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<ミャンマーで今、何が?> Vol.343
2019.12.18
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■政治家スーチーの深謀遠慮

 ・01: ヤンゴン発、ひとつの話題

 ・02: 英字日刊紙GNLM紙面でひとつの話題を読む

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:ヤンゴン発、ひとつの話題

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今ミャンマーは国難の渦中にある。
日本で言えば、鎌倉時代、元(蒙古)が日本を侵略しようとして、1274年10月および1281年7月に、博多に来襲してきたあの事件に匹敵する大国難である。

地球の裏側に位置するガンビアという貧乏小国から思いもかけず突如、世界のひのき舞台である国際司法裁判所に引っ張り出されて、ミャンマーをそしてスーチーを国際的批難の集中攻撃に曝そうという国際的陰謀が起こった。

アメリカや日本では、国益という言葉を乱発して、「国益」をチープな言葉に成り下げて仕舞った。だがスーチーは違う。彼女は「国益」を本来の威厳のある言葉に戻してくれた。彼女は身を挺して自国の現状を堂々と主張し、自国を世界の袋叩きから守り、そして同時にその権威を気高く守ろうと闘っている。

この事件は一国の未来を大きく左右する事件である。
痩せても枯れても「ミャンマーで今、何が?」と看板を掲げる以上は、この事件を、レポートせぬわけにはいかない。僅か一週間のできごとであったが、その内容は濃く、軽々に取り扱うことができぬほど、複雑怪奇である。屋根裏部屋の床一面に広げた新聞資料を何度も読み返すが、難攻不落である。

頭をクールにするために、今回は別の話題ひとつに絞り、時間稼ぎという姑息な手段で誤魔化したい。



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・02:英字日刊紙GNLM紙面でひとつの話題を読む

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スーチーの特別機がネイピードに到着したのは12月13日午後5時30分となっている。これはオカシイ。他の関連記事によれば、経由地のバンコク出発が14日なので、ネイピード到着は12月14日の夕方となるはずだ。このような誤報は時折見かけるので、新聞情報は疑うところからすべてはスタートする。

留守中に溜まった仕事は山積みだ。
だが一日あけた12月16日午前10時には、スーチーのネイピードにおける公邸に、日本国の三笠宮瑤子女王殿下をお迎えし、親しく両国の歴史的背景について話され、今後の両国の親善向上について話し合われた。

そして女王殿下は同じく16日の午後10時にヤンゴン国際空港から帰国の途につかれた。
ミャンマー経験豊富な方ならお気づきのとおり、ネイピードからヤンゴンまでの時間にも配慮せねばならない。

オランダのハーグからバンコクへの旅程でも、スーチーにはミャンマー大使館員の家族、海外に住む同胞、支援者など、多くの面会希望者が目白押しである。

だが、スーチーは国賓として自分が直接お招きした日本の皇族への礼は決して失っていなかった。帰国されるその日に是非とも間に合うようにすべての配慮をしたに違いない。
それがGNLM記事の行間に溢れ出ている。

例えば、12月12日付けで、国家相談役のスーチーがお招きした「日本のプリンセス」一行がヤンゴン国際空港に昨11日に到着し、儀典長などの高官を差し向けている。そして同日、プリンセスご一行様はシュエダゴンパゴダに参拝されたと報じられた。

これらから計算すると、プリンセスのミャンマー滞在は6日間である。
その6日間の最後の一日というピンポイントでの面談話し合いには、政治家としてスーチーの卓抜した識見が読み取れる。

瑤子女王は皇族でも36歳という若い世代に属する。
剣道五段ということにも驚かされるが、日本赤十字社にも嘱託ながら常勤で勤務されている。
スーチーの母親ド・キンチーがビルマ赤十字社の総裁を務めていたことも関連付けて思い出される。

政治家スーチーは日緬の将来の国際親善を遠望したときに、粗製乱造で作り出される政治家よりも、皇族の若いプリンセスに夢を繋いだのかもしてない。
国内での人選を裏の裏から覗くと、スーチーの握っている秘密情報は、国軍情報部などより、いや老獪な英国のMI6に劣らない独特のものがある。

スーチーに経済技術協力だけで近づく、海外政府およびビジネスマンは、そのキャパシティでしか見られていないような気がする。彼女に関係する書籍の裏面まで見通す、心眼が無いとスーチーの力量は見通すことが出来ない。

最近イギリスの老獪学を学習中だが、スーチーの老獪学はかなりのものだと思い知らされている。それは国際司法裁判所でのひと言、ひと言、そして瑤子女王に対する留守中の気配りでも分かる。日本のマニュアルに沿った「お・も・て・な・し」など、顔を洗って出直してこい、と叫びたいくらいだ。

プリンセス瑤子ご一行はヤンゴンにある日本戦没者墓地を訪れ。その後でバガンに飛び、古代文化地区やバガンの夕日を見学されてもいる。
他国であれば、役人の手配が見えてくるが、ミャンマーではスーチーの顔が浮かんでくる。


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