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<ミャンマーで今、何が?> Vol.329
2019.10.01
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■代わる変わる時代は替わる

 ・01: 路上喫茶から世界を眺める

 ・02: これから5Gだと?!時代遅れでは?

 ・03: 不思議な因縁話

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:路上喫茶から世界を眺める

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いつもの通り朝2時に起床。

顔を洗って早朝講座を受講する。YouTubeはワンダーランドである。右翼左翼っぽい意見から、機会があれば極右極左まで手当たり次第。ノンポリ人生には主義主張も、立派な定見などない。だが自然とバランスがとれ、中道を歩いているような気がする。結果として釈迦の影が付き添ってくれる。

夢中だと時間を忘れる。ドアがノックされ朝粥が運ばれる。外はすでに明るい。
時計を見ると朝6時。ミャンマー独特の香菜を刻みコーヒーの香りと共に朝食を済ます。

私の事務所は変哲もない建物だ。東西をガラス張りのビルに挟まれている。すると不思議な現象が起こる。朝日が昇ると真西のガラス張りに反射し、夕日は真東のビルに反射する。この屋根裏部屋では、太陽は西から昇り、東に沈む。世間の一般常識などクソ喰らえだ。
コペルニクス的宇宙論が産まれてもオカシクナイ天才型環境である。
だが所詮は凡人。食う寝るところに住むところでしかない。

今朝は不思議と眠気が襲ってこない。
朝の散歩コースを漠然とマッピングする。頭から足先まで泡だらけにする。溜まった水道水を頭からかぶりシャキッとなり、屋根裏から下界に降りる。
角の新聞スタンドから月決め日刊紙を受け取り朝市に向かう。

ボー・アウンチョウ通りとマーチャント通りが交差する角の路上喫茶に腰を降ろし、日刊英字紙に目を通す。
2ヶ月前日本からの友人と朝の歴史散歩で甘ったるいミルクティを啜った例の場所である。

ボー・アウンチョウの真向かいには、明治維新の6年前1862年に創建されたアルメニア正教会が建っている。東方正教会の流れを組み、1901年にストランドホテルを建立した伝説のサーキーズ兄弟も日曜日のミサには参加したはずだ。この角地の路上喫茶はヤンゴンの歴史散歩では私のお気に入りである。
だがミャンマー事業でゼニ金を追い求めるビジネスマンには無縁の場所であろう。

キリスト教をカトリックとプロテスタントの二派でひと括りにすると痛い目にあう。欧米人との会話が続かなくなる。英語でEastern Orthodox Churchという異端グループを勘定に入れてキリスト教の三大教派はできあがる。この東方正教会の世話人に話を聞いたことがある。今でもロシア大使館の有志が時折、日曜日のミサに出席し、維持費として金一封を置いていくと説明してくれた。

どうしてロシア大使館?
アルメニア人もユダヤ人と同じくディアスポラを経験し世界を彷徨った。そして東南アジアにイギリス人が築いた超近代的なラングーンにチャンスを求めてやってきた。
長男マーティン、次男ティグラン、三男エイビエット、四男アルシャックのサーキーズ兄弟もアルメニア人である。ペルシャのイスファーファンに生まれた。ワイン好きには垂涎のシラーズワインの生産地が近くにある。

この辺りから私の好奇心が頭をもたげ、古書店街、ブックフェアで虫食いの書籍を渉猟する。ホテルの土産物店、インド大使館やイギリス領事館の図書館も覗く。だから日本で大炎上の日韓問題には疎く、オマエは常識に欠けるとバカにされる。イランと聞くとバカな頭脳は歴史を逆回転してペルシャに思いを馳せ、東西を繋ぐシルクロードの重要な交易ハブであったイスファーファンに好奇心は飛んでいく。

だから一帯一路とかイランの経済制裁など、ぽっと出の習近平とかドナルド・トランプの話題には、まったく興味が沸かない。
出来ることなら国連の大舞台で、あるいは個別会談でも構わない。シンゾー・アベに歴史の醍醐味をたっぷりとレクチャーしてやって欲しいものだ。

路上喫茶で9月29日(日)のGNLM紙を広げると、ヤンゴンから世界が覗ける。
だが今朝注目したのは、「第150回のマハトマ・ガンジーの生誕際がヤンゴンで開催」と題した写真入の国内記事である。ヤンゴン地区首相、大使館関係、ガンジー記念事業の主要関係者の名前が書かれている。必要なときには彼らを訪ねれば情報が入手できる。こうやって私のスクラップブックは厚くなる。

この路上喫茶から対角線上の角地が、実は歴史散歩の目玉ガンジーホールである。今は薄汚く朽ちかけたビルだが、ガンジーはここでも偉大な魂のスピーチを行っている。10年以上前になるだろうか、お捻りを包み、管理人に錆びた鍵を開けてもらい最上階のホールを内密に見せてもらった。広々としたホールは板張りで、ガンジーの胸像のみが置かれ、生花のみは毎日取り替えているようだった。それ以外伽藍堂として何もなかったが、ビルマのそしてインドの歴史が凝縮されてそこを彷徨っているように思えた。

この角地の路上喫茶は、歴史散歩の途中で一服する、私にとっては表参道に劣らぬ意味深なオープンカフェでもある。紅茶茶碗に群がるハエは手で払って飲めばよい。

ガンジーは1902年2月に初めてビルマを訪れ、さらに1915年、1929年と数回足跡を残している。ヤンゴンにはもう一ヶ所ガンジーの名前を冠したガンジー・ホスピタルがある。今はヤンゴン・イースタン・ホスピタルと改名され、その形跡を求め数回訪ねた。
日刊英字紙を読み終え、帰宅の道をたどる。

途中買い物客でごったがえすボーガレイゼイ(*朝市)を覗き、ひょうたん型のGourd(*ビルマ語でブディ=冬瓜)を入手した。皮を薄く剥き大まかに切って鶏肉(*どの部位でもOK)とタップリの水で煮る。煮立ったら軽く醤油を垂らし電源を切る。
新鮮なひょうたんの皮剥きを含め10分もあれば薄味のスープが出来上がる。熱くても良し、冷ましても美味である。


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・01:これから5Gだと?!時代遅れでは?

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日本の友人との中身の濃い歴史散歩はDAY4で中断したままだった。
悪い癖で曲がりくねった横道に話は紛れ込んでしまう。
ビートルズの唄う“Long Winding Road”かもしれない。それが私の人生だった。見識ある読者によれば、定見がないということになる。

長期休暇を取りヤンゴンにまでやって来てもらった友人に申し訳ない。
歴史散歩の残り後半DAY5とDAY6をまとめて仕上げたい。

唐突だが、私のスマホはシャオミ(*Xiaomi=小米)という中国製である。中国語で“小米”とは雑穀(粟)を意味する。創業した2010年の登記手続きでは、担当者から農業関連企業と決め付けられたエピソードがある。10年もたたずに中国では大企業が次々に生まれる。政治問題で世界を見ていると中国の、そして韓国の現実を見逃してしまう。それをYouTube講座が教えてくれる。

日本ではアップル神話を信じてiPhoneの人気がダントツだが、私の中国製はOSはアンドロイドらしい。YouTubeだったかホリエモンの受け売りとなるが、マックのOSよりも、音声認識は現段階でアンドロイドの方が正解率ははるかに高い。だからグーグル検索は頓珍漢な答えは少ないと明言していた。

私が言いたかったのは、そんなことではない。もっと単純な話だ。
中国製スマホで写真を撮りまくる。そしてギャラリー(画廊)というアプリで過去の写真アルバムを一覧する。日付順に撮影場所まで明記して整理してある。

だから2ヶ月前の友人との歴史散歩でも写真アルバムを一覧するだけで、足取りがすべて記録されていることになる。立派な絵日記である。ホリエモンが言う、そんなのスマホ一本で出来るジャン!ということになる。彼が言うにはプログラミングもスマホで出来るという。

私は好き嫌いなしに何でも見る。YouTubeの話である。
とはいえ、残り時間が限られているので、お笑いモノ、ワイドショーなどはスキップする。
今夢中になっているのはYouTubeそのモノである。YouTubeの影響力のポテンシャリティである。スタートは山本太郎と立花孝志であった。

途中を端折って 上杉隆の話に移る。
山本は、立花は、上杉はと、モノゴトの枝葉に興味のある読者は、一人で盛り上がって欲しい。
この三人は政治関係と見られるが、ノンポリの私はまったく別の見方をしている。
その上杉隆の話が実に分かりやすかった。

先月フランスでG7が開催された。フランス史上最年少39歳で大統領に就任したマクロンがホストを務め、世界のマスコミは会議を主催するマクロンの手腕と爆弾発言男のトランプに注目していた。

Brexitで話題の新英国首相ボリス・ジョンソンが、頻繁に円卓を離れ一分ほどすると、また席に戻ってきて、イヤホンを耳に討議を聞いている。それが繰り返された。

ボリス・ジョンソンは会場近くに設けたYouTubeブースから、首脳が会議している内容を逐一世界に流していたという。世界中から集まった取材記者が気付き、ボリス・ジョンソンのYouTubeに釘付けになったという。

上杉隆の解説では、ドミニク・カミングスがジョンソンの“Spin Doctor”であるとしている。
新英和大辞典では(政治家の)報道対策アドバイザー、マスコミ担当のスポークスマン。あるいはニュースなどである立場(党派)に偏った解説をする、となっている。

ボリス・ジョンソンはこのようにYouTubeを活用し、その陰の仕掛け人がスピンドクターのドミニク・カミングスである。その手法を有効に活用しているのが立花孝志で、上杉隆は自分をスピンドクターに見立てているのであろう。

さらに立花孝志は、右でも左でもなく、リッチマングループに属するのでもなく。プアマングループを支持しているのでもない。今は旧制度と新制度の変わり目である。アンシャン・レジームが新しい流れに変わる潮目であると上杉隆は言う。その変化の中でトランプが出てきて、ボリス・ジョンソンが出てきた。その変化の風を読みきれなかったのが山本太郎である。この説明ならばヤンゴンの浦島太郎でも理解できる。

日本でもミャンマーでも、まだ4Gだが、世界はすでに5Gの時代である。
そして先端技術は6Gの世界を実現化しようと競い合っている。
5Gですら凄いと思っていたが、6Gの世界ではスマホは不要。メガネのフレームにAIを埋め込み、瞳の動きですべてコントロールできる。

膨大なデータを貯蔵した情報バンクからノウハウからシステムまで取り出せるので、高等教育も不要。
そういう知識を米国の超一流大学で学ばせてもらった中国人留学生が、15億の市場が待ち構える中国に大量に戻ってくる。米国市場はせいぜい3.5億、日本は1.2億。経済的な自由(YouTube大学から学ぶと、起業などの自由奔放さは日米よりも中国にチャンスある)と成長率の差は歴然としている。

前途遼遠で、まだまだ受講の最中であるが、歴史散歩のDAY5&6はまたまた次回に繰越となってしまった。申し訳ありません。



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・03:不思議な因縁話
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神田神保町の古書街で“YSLINE”(*この英語でラインというのは海運会社という意味である)の貴重な資料を見つけ、ヤンゴンの東西南北研究所に届けて欲しいと郵便が届き、来月ヤンゴン入りにお持ちしますとマングローブ仲間からメールが入った。いつもお心に掛けていただき、この上なくありがたい。

この送り主は二歳先輩だが、至ってお元気である。
ヤンゴンに来られると必ずお会いするが、東京だと新宿の紀伊国屋本店で待ち合わせする。ベレー帽の下はあごひげ頬髯スタイルで、その長身はスマートに颯爽と現れる。

東京農業大学造園学科を卒業し、北欧デンマークの王立芸術大学造園学科を卒業、デンマーク王国公認の建築家・造園家の資格を取得した。

その代表作品は東京都夢の島熱帯植物園、ベトナムのマングローブ生態公園、グアムの日航ホテルやココスアイランドリゾート、インドネシアのボゴール農業大学キャンパスなどなど国内を含め全部はご紹介できないが、その国際的なご活躍には驚嘆するものがある。
特に強く関心を引くものとして、イラクの首都バグダードの中央パレード広場がある。15カ国が参加した国際コンクールで一等賞を獲得した。

建て替える前の紀伊国屋書店や、バッハのトッカータとフーガが流れる新宿東口の名曲喫茶「風月堂」もご存知で、なんとも言えず懐かしい方にお会いでき、話題は尽きない。

ミャンマーの民主化に従い、臆病なこのメルマガも徐々にではあるが正体を曝露し始めた。
一方YouTubeやFacebookの登場で、無邪気なミャンマー人は平気で家族友人などの顔写真などを露出させている。このメルマガも写真やビデオの貼り付けを検討中だが、軍政時代の恐怖政治を知り経験してきた身としては、まだ安心できない。

そこで友人関係の記事も、本人を特定できないように、最大の配慮は払っているつもりだ。
もし気分を害された方がいらしたら、削除なりの処置を取りますので、恐縮ながらご一報ください。

さて執筆者自身のことならば、自業自得だから、筆が滑っても文句は言えない。
私の出身母体である海運会社は、YとSの合弁会社であった。
海運会社とは為替の変動をはじめとして、国際競争の荒波を最初に蒙った日本企業のひとつだったかもしれない。そして日本を代表する大海運会社に併合され、今は跡形もなく消滅してしまった。

その話を覚えておられたのだろう。
世界を舞台に活躍する国際的造園家のこの先輩から、「これは是非ともアナタに差し上げるのが一番相応しい」とハーモニカ大の緑色の箱を頂戴した。

箱の表にはY字のファンネルマーク(*船の煙突に描かれた船会社のロゴマーク)とともに英字でY LINE、右下に漢字で会社名が書かれていた。開けて見ると、赤と黒の大きな色鉛筆が日本。紛れもなく乗客に手渡した乗船記念の品だ。裏蓋には真ん中に大きなファンネルマーク。あとは細かい字の英語で色々と書いてある。

船主であり、オペレーターでもあり、船舶代理店も営むとなっている。
本社は東京、支店は、神戸、大阪、横浜、芝浦、門司、若松、八幡、小樽、ニューヨーク。
定期サービスとして、ニューヨーク航路、フィリピン航路、香港・シンガポール・ボンベイ・カラチ航路、琉球航路、釜山航路と印刷されている。

この会社は客船会社ではない。貨物船のみを運航していた。
だが、高額運賃の航空機に比して多くの日本人は貨物船会社に安い運賃を相談した。こうして貨物船会社は新事業の貨客船を開拓していったようである。

この思いがけないプレゼントから、そして裏蓋に印刷された港名の順序などで当時の海運会社のイメージを推察することが出来る。

もう一つ因縁話をすると、私の出身母体このY LINEこそが、さいとうナンペイ著「アウンサン物語2015」に登場する、鈴木敬司大佐が頼りにした政商山下亀三郎が起こした海運会社である。

同著によれば、陸軍参謀本部と海軍軍令部の合同起案として“南機関”が大本営直属となり、鈴木敬司大佐を機関長として、正式に1941年2月1日に誕生した。その任務は、ビルマ独立を支援し、ビルマ公路の遮断にある。

その本部は山下汽船の創業者、山下亀三郎(かめさぶろう)の大磯別邸に移され、防諜の目的でその名前も“南方企業調査会”とされた。

話はさらに飛躍するが、司馬遼太郎の「坂の上の雲」に登場する、東郷元帥の参謀・秋山真之中将は同郷の親友・山下亀三郎の小田原別邸で息を引き取った。




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