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<ミャンマーで今、何が?> Vol.377
2020.08.01
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■師匠への返信メール、その2

 ・01: ♪ダンダンダダン、ダダダダン・・♪

 ・02: 日米コマーシャル決戦

 ・03: 視点を変えると、自分がアホに見えてくる

 ・04: やってみなはれ!

 ・05: 閑話休題

 ・06: ♪Hit the Road, Jack!♪

 ・07: 海賊版DVD“AMAZING GRACE”の秘密

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:♪ダンダンダダン、ダダダダン・・♪

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2020年を12等分すれば、その半分の6ヶ月はとうの昔に過ぎてしまった。それどころか、7ヶ月目も終わりだ。“トクトク・・”とバーのスツールで飲むアンクルトリスの顔半分以上が真っ赤になり、浜口庫之助の♪あの曲♪が聞こえてくる。思い出せなければYouTubeで「1977-1991サントリーCM集」で呼び出せる。

日本のテレビCMの変遷史がそこにある。当時の世相を知りたければ同じくYouTubeで「浜口庫之助 時を越えた名曲」がお勧めだ。懐かしい日本が歌で思い出される。その時代を経て今日のコロナ時代がある。コロナにうろたえるのは止めにしよう。来しかた行く末を歌で辿ると別の視点が見えてくる。

ヒューストンで中国領事館閉鎖? スパイ活動だと? そんなことはどこの大使館でもやっている。近視眼的な見方だと、アメリカがキナ臭くなってきた。ここヤンゴンから世相を眺めると、隣国・中国の成都で報復措置が講じられた。あの一億総評論家の国では、自分では何一つ行動を起こさず、明日にでも米中戦争が勃発しそうな騒ぎだ。正直そんな話は聞き飽きた。

英語だとEnough is enoughといいたい。
ここヤンゴンでは、スーチーのFacebookのアドバイスが冷静だ。コロナ騒ぎが二ヶ月・三ヶ月で決着するとは思っていない。スーチーは腹をくくり、もっと遠くを見詰めている。
アドバイスに従いイマジネーションを膨らました。近視眼的思考から飛び出す魔法の絨毯だ。

進歩・発展がカオスを生み出し、パンデミックに怯える人たちが右往左往し、民主主義の限界を露呈した、歴史の浅いアメリカ合衆国について考えを巡らした。
だが“下手の考え休むに似たり”である。そんな時迷わずにYouTubeを選ぶ。
だがYouTubeをダラダラ見ては人生の無駄。キーワードを駆使し良質の番組を掬い取るのがコツである。



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・02:日米コマーシャル決戦

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日本がトリスなら、アメリカの象徴はコカコーラに絞った。そこから
「Andrew Sistersの名曲“ラム・アンド・コカコーラ”」を思い出した。三人姉妹の歌声はクラッシックですらある。

日本がもんぺ姿で竹やり訓練、そして防空壕を掘っていた時代、アメリカさんはカリブ海に浮かぶトリニダード島に飛び、ヤシの木陰で、ラム酒をコカコーラで割り、人生を楽しんでいた。
島の娘たちは陽気でカリプソを歌い、踊りまくる。本当だヨ! 新年を祝うカウントダウンが毎晩繰り広げられる。ビンゴゲームで大金を当てた騒ぎなんだから。

ウソじゃないヨ! 本当なんだから。ヤンキーの兵隊さんが来たら、島の娘は大騒ぎ。夢心地にさせてくれるヨ! 島の母親も娘もヤンキーの持ち込む米ドルに夢中だ。だから地元のラム酒をコカコーラで割って飲んでごらん。
気分はこの世の楽園パラダイスさ!

これは第二次世界大戦中に歌われたコマーシャルの歌詞である。繰り返すが、もんぺと防空壕の時代に、日本が竹やりの相手としたアメリカの兵隊さんはヤシの木陰でラム酒にコカコーラを楽しんでいた。信じられますか読者のみなさん! それを教えてくれるのが最先端の近代兵器YouTubeである。ヤンゴンの生徒ですら楽しむYouTubeである。

この歌は日本では、戦後になってやっと音声の悪いラジオで聞くことが出来た。弊研究所の分析では、開高健、山口瞳、柳原良平という伝説のトリオは、どこかで♪Drink Rum and Coca-Cola♪を聞いたはずだ。そして“トリスを飲んでハワイに行こう”のキャンペーンを思いついた。コマーシャルとしては残念ながらコカコーラのパクリである。

アメリカには戦時ニュースの合間に、アンドリュー・シスターズの甘い歌声♪ラム酒をコカコーラで割って飲んでごらん!♪の動画が映像として見ることが出来たはずだ。それを21世紀の今頃になってYouTubeで追体験できる。
アナタに“時空を越えた旅”を楽しむ余裕があればの話しだが。目の前のことにクヨクヨするのは止めようではないか読者のみなさん!

この甘い歌声をアンドリュー・シスターズでも鑑賞できるし、手軽に再現したければ、「Rum and Coca-Cola Pete Jacobs Wartime Radio Revue」でYouTubeをググって欲しい。懐かしい戦時中のラジオ・レビューと銘打っている。バンマスのPete Jacobsが考案した21世紀の今に再現してくれるライブのパフォーマンスである。

ボーカルは三人娘、クリスティ・ジェイミー・ヒーザーが女性兵士の服装で、ちょっぴりお色気を振りまきながら、懐かしい曲をつぎつぎに披露してくれる。

戦時中のアメリカ軍兵士慰問団の雰囲気だ。お色気といっても、スカートの裾がわずかに膝上という程度だ。当時のアメリカ娘には、その程度のつつしみがあった。ところ構わず脱ぎたがる現代のアメリカ娘とは雲泥の差だ。
YouTubeは見方次第で、時代の変遷を気付かせてくれる。



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・03:視点を変えると、自分がアホに見えてくる

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ヤンゴンには高層ビルが続々と建ち始めた。例えばヤンゴンの目抜き通り、サクラタワーの前で学生たちと待ち合わせする。地上階では交通渋滞の車両が信号に従い、停車・進行を繰り返す。その状況を記憶に納めるよう生徒に言い含める。そしてエレベーターで最上階のレストランに連れて行く。

天井から床までガラス張りのレストランに気後れする。彼らにとっては初めての経験だ。席に落ち着かせた上で、数分前の記憶を呼び起こさせる。地上階にいたときは、タクシーも歩行者も自分の背丈と同じ目線だ。

だが今は違う。レストランがガラガラなのを好いことに、三方の景色を案内する。ヤンゴン環状線の中央鉄道駅が真下に見え、その向こうにアウンサン・スタジアムを俯瞰する。さらにその北側にメソジスト教会の堂々とした建物が見え、ヤンゴン子の誇りでもあるシュエダゴンパゴダが黄金色に輝いている。

反対側の窓際からはヤンゴン川を眺望し、その向こうはダラー、遥か彼方はイラワジの大扇状地が延々と続く。この瞬間、井の中の蛙だった生徒たちが、生まれて初めて異次元の世界を覗いたことになる。コロナの経験はそれを考えろと、人類は警告を発しているようだ。

D・トランプも習近平も、そして日本の政治家も一億総批評家も、近視眼的にしか世の中を見ていない。ヤンゴンの学生と同じだ。だがサクラタワーの最上階に上れば、違う世界が見えてくる。地上階にいたときには、想像もできなかった世界が。



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・04:やってみなはれ

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台湾攻防の戦争がはじまる? スプラトリー諸島(南沙諸島)で一戦交える?
 あるいは尖閣諸島を最後の砦とするか? “愚かな核”を使用しないというローカルルールを確認したうえで、好戦的な政治家どもに、鳥井信治郎ではないが「やってみなはれ!」とけしかけてみたい。

もちろんこれは言葉の綾だ。
人類は武器(Arms)を手にとって領土を拡張してきた。それがヒトラーの偏執狂となり、無教養な習近平というフランケンシュタインを産み出そうとしている。トランプだって同じ穴のムジナだ。情けないことにそれをそそのかす同盟国もある。

トルストイは「戦争と平和」を記述し、ヘミングウェーは「A Farewell toArms=武器よさらば」を訴えた。そしてピカソはゲルニカを壁一杯に描いた。
だが我々の両親、そして祖父母は口をつぐみ、戦争の悲惨さを伝えてこなかった。だからその子孫は口先だけで、好評価ボタンの選択を迷うほどの躊躇もせずにクリックボタンにポインターを合わす。

日本にも与謝野晶子の長詩「君死にたまふことなかれ」があり、五味川純平の「人間の条件」、いやいや挙げればキリがない。だが無教養な政治家たちは、人間として唾棄すべき戦争の悲惨さには一顧だにせず、War Monger(戦争挑発者)に走ろうとしている。空っぽの脳みそには人類の歴史が見えない。


スーチーにお願いしたいことがある。9月になると今年も国連の年次総会がNYで開催される。各国首脳が集まる国連総会(United Nations GeneralAssembly)で一席ぶち、D・トランプ、習近平、アントニオ・グテーレスの三人に首輪をつけてサクラタワーの最上階に引っ張ってきて欲しい。

そしたら私の生徒たちが、シンプルな英語で『北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ』と宮沢賢治の一節を聞かせてくれるだろう。そこまでは生徒たちに教育できる。二十一世紀になっても戦争の愚かさを気付かない人類は、狂っているのでは?

ツンドラの雪原風景が目に浮かぶ。凍りつく崖上からヘラジカの群れが次々に崖下へ落下していく。リーダーが狂っているとも知らず、ムースの群れは盲目的にリーダーに追従する。狂っているのはリーダーだけではない。衆愚の群れも生理学的狂いが生じたのだろう。

アインシュタインもホーキング博士も信じなかった神が鉄槌を下した。それが世界中を狂わし始めたいまのコロナウィルスでなかろうか、というのが東西南北研究所の研究課題である。
またまた悪い癖で、考えは分裂症気味となってしまった。



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・05:閑話休題

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話を甘酸っぱいアンドリュー・シスターズに戻そう。

歌の文句は無責任な意訳だが、本当に沢山のコトを教えてくれる。その第一は米ドルの強さである。アンドリュー・シスターズもこの娘たちも♪ヤンキー・ダラー♪と色っぽく歌っている。教養の無いトランプ大統領とは言え、そのDNAは当時の米ドルの強さを聞かされて育った世代だ。トリニダードの女たちが、母親も娘たちも、身を任せんばかりにこの♪米ドル♪のために一所懸命働いた。

トリニダード島とは地図を見れば分かるが、カリブ海の南東端、ベネズエラの北東沖に浮かぶマングローブも茂る南海の島である。もちろんこの島の砂糖キビ・プランテーションは一大産業で、労働者として黒人たちが奴隷貿易でアフリカから大勢連れてこられた。この島のみならずカリブ海諸島の住民は農園主家族を除き、その大半が黒い肌の子孫たちである。

アメリカで大騒ぎされているBLM、すなわちBlack Lives Matter運動の原点がここにも宿っている。白人のアメリカ兵がラム酒にコカコーラで浮かれたあの懐かしい時代は、肌の黒い人たちは米ドルが欲しくて何でもサービスした。
トランプのDNAはそれを知っているだろうか?

日本では戦後になって開高健、山口瞳、柳原良平の伝説トリオがコマーシャル文化を開花させていった。だがコカ・コーラという怪しげな飲み物は19世紀末にジョージア州アトランタの薬剤師ペンバートンが偶然作り出した炭酸入りドリンク液である。その商標登録は1886年になされた。

そして歌の文句通り、第二次世界大戦で世界各地に派兵された兵士とともにこのコカコーラは怪物へと急成長していく。コカの葉っぱのエキスで作られたという製法はいまだもって秘密のままだ。そしてフランチャイズ方式というアメリカン商法が世界のマーケットを席巻していった。

このWartime Radio Reviewがリズムを刻むと、当時を懐かしむお年寄りたちが、爺さんは腰を伸ばし、背が丸まったボビーソックスのお婆ちゃんはスカートを翻して、楽しそうにジルバを踊りだす。シワだらけの彼らだが、この老人たちは全員、昔の若者である。時代は変わろうが、想い出が年寄りを若者に変身させる。逆に言うと、いまの若者もすぐに皺くちゃのジイサン・バアサンだ。


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・06:♪Hit the Road, Jack!♪

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時空を越える旅に遊ぶ人は幸せである。人生の達人でもある。
師匠の言葉から、レイ・チャールズの名曲♪Hit the Road, Jack!♪を思い出した。♪旅立てジャック♪と和訳されている。ナニがあったか事情は知らないが、この道路を蹴って旅に出る。誰も知らない、遠くの町へと去っていく。
こんな夢の無い町へなんか、二度と帰って来るな!

英語の歌詞でも日本語の歌詞でも同じだ。相手を尊敬する心があれば。
白人も黒人も、つまるところは同じだ。相手をリスペクトするハートがあれば。
ただ歴史にはタイムラグがある。

コマーシャルソングも同じだが、そこにはタイムラグがある。
日本ではもんぺに竹やり、アメちゃんはカリブ海で黒い肌の娘とヨロシクやっていた。
信じられないが同じ時間軸である。

白人はアフリカから奴隷船に詰め込み新大陸に人権無視の狼藉だ。
これはこのメルマガがシツコイほどに連載した『表題<海賊版DVD“AMAZINGGRACE”の秘密>』をご参照願いたい。



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・07:海賊版DVD“AMAZING GRACE”の秘密

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オバマが支配し、トランプが引き継いだアメリカは未だにネガティブな“黒人奴隷の遺産”を引きずっている。だが老練で老獪なイギリスはピット(小)首相の英断と頓知で、奴隷貿易を廃止した。そしていま、ロンドンの街にはインドレストランがひしめき、アフリカのエスニックレストランが至る所にある。

イギリスは非情にトリッキーで表面的にはスマートですらある。だが新大陸のアメリカは軽率で未だに“Black Lives Matter”を解決できない。同じ英語を喋る両国だが、その文化はまったく異なる。トランプが膝まづき懇願するならば、私の生徒がアメリカン・イングリッシュのお粗末さを諭してくれるだろう。トランプに民主主義を標榜する資格があるのだろうか?

老獪学の頂点に君臨する93歳の英国女王は異例のテレビ演説を行い、バッキンガム宮殿からエジンバラ離宮に引っ込んでしまった。土建屋上がりの成金アメリカ元首とはレベルがまったく異なる。それに対立するジョー・バイデンは77歳の若さで老化現象が見え隠れする。

希望を与える後継者が居ないのは、アメリカも中国も同じだ。
だが老獪な君主国イギリスは違う。ボリス・ジョンソンは自らがコロナに感染し、いま自身の肥満症に取り組み始めた。ストイックな英国魂である。

コロナが落ち着く頃には、何年先か不明だが、世界の政治地図はまったく変わると予測する。ミャンマーも変わる。11月8日の総選挙に出馬を表明していなかったスーチーが閉め切り直前に前回と同じ選挙区のコームーから下院議員に立候補した。

ミャンマー劇場がオモシロくなってきた。
老獪なスーチーは国内野党に啖呵を切り、旧国軍を手懐けた。海外から喧嘩を売られればハーグに出かけ堂々と演説する。かといってトランプほどの不見識は持ち合わせていない。老獪学を履修したからだ。



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