受けられなければ中国が乗り出してくる。そうすればミャンマーは中国の思いのままだ。それだけは絶対に避けねばならない。国軍にその考えはあるのか?」
 
 と非難囂々の意見が述べられた。当然である。
 この事実を冷静に分析すれば、このクーデターが先を読んで挙行したのでないことは明々白々である。小学校を卒業していないと、こういう愚かな行為を犯すものだ。だからこのメルマガでは今回のクーデターを2月1日未明に止むに止まれず、発作的に起こした軍事行動と判断している。
 
 同様の聞き取り調査は漁業関係者、農林関係者、港湾関係者、輸出業者組合、輸入業者組合、医療関係者などなどでも行っているはずである。
 
 怖いのが気が狂ったトップが実情を何も知らないカーキ色の制服を着た軍関係者に重要機関のトップを入れ替えたことだ。
 
 
 
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 ・05:大本営発表、否ウワサだけかも知れない
 
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 ヤンゴン下街を西から東にマハ・バンドゥーラ大通りが横断している。イギリス軍の近代兵器の恐ろしさを知らずに大河イラワジ川の畔に、派手な軍服で姿を表し、イギリス海軍の大砲の餌食になった大将軍がバンドゥーラである。マハはガンジーと同じく偉大なという接頭辞である。
 
 其の大通りの最東端にマハ・バンドゥーラ大橋が架かっている。その先は日本人にお馴染みのティラワ工業団地、深海港などのヤンゴン郊外となっている。この橋を渡ってエッセンシャル・ワーカーである最下層の働き手が毎日ヤンゴン中心部にやってくる。
 
 本日2月17日(水)早朝もそういう働き手が大勢通勤バスでやってきた。
 連日続いているが、本日も若者デモ隊の呼びかけで、スーレーパゴダの中心部を目指して四方八方からデモ隊が集合することになっている。
 
 たった今入った情報では、このマハ・バンドゥーラ大橋に愚かなトップに指令された兵隊か警察かは不明だが大集合し、橋が完全に閉鎖された。早朝から働きづめでそろそろ帰り支度を始めた早朝市場の人たちの帰り道が奪われた。自宅で腹をすかしている子供から母親に「どうしよう!」とスマホが大忙しだ。
 
 ただいま2月17日(水)午前10時40分。
 ヤンゴン発信を試みます。すべては神頼み。私はイスラム教徒ではないが、今日はアラーの神にでも祈ってみよう。
     
                                 
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