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<ミャンマーで今、何が?> Vol.386
2020.10.19
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■徹底的YouTube解剖!

 ・01: 2020年10月18日(日)午後8時発表

 ・02: そもそもYouTubeとは何なのだ?

 ・03: 日本はガリバーの小人国

 ・04: 欧米で通用する英語とは?

 ・05: おまけ

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:2020年10月18日(日)午後8時発表

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陽性感染者数合計:36,025名
新感染者数合計:1,150名
死者数合計:880名
退院者数合計:17,076名
現在検査中:15,581名
出典:保健スポーツ省



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・02:そもそもYouTubeとは何なのだ?

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国内外の多種多様なYouTuberを徹底的に覗かせてもらった。最も波長が合ったのが中田敦彦である。本人自ら書店に出かけ、3時間以上掛けて手当たり次第の濫読で、両手一杯買い求めるそうだ。特に易しく説明した漫画本、コミック本は日本独自の職人技で、理解しやすいという。

YouTube設立は2005年2月14日だから、すでに15年の歴史がある。本社は米国加州サンブルーノで翌2006年11月スタンフォード大学生であったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンのグーグルに16億5000万ドルで買収された。スタート時点から若者に絶大な人気を博した。

YouTubeの創設者チャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムの三名はPayPalの従業員だった。独立して2年弱で巨額の大金を入手した。創業者利益である。
アメリカにおける若手起業家によるビジネス成功例である。日本には欠けているが、米国にはアメリカン・ドリームの素地がある。

ネットに接続し、素人が簡単に動画をアップロードできる。しかも世界中の利用者と共有できる。安価で画期的なプラットフォームだ。グーグルの他機能、Gmail・Earth・検索、とのシナジー効果もあり、あっという間に世界中で大旋風を巻き起こした。

だがこの大旋風が日本に上陸するには、複雑怪奇な壁が存在した。お役所仕事もそうだが、規則・規制のがんじがらめだ。だがソレを語る前に、かの国と日本の間には“英語の壁”が存在する。ソレをこのヤンゴンで痛感する。



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・03:日本はガリバーの小人国

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極東の島国でもアメリカのウワサに気付き、新しいオモチャに飛びつく人がいた。これをビジネスに取り入れられないか試行錯誤した。その何人かが勝ち残り、ジャパン・ドリームを実現した。彼らこそホリエモンを初めとする第一世代のYouTuberたちである。
だが彼らにも“英語の壁”は存在した。

世間は受信料不払いで、NHKをぶっ飛ばす時代となった。気がついたら、標的はTV局に飛び火した。島国では問題を細分化するのが大好きだ。いま何が問題なの? どうも広告収入の争奪戦らしい。取捨選択してニュースを報道するスタイルは時代遅れだという。
オンデマンドのYouTubeこそ次世代型テレビだという。

欧米ではそんな小難しいことは言わない。ド素人が安易に参加できるので、バカらしい毒となる番組も山ほどあるが、プロ並の良質の番組も山ほどある。要は視聴者の選択次第である。

日本独特のビジネスにお笑い芸人という職業がある。そして芸能プロというブローカーが生殺与奪の権力を持ち、テレビ番組への出演を一手に仕切る。人気者は登用され、態度が悪いと干される。仲間内で牢名主のヒエラルキーが出来上がる。吉本興業の若手から不満が出てきた。

別世界に活路を見出そうと、もがき、YouTubeに注目する芸人もいた。そのひとりが中田敦彦である。動画を見てもらったほうが話しは早い。

『堀江貴文X中田敦彦』『DaiGoX中田敦彦』『古舘伊知郎X中田敦彦』『カジサックX中田敦彦』『[コラボ]中田敦彦さんの読書術を初公開』『中田敦彦X鴨頭嘉人』*順不同に鑑賞願いたい。

これらの続編を含めて、そして対談相手のYouTubeもほとんど視聴してみた。コロナ自粛は実にありがたい。客人もなく、YouTube三昧である。すると見えてきたものがある。


ホリエモンと対談した頃は、恐る恐るYouTuberに接近し、手掛かりを盗み取ろうとしていた。今では再生回数は3百万回を越え、そろそろ天狗になる頃である。人間は頂点に立ったときが一番怖ろしい。中田がどう変化するのか、これからが愉しみだ。

狭い日本にと、KO大学出身の中田がいま、英語に興味を持ち、チャレンジし始めた。だが、いくら外国人に英語を習っても、これまで習ってきた日本式英語の垢を脱ぎ捨てない限り、彼の英語には限度がある。欧米人を説得する英語は喋れない。

日本はGDPで2010年に中国に追い抜かれた。アメリカを頂点にいまや第三位の経済大国である。自分で大国というのは恥ずかしい。恥ずべきことだが、ほとんどの日本人が口にする。ジャパン・アズ・No.1の頃から日本が狂ってきた。

そしてYouTubeに限れば、日本市場だけで充分にペイし、やっていける。だから世界の変化に無頓着になりがちだ。独自の言語と文化に満足し、どじょう鍋の茹で上がりにPoint of no returnに気付かない。

このヤンゴンに限っても、最近、日本人のYouTuberが活躍している。長期滞在者、通りすがりの旅行者による、ヤンゴン紹介、名所案内の類である。セルフィーで撮影しているうえに、言葉の問題もあり会話がなく、自問自答している。ほとんどが行き当たりばったりに街中を撮影している。しかもボカシを多用するので、興味がそがれる。

さすがに欧米人はYouTubeに対する年季が違う。撮影する前に大体のシナリオが出来ている。通りの名前を明確にし、レストランに入る前に店名を見せてくれる。日本人のYouTuberはひたすらメニューを写すだけだが、旅慣れた欧米人は店員に確認する。原料は何で、辛いのかどうか、と。そして注文するのだが、何を注文したのかハッキリしない日本人は、やたらと親指を立て、美味いと唸る。

この違いは、二三年後にコロナ明けを期待し、同様の企画を検討中の当方にとって、非常に参考となる。YouTubeに関しては、欧米と日本では10年の開きがあるような気がする。
読者には怒られそうだが、もし天狗になったら、日本はガリバーの小人国かもしれない。




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・04:欧米で通用する英語とは?

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頭の中にあるのは、小人国内で日本語で相手国の悪口を罵るのではなく、まっとうな英語で世界に語りかける、そして彼らを味方につける。どうしたらそういう英語を身につけられるか、という自分に対する刃である。ソレが私の英語学校である。

このヤンゴンにいると、良い手本が身近にある。アウンサンスーチーである。スーチーの英語である。スーチーが自宅監禁を解かれ、海外で演説したYouTubeは50本以上に上るのではないだろうか?そのあと質疑応答があるので、一時間から二時間の長時間モノである。その内、約15本は視聴した。聞き取れないところは巻き戻すので、さらに時間がかかる。

ロヒンギャー問題でBBCの対談相手から突っ込まれる緊張する場面は、正確に理解したいと何度も何度も巻き戻す。そして要点はノートに取る。生徒が訪ねてこない屋根裏部屋で、生徒は自分自身だ。この段階になると、英語の授業と言っても、“読みX書きX聴くX話す”の総力戦である。

勿論こんなことを続けていてはクタバッてしまう。5:00pmのハッピーアワーを4:00pmに切り上げて大好きな音楽番組に切り替える。YouTubeはドラえもんの「どこでもドア」ある。YouTubeを参考にツマミをつくるときもある。そして眠くなる就寝タイムまではコロナ人生を楽しむ。

音楽についても、料理についても、語りたいことは幾らもあるが、今回は“欧米で通用する英語”について語りたい。といっても土産物の買い物で値切ったという話ではない。


『President Obama Addresses the British Parliament』2011年5月26日で再生回数は6,393,663回である。スーチーも演説した英国の由緒あるWestminster Hallである。前にご紹介した英国の名物下院議長John Bercowがユーモアたっぷりに英米の歴史を交えながらオバマ大統領を参列者に紹介している。

このバーコウ議長こそはトランプを国賓として英国に招くことに大反対した張本人である。トランプ自身アメリカ移民の成れの果てである。先に潜り込んだ移民が、後からやってくる移民をメキシコ国境の壁で阻止するとは、自由と民主主義の理想で建国された国家に対する裏切り行為である。というのがその言い分である。

そしてトランプの国賓招待にはテリーザ・メイ首相と野党との間で熾烈な討議が行われた。これもYouTubeで参観できる。日本では官邸主導で簡単に決まってしまうようだが、非常に参考になる議会手続きである。バーコウ議長はひと言ひと言区切って発言するので、英語のヒアリング(*これは和製英語で、リスニングが正しい)には理想的である。


バーコウ議長とオバマ大統領の二人のスピーチは、歴史をわきまえた、両国をおもんばかる、教養に裏打ちされた内容である。英語に興味をお持ちの方は是非ともお薦めしたい。

ここからオバマとトランプ二人のスピーチをYouTubeで徹底的に拾ってみた。これも何十どころか100本は越えるだろう。そこで分かるのは、スピーチの内容では、オバマがはるかに優れており、トランプには教養のひとかけらもないと言うことである。

繰り返すが、このメルマガは民主党がどうの、共和党がどうの、という政治ゲームには何一つ関心を示さない。説得力のある英会話とは、の一点である。ご理解いただきたい。


ついでに歴代大統領のスピーチも、日本の歴代総理もYouTubeで拾える。その日がの差は大きい。戦後日本には、議論の作法がすっぽりと抜けている。英語を小学校から教えるという問題ではない。頭の中で整理する日本語そのもののが、破壊された感じがする。




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・05:おまけ

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お薦めを幾つかご紹介したい。

『[佐高信の隠し味]抱腹絶倒芸人[松本ヒロ]』君が代の歌詞を米国国歌で歌い、Amazing Graceで歌う。立川談志の話も聞かせてくれる。

『[佐高信の隠し味]うたがこころにしみるとき:小室等』これは解説するよりも鑑賞いただいたほうが良い。

『ウィザウトコロナへ 〜経済を動かし日常を取り戻すために[児玉龍彦・金子勝 新型コロナと闘う]』コロナの現状を抑えておくために!

ここまできて外が明るくなり、眠くなってしまった。
現在ヤンゴン時間10月19日(月)午前6時10分

週末の夜はシトシト雨だった。雲の流れで、モンスーンもそろそろ最後の段階と予測するが、雨期明けのダディンジュは暦の上では10月31日の満月である。ミャンマーでは水祭りからちょうど6ヵ月後に雨安居(*うあんご)明けとなる。この日で僧侶の寺修行は終わり、平俗もハレの日となる。ホテルでは結婚式で宴会場は満杯だ。しかし今年はどうなることやら。




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東西南北研究所




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