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<ミャンマーで今、何が?> Vol.362
2020.05.20
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━
■コロナウィルスを飛躍のチャンスに
・01: ヤンゴンの最新情報
・02: ヤンゴンの現場でAIを受講
・03: アンパンマンではない。“アムパーン!!”
・04: 死の商人がノーベル賞を!黄色新聞がピュリッツァー賞を!
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:ヤンゴンの最新情報
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ヤンゴンはネコの目のように変化が激しい。最新情報を集めようと、生徒た
ちから電話をもらうと外で待ち合わせ、様子を探ることにしている。
一週間ほど前はマハバンドゥーラ大橋のスーパーOCEANで待ち合わせ。額を検
温、手を消毒、そしてフェースマスク着用が入店条件。生徒はすでに先着し
ていた。もう一人はマスクを忘れたとの連絡に、入口で待機しマスクを手渡
した。セキュリティも含め店員はすべて透明の顔面シールドと、薄いプラス
チック手袋を着用している。買い物を済ませ、三人でジュースかコーヒーで
も飲もうかと行ったら、テイクアウトのみで休憩用椅子も取り払われていた。
次ぎはロックダウンが解けたというので、ほんの数日前、アッパー・パズン
ダウンにあるProホームセンターに行ってみた。入口でのセキュリティは
OCEAN同様に厳重だった。店内が広いせいもあるがソーシャル・ディスタンス
が護られたゆったりしていた。
コロナウィルス専用の透明顔面シールド、マスク類、スプレー消毒液なども
充分に陳列されていた。店内が広いのと品揃えが豊富なので、新人店員に出
くわすと、先輩店員への問い合わせが錯綜し要領が悪い、慣れた店員だとハ
ンディトーキーで確認し捌いてくれる。
今後の参考にと、日光のいろは坂よろしく各棚をひとつ残らず順繰りに見て
廻った。各所に設けられたクーラーボックスには無料の飲料水ペットボトル
が置いてあるが、無料大好き人間はどこにもいる。横にはペットボトルが山
ほど詰まれ、作業員が冷える暇もなくクーラーボックスに詰め込んでいる。
その生暖かいペットボトルを抱えて家具売り場の応接セットで休憩した。張
り紙もなく文句も言われなかった。
そうこうして二時間近く店内にいたかもしれない。生徒たちの真の目的は出
口横のドーナッツ屋だ。50年前ならいざ知らず、スウィート・トラップを仕
掛けないと白髪の老人には付き合ってくれない。
このファミレス調ドーナッツ屋も完全武装した店員に、客もフェースマスク。
注文するにもSF映画をみているようでぎごちない。テーブルはすべて二人用
対面席で真ん中を透明のパーティションで仕切ってある。三人目の私はソー
シャル・ディスタンスの別テーブルに座り、会話が遠くなる。私の耳が遠い
のではない。
ロックダウンは解除されたが、外出するならペアの二人が好都合だ。
道路も混雑していない。タクシーは簡単につかまる。生徒の一人が交渉し、
いつもより500チャット高く値決めした。需要と供給で、むしろ500チャット
安くすべきではないかと生徒を諭した。
時節柄運チャンの稼ぎは少ない。500チャット高いのは分かっていたが、それ
を呑んだと生徒が応える。因みに彼女のアンクルもタクシーの運チャンだ。
コロナウィルスでめっきる収入が減ったという。グーの音も出ない。エコノ
ミックアニマルに成り下がった日本人は見苦しい。
「負うた児に教えられ」「老いては子に従い」のいろはカルタが思い出され
る。500チャットを邦貨換算すると100円にも満たない。
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・01:ヤンゴンの現場でAIを受講
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生徒の協力を得てガラパゴスからの脱出を目論んでいる。中国製スマホの写
真は日付と場所が整理されてアルバムとなる。昔は何でもかんでもメモをとっ
ていた。今は写真がその役目をしてくれる。だがタイミングが悪く、前から
取る写真が後姿しか映っていない。ボケている。私のことではない。写真が
だ。だからボケ写真のディリートは上達した。
生徒とは音声だけでなく、メッセージの遣り取りも協力してもらっている。
太い指で相変わらずタイプミスは多い。彼女たちの早撃ちは神業だ。私が一
行目に手こずっていると、二三行バッバッバッと返ってくる。ターミネーター・
ゲームなら何回も撃ち殺されている。白髪のターミネーターがメゲズに起き
上がる。
お互いに外出せずに、生徒とは電話連絡でいろんな用事を手伝ってくれるよ
うになった。
10分もかからない徒歩距離に新規開店の歯医者さんを見つけた。格子戸シャ
ッターは閉まっていたが、隙間から印刷された案内書きが見えた。モダンな
様子だが、痛くて時間が掛かり高い医療費かもしれない。この歯医者さんの
名前は時が来るまで丸秘だ。
前につくった単体の入れ歯が不具合となり困っていた。前歯なのでロックダ
ウンのマスクは好都合だった。そのうちマスク解除に備えて前歯を新調しな
ければ、と気まぐれ心が働いた。
隙間の案内書きをスマホで激写。Viberで写真送付。その電話番号に生徒が電
話。
頼んだとおり、前歯の説明、入れ歯の型取り、日数、大まかな予算。受付に
電話して的確な返事を貰い、診察の予約まで入れてくれた。この生徒を秘書
に見立てれば、日本で流行の在宅勤務をヤンゴンでこなしていることになる。
健康保険が無くとも日本よりはるかに安い。
ケチな日本人は治療費にばかりビクビクしていたが、40歳前後のドクターと
会話するうちにショックを受けた。実に若々しいので30歳代かもしれない。
麻酔注射でショックを受けたのではない。そこはArtificial Intelligenceの
世界だったからである。人工知能AIで職が奪われるとかは、YouTube講座で幾
度も勉強させてもらった。
口を開けさせ太目のマジックペンのようなものを咥えさせられた。意気地の
無い患者は歯をドリルされるかと、びくついて身構えた。まったく違う。
IPadのタッチペンのようなもので先端にはカメラが装着されているという。
「緊張しないで、軽く歯を開けてください。唾を飲み込んで構いません。前
の壁に掛けたスクリーンを寝たままで見てください。これがアナタの歯列で
す。内側から見るとこう。今度は軽く歯を閉じて。外から見た歯の並びはこ
うです。」と3D歯型がどぎつい色で、大きなスクリーンに、歯の内外、そし
て上下からと方向を変えて映し出される。
これまでヤンゴンで出遭った医療器具は、長いこと日本で使い古した御下が
りが、最新モデルの導入と共に、不要となり、その第二・第三の活用の場と
してミャンマーが使われてきた。その典型的なのは自動車産業で、私はヤン
ゴンで、この国は日本のスクラップ製品のゴミ捨て場ですよ、と皮肉タップ
リの本音を聞かされたことがある。
この歯科医院での経験は私にとって強烈なショックだった。
医療器具分野における日本のオプティカル製品はずば抜けて進歩している。
因みにこの製品はメイド・イン・ドイツだった。ドイツとは森林太郎陸軍軍
医総監殿がかって学んだ国だ。中古の日本製ではない。それにもビックリし
てこのドクターとの会話は弾んだ。だが歯医者ほど不便なところは無い。私
は診療椅子に横になり、口の自由を奪われたモルモットだったからだ。
数多くの海外の医療現場を見て歩き、日本人の医師仲間もいるが欧米人の知
己はもっと多いという。この医師に興味を抱いた。特に彼のファミリーが謎々
だ。この医院は数ヶ月前にオープンしたばかりという。もちろんずっと前に
準備しただろうが、医療器具の選定、購入交渉、特殊医療器具の輸入許可取
得、そしてヤンゴンのダウンタウンという一等地。このドクターのこれまで
の実力に興味を覚えた。
かなり特別のルートが無ければ、特別のバックが無ければ、特別の協力が無
ければ、この今の時期に開業に漕ぎつけることは絶対に不可能なことばかり
だ。それには謎解きが必要だ。下手なアプローチでは疑われる。次回のアポ
までじっくりと戦略を練ろう。
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・03:アンパンマンではない。“アムパーン!!”
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前回のメルマガVol.361は5月18日(月)だった。
そこで2020年5月18日(月)午前10時、ヤンゴンの下街にシトシト雨が降り始
めた。雷は聞こえてこない。あれから天候がおかしい。
その日の夜は降り止むこともあったが、深夜も翌朝もシトシト雨が続いた。
神経が参ったのは停電が頻発したことだ。真っ暗な中で15分の停電、やっと
電気が回復しパソコンを起動すると30分でまた停電。停電になるとやること
もなく電源を落とし蚊帳を吊ったベッドに潜る。空気が澱んでいると暑苦し
いので扇風機には電気が入っている。
一晩中、起きたり寝たりで、草臥れてしまった。
翌朝気象状況に関する情報を拾ってみた。
インドOdisha州Paradip1,100km南のベンガル湾南東部で発生した低気圧は北
に移動中で、数時間後には強力なサイクロンに発達し、インド気象台によっ
て“Amphan”(発音はアムパーンで、インドを主とした家族名らしい。)と
命名された。
ミャンマー気象台もこれを受け、5月14日午後4:30分次の警告を出した。こ
の低気圧は最初は北西に進むが、その後はベンガル湾の北北西に進路を取る。
もし5月17日以降ベンガル湾の北北西に針路をとるなら、バングラデッシュの
中央およびラカイン州沿岸の北部を襲うとしている。
すでにこの“アムパーン”はスーパーサイクロンと呼ばれているので、食糧・
水・重要書類・トーチ・ろうそく・充電済みの携帯の準備と、家族が離れ離
れになった場合の集合場所の確認など、詳細な注意事項を呼びかけている。
気象台はインドの警報もチェックすると同時に、気象衛星からの情報もモニ
ターし、この点では2007年に大災害を受けたサイクロン“ナーギス”とは隔
世の感がある。
このヤンゴン周辺の間断なきシトシト雨も、スーパーサイクロン“アムパー
ン”の影響であることが判明した。そしてヤンゴンがその影響を逃れるのは
あと数日かかるようだ。
ミャンマーでは“ナーギス”の死者13万人までは統計数字を確認していたが、
その後軍事政権は幾何級数的な死者の数に連日の統計数字を止めてしまった。
欧米のマスコミ、そして日本の新聞報道も死者数を隠蔽したとミャンマーの
軍事政権を批難したが、当時の軍事政権には選挙票カウントも含めて、統計
数字の重要さも、数字の集計・分析というインフラ能力も整っていなかった。
もちろん初期の隠蔽工作で世界にパンデミックを蔓延させた武漢ウィルスと
はまったく違う次元の話である。
当メルマガではあくまでも『ミャンマーで今、何が?』で『ヤンゴンで今、
何が?』に注力したい。
スーチーはその怖ろしさを知るゆえに、「透明性」と「法の遵守」を最優先
事項と宣言した。ミャンマー国防軍もそれに従おうと努力している。もちろ
ん最前線ではその通達が護られていないところも散見されるが、一気呵成に
はとはなかなか進展しない。
今、ヤンゴン時間で5月20日(水)午前11時だ。また少し雨足が強くなり始め
た。だがお伝えした通り、ミャンマーの気象情報も着実に進化している。今
はインド洋ではインド気象台と連携し、太平洋から紛れ込んだ台風もベンガ
ル湾に入るとサイクロンの命名がされることになっている。
日本でも天気予報とは当たらないのが常識であった。太っ腹でミャンマーを
見て欲しい。中国や韓国のように重箱の隅をつつくのは止めてほしい。
日本は確かに先進国で最先端を進んでいる。しかし、台風の命名に番号制を
取り入れたのは本当に利口だったのだろうか? 私にとっては“XX年の第YY
台風”と呼ばれるほうが記憶にも残りやすい。米軍に習って“2020年の台風
「太郎」とか「花子」”などいかがなものであろう。
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・04:死の商人がノーベル賞を!黄色新聞がピュリッツァー賞を!
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診療台で寝転びながらコウ考えた。このドクターの投資金額は高額である。
ミャンマー人の常として投下資本は短期間で回収したい。しかもタイミング
が悪くコロナウィルス次第で医療経営も不安定だ。
口を開けたままの患者から、あるいは患者へ罹患する危険が常にあり、一度
クラスターを出したら医療経営は致命的である。そこで相談だ。
東西南北研究所は日本人以外にも有能なネットワークが広がっている。屋根
裏部屋を訪ねてくれたゲストブックも多彩である。
イギリスなどのように母国政府からの帰還命令でヤンゴン在の外国人は激減
してしまった。逆に言えば、アイデアを練る時間が稼げる。
ラフな構想はこうである。
ヤンゴン長期滞在の高齢者もかなりいる。彼らは目、歯・・と使い物になら
ない。ミャンマーを信用できずシンガポールやバンコクの医療機関に世話に
なる外国人は若者を含めて増えている。そこでこのドクターと協力して、もっ
とビジュアルな宣伝フライヤーを用意する。(英・日・中国・韓国語)
外国人が信頼する歯医者となれば、投下資本回収にも拍車がかかる。治療費
などの価格設定も重要だ。
私の生徒がこの行程で参入するには未だ未熟だ。だが下請けとして何らかの
手伝いは出来る。
重要な課題は英・日・中・韓の通訳だ。優秀な通訳は何人か知っている。問
題は通訳者とこの歯医者とをWiFiでつなぎ、ドクターと患者を通訳者が仲介
する。すべては壁に掛った大きなスクリーンで遣り取りする。
YouTuberが盛んに利用しているZOOMを盗用しても良いだろう。当地の新聞に
よれば、スーチーはこのZOOMで遠隔地のラカイン、カチン、シャン州とテレ
ビ会議を連日こなしている。
頭をもう一捻りせねばならない。
この通訳者の訓練・教育・管理は私の仕事だ。私個人は100%ボランティアで
取り分はゼロだ。だが通訳費用に生徒の協力費用は上乗せする。そのうえで
治療・診療費を設定せねばならない。
私はミャンマーでNo.1といわれる製薬会社の全製品の英文和訳を請け負った
ことがある。だから門外漢の歯科医師分野でも、一般生徒をプロの通訳に鍛
え上げる自信はある。
今ヤンゴンにはバンコク、KL、シンガポールから、総合病院などの進出が激
化している。薬品部門で言えば、インド・中東・バングラデッシュ、そして
中国からである。このドクターのミャンマーにおける権力者たちとの関係は
まったく見えないが、ドクターから信頼を勝ち取る努力をする価値はある。
このコロナ騒ぎが長引くのは、私にとっては追い風である。たっぷり利用さ
せてもらいたい。
私にとっての収入はゼロだが、ミャンマーの若者育成基金の原資とはならな
いだろうか?
YouTuberたちの商法を徹底的に勉強させてもらった。今も勉強中だ。そこで
想ったのだが、欧米人たちは儲けた金の使い方が見事だ。いや本当は狡猾で
老獪と言っていいかもしれない。その本拠地・大英帝国には、そして今のイ
ギリスにも老獪なスーパーリッチが大勢いる。彼らの所有するプライベート・
ジェットやプライベート・ヨットはYouTubeでたっぷりと鑑賞させてもらった。
一方日本の金持ちは小銭稼ぎにあくせくしている。彼らはカネの稼ぎ方は真
剣に取り組むが、カネの使い方が非常に貧弱だ。かっては薩摩治郎八などと
いうカネの使いっぷりの良い日本人もいた。私はこのヤンゴンで、巨額な金
が舞い込んできたときに備えて、見事な金の使い方を密かに研究している。
ひょっとして日本より早く、STAY-AT-HOMEの在宅勤務が生徒たちを活用して、
このヤンゴンで実現できるかもしれない。その場合の投資資金はラップトッ
プとWiFiの手配ぐらいだ。
停電の頻発する暗闇で、一炊の夢を楽しんでいる。
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