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<ミャンマーで今、何が?> Vol.402
2021.02.05
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■戒厳令2021.02.01を分析

 ・01: 2021年02月03(水)午後8時発表

 ・02: ネットに繋がらない!

 ・03: 市民の連帯はスマホから

 ・04: スマホを制する者がミャンマーを制する

 ・05: 日付が変わる深夜12時まで時間がない!!

 ・05: WiFiが作動したら発信

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:2021年02月01(月)午後8時発表

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陽性感染者数合計:140,927名新感染者数:263名死者数合計:3,160名退院者数合計:126,384名現在検査中:11,383名出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省(*)どういう訳か2月4日のデータが入手できない。



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・02:ネットに繋がらない!

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海外、日本、ミャンマー各地から沢山の情報が飛び込んできた。
記事に取り上げる場合、監視・追跡・特定などスパイ容疑が掛からぬよう、細心の注意を払います。

欧米の一流メディアからビルマ語で取材を受け、堂々とインタビューに応じている親父の様子が海外に流された。その国際ニュースを転送してもらった。
出身地方局から取材を受けたミャンマー在留の日本人もいる。

日本滞在中のミャンマー人で、拘束されたMP(*国会議員)の父親を心配されている知り合いの間接情報も教えてもらった。
危険なミャンマーを引き上げて、近隣諸国へ引越したらどうだとのお誘いも受けた。

Sleepy Rangoonが久しぶりに刺激的になってきた。ミャンマー劇場はこれからである。どうして引越しなどできようか。これは旧態依然たるクーデターではない。スマホという最新兵器による国軍と国民の闘いである。国軍はネイピードに立て篭もり、国民は全国展開している。

Vol.401は終日ネットに繋がらず、プロバイダー殿には発信できなかった。
今後の戦略として、Vol.402、Vol.403・・と小まめに原稿を用意し、ネットが接続したときに一括発信するように工夫したい。



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・03:市民の連帯はスマホから

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Solidarityとは結束、団結、連帯を、Disobedienceとは不服従、反抗を意味する。新聞で好まれる政治運動に関した英語である。国立機関の医療従事者が2月3日、国軍の最高司令官主導による新政府への不服従を示すキャンペーンに入るとDr. Hein Wint Warが語った。

この運動に参加するのはマンダレー児童病院、マンダレー総合病院、マンダレー教師病院、ヤンゴン新総合病院、Pyay総合病院、ネイピード総合病院、サガイン病院、バゴー総合病院、ヤンゴン病院、Kyaukse総合病院など多くの医師・看護師の助手たちである。

MT紙の記者は各地方の実態も報告している。誰がこの運動を開始したかは判明していない。内部ではコロナ禍でのボイコットはデリケートな問題で、軍側から攻撃の材料にされる危険もあり、果たして医院仲間で同調者がいるのか、運動の展開方法など、慎重な討議を重ねたと説明している。

かなりの数の医療従事者が2月3日・4日の両日欠勤した。出勤しても緊急患者以外は対応せず、クーデター軍事政権への反対だけはどうしても表明したかったという。そのため赤いリボンを胸につけ抗議表明する連帯が、医療関係者の間で、各地で拡大しつつある。

ミャンマーではFacebookは人気のSNSだ。何人かの活動家が声明で“市民の不服従運動”は立ち上げ後24時間以内でフォロアーは150,000人以上に達したと発表した。その一方、COVID-19患者の生命を懸念しこの運動に踏み切れない従事者たちもいる。

別件だが、日本の友人とメッセンジャーで情報交換していた2月2日午後8時、ベランダの外がやけにウルサク声が聞き取れない。通り向かいの7階建てビルの各家庭の電気が次々に点灯して、鍋釜類を騒々しく叩き始めた。

この鍋釜キャンペーンは翌3日の午後8時から30分間さらに輪をかけたような騒々しさで続いた。ビザがとっくに切れた不法滞在の日本人もベランダの明かりを点灯して、向かいのビルに負けない騒々しさで、貧者の騒音を精一杯献納させていただいた。

ついでに報告すると2月4日午後5時丁度、西に面した裏窓方面から騒々しい車のクラクションと多くの人たちが拍手する音が聞こえてきた。5分遅れで今度は正面ベランダの外部からクラクションの連続音と拍手の共鳴運動だ。

ヤンゴン式お祭りと解釈して、シーグラム社から輸入したスコッチモルトで製造したインペリアル・ブルーをロックで飲ることにした。いつ発信できるかクヨクヨしても仕方がない。ただひとつ、これが国軍傘下の工場で製造されたとなると学生たちの追及が怖い。飲み終わったあとで、訊いてみる事にした。

そのあとで判明したことがある。「国軍関連工場製品の不買運動」と銘打ったキャンペーンがネットで全国に拡大中らしい。明らかに今回のクーデターは前回、前々回とはまったく異なる。市民と国軍の間に銃弾は飛んでこない。
ミャンマー特有のウワサを跳び越す新兵器が現れた。

今回のクーデターはSNSの拡散を国軍が支配できるか、あるいは市民側が有効に活用するかの勝負である。明らかに市民側に有利に、そして連帯感を持って、ミャンマー全土にくまなく感染していっているようだ。時代は変わった。




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・04:スマホを制する者がミャンマーを制する

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その友人がヤンゴンの別情報として、軍事クーデターに反対するため、同時刻にミャンマー全土で運転中の自動車はクラクション、各家庭は自宅に閉じ籠ったまま音のするものなら何でも30分間叩くようSNS上で連帯が始まったという。

こういう点では、ミャンマー人は非常に欧米的である。総選挙での各個人の意思表示もハッキリしている。各家庭のベランダにNLD支持の真っ赤な横断幕をたびたび見かけた。そしてビル全体が黄色のハンカチではないが“幸せの赤色横断幕”で、ナンバーストリートの街全体がNLDの赤色一色となった。

乗用車もトラックもアンテナに闘うピーコックの真っ赤な旗をなびかせて行く。おっちら漕いでいくサイカーも高々と真っ赤な旗で意思表示だ。中には左右前後に4本の幟も散見される。それらが横道を縦横に通過していく。

確かに多くの日本人はiPhoneやiPadを無言で活用している。だが第一世代、第二世代を飛び越えてスマホを手にしたミャンマー人は遥かに先を進んでいる。ホンコンで、台湾で、そしてワシントンでのピープルズ・パワーを既に学習済みだ。いまミャンマー独自の大衆運動が動き始めた。

それに比べると軍人サン大丈夫ですかと声をかけたくなる。スマホ時代のクーデターにサバイバルの可能性は有るのか大いなる疑問が沸いてくる。野暮な軍服など脱いで、NLD要人のガードマン、あるいは国会議員自宅のドアマンなど、第二の職場を探すべきではないだろうか。

COVID-19のパンデミックでこの世にパラダイム変換が起こると多くの人は予感した。だがミャンマーの軍人サンのお陰で、ひょっとしてこの世に軍人サンは不要なのではと、不要論が湧き起こるかもしれない。

ミャンマーから軍人不要論を中国・イランに輸出する。北朝鮮への輸出も忘れてはいけない。
そして仕上げはアメリカとNATOにも輸出する。日本が輸入してくれるかは気がかりだ。うまくいったらミャンマー市民にノーベル平和賞でも・・少し飲みすぎたようだ!

少し冷静になろう。
軍人にもエリートはいる。だからこそスマホを、そしてパソコンを混乱させる通信遮断作戦を決行中だ。私のパソコンだけなのだろうか、2月5日の早朝も繋がらない。不安になってきた今日は金曜日で、今日一日不通だと、メルマガ配信は来週に持ち越しだ。



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・05:日付が変わる深夜12時まで時間がない!!

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今となっては数日遅れのニュースだが、2月2日MT紙に小さな囲み記事が出た。

『Eleventh-hour appeal by Daw Aung San Suu Kyi』がタイトルだ。
“スーチー11時間目の訴え”と和訳したのでは文章の面白みは伝わらない。

日付が変わる深夜12時。その一つ手前の時計の針は11時である。すなわちギリギリの時間に国家転覆に繋がる大事件が発生した。寝入りばなの深夜11時に叩き起こされた大統領は機嫌が悪い。補佐官が情報をブリーフィングする。
問題が複雑なだけになかなか頭に入らない。

国家転覆の危機である。日付が変わる12時までに決断が求められる。残り一時間しかない。それが米国大統領の仕事である。寝酒のナイトキャップを飲みすぎた。氷水で頭を冷やす。国益を守れるか? アメリカで評判になったTVドラマシリーズが“Eleventh-hour”である。

この記事はAFP通信社からの全文引用だ。
クーデターはミャンマーで2月1日早朝に起きた。そして翌2月2日のMT紙朝刊に掲載されている。外信電の凄さはビルマ語が使われるこのミャンマーで取材して、この早朝の事件を即刻“英語”で世界津々浦々まで流していることだ。

このメルマガが強調したいのは、ネイピード内部に入り込み、その緊張動向を把握していたからこその俊敏な動きで準備であった。そして“英語”を世界の共通語として取り込む寛容さだ。因みにAFPとはAgence France Presseの頭文字で、世界で最も美しい母国語を話すフランスの通信社である。タイトルのセンスからもそれは読み取れる。

肝心の内容を解説したい。
スーチーは月曜日国軍に拘束される前に、クーデターを拒否するようにと、先制攻撃の呼びかけを国民に対して行った。

NLD議長の公式Facebook上でスーチーは“クーデターを受け入れない”ようにと国民に呼びかけた。国軍はこの国を一年間の非常事態下に置いた。スーチーのメッセージは2020年11月の総選挙におけるNLD政党の地滑り的大勝利を再確認するものであった。

国軍の軍事行動はコロナウィルス大発生と闘う国家の努力を危険に晒すものである。ミャンマーでは140,000人以上の感染者と3,000人以上の死亡者を出している。

私は国軍が起草した非難轟々の2008年憲法を受け入れるものではない。だが国会入りしてからはそれを遵守してきた。憲法は強力な政治権力を国軍に与え、最も重要な内務大臣、国境大臣、国防大臣の3ポストと25%の国会議席を支配下に置いてきた。

スーチー政権は、2015年の総選挙で勝利を得て以来、この憲法の修正を試みてきた。だが成果はほとんどゼロであった、とFacebookのスーチーは主張している。

そして最後にAFPは、前回の政権ではスーチーが大統領職につけない憲法条項の欠点を巧妙に読み解き“国家相談役”という事実上の国家のリーダー役を勝ち取ったと報じた。



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・06:WiFiが作動したら発信

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今回はミンアウンラインとミエンスエの人物紹介と思っていたが、例の通りで、道草を食ってしまった。ページ数も冗漫になりすぎた。この先が思いやられる。

ただいまのヤンゴン時間は2021年2月5日(金)午前3時である。
停電は免れているが、WiFiで発信できるか、ますます心配になってきた。
すべてはヤンゴンの通信事情、そして日本ではプロバイダー殿次第である。


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