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<ミャンマーで今、何が?> Vol.288
2018.12.21
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■DVDの世界は無限、独占させるな、活用しろ
・01:海賊版DVDの焚書坑儒
・02:人間の作り出した知的な大資源、それがDVD
・03:ハリウッド映画王国の実態
・04:“ボートピープル”から目を逸らすためのロヒンギャ非難
・05:海賊版DVDの夢の世界
・06:海賊版DVDで森羅万象がカバーされる
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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・01:海賊版DVDの焚書坑儒
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顔なじみのDVD屋のオヤジ(と言っても、40歳台後半?)が、入り口のデスクにパソコンを構え、毎日三枚はDVDを鑑賞すると豪語する。張り合うわけではないが、ワタシはその倍はこなす。だが、そこは付き合い。「それは凄い!」と褒めそやす。
実質稼働日を300日とすれば、一年で900枚になる。決して中途半端な数字ではない。継続は力なり。
ワタシにも自慢の種はある。それはたっぷりとある有限の『時間』である。時間だけは世界一のリッチマンと称している。正直、ギネスブックに登録したいくらいだ。浮世の義理を欠き、屋根裏部屋に籠り、昼でも夜でも海賊版DVDを手当たり次第に貪る。停電だけが天敵だ。
若者向け教材発掘が目的だったが、今となっては、自分のためかもしれない。だから、途中でハズレと判断すると、そのDVDは中止。オヤジのように最後まで鑑賞はしない。
ワタシが修羅のごとくDVDに拘るのは、アメリカは台湾、香港、中国本土でも実施したが、当地でも、海賊版DVDの焚書坑儒は時間の問題と予感するからだ。ご承知の通りDVDの一番最初、おどろおどろしいFBIの警告が映し出される。野卑な米国の外交政策はココから始まる。アメリカはナイーブな国家が発展し始めると、アヘン戦争の“阿片”と同じくブルドーザーで踏み潰し、あるいはガソリンをぶっ掛けて、見せしめの殲滅作戦を派手に行う。その前にコレクションをできるだけ充実させたい。
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・02:人間の作り出した知的な大資源、それがDVD
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自慢のコレクションの一枚が「007 007電影全集(一)」である。
驚くべきことに、そのシリーズの10名画が一枚のディスクに入っている。当然ながら、その「007電影全集(二)」も必死に捜し求めた。こちらも10の名作がたった一枚のディスクに収まっている。これでショーン・コネリー主演だけでなく、二代目、三代目のジェームズ・ボンドがすべて揃った。値札が剥がれてしまったので、当時幾らしたのかは不明だ。だが、タイトル印刷で分かる通り、これらも中国製海賊版であることには間違いない。
問題はソコにあるのではない。
このメルマガが追求するのは、DVD一枚の容量である。キャパシティーについてである。昔、ヤンゴンにやってきた、やけにパソコンに詳しい日本の青年が、DVD一枚の容量は無限だと説明してくれたのを思い出した。無限は言葉のアヤとして、いまソレは真実に近いのではと疑問が渦巻いている。
辞書を引けば、DVD=Digital Video Discと出ている。そしてCDの記憶容量を飛躍的に増大させたディスクと説明されている。それで名画10枚が収容されているのに納得がいく。中国の海賊稼業はその技術をとっくに活用していた。
ハリウッドの映画会社は、そのノウハウを知ったうえで、例えば、ユニバーサル、MGM、WB、パラマウント、Wディズニーなど世界に名の通った一流制作会社または配給会社の名前で、それぞれの映画会社の旧作、名作を、音声・色彩面でデジタル処理して復活させ、一名画ごとに「XYZ会社ホーム・ビデオ」として販売セールスしている。
仮にDVDの最大キャパシティが映画10作に相当するとして、これらの商売は、DVD資源の10分の一のみを活用して、10分の九は未使用廃棄していることにはならないだろうか。エコ資源と言いながら、資源のムダ使いである。
ワタシは若者たちに問題定義するだけで、あとは若者たちが自分の頭で考えるテーマのひとつになってくれればよいと思う。だが、日本人の頭は、化学調味料会社だったか、醤油メーカーだったか忘れたが、出口の穴を大きくすることで、売り上げが倍増したことを誉めそやすアメリカ型に変質してしまった。
だが、資源のムダは、日本人が家庭で教える人間生活の基本であった。この地球が破滅に突進し始めた今だからこそ、欧米に示唆するもの大ではなかろうか。ミャンマーの若者も、すでに欧米型に毒され、変質した日本スタイルに感化を受けている。だが、まだ間に合う。
今回の“パーアン旅行”で、ワタシがヤンゴンに住みついた18年前を思い出し、再認識させてもらった。冬場のミャンマー12月は朝4時というと外は真っ暗である。街路灯はほとんどない。だが、各家庭では、あるいは簡易食堂では、朝食の支度が開始する。日本では忘れられたことだが、日本の若者には想像もできないことだが、昨日集めてきた枯れ枝で七輪に火を起こすのである。
人類の遠い記憶を呼び起こすのか、“火”を見ていると何となくほのぼのとした温かい気持ちになってくる。現代のマッチ売りの少女かもしれない。日本人には過去の遺物だが、ミャンマーの若者には毎朝の風景である。だから、まだ間に合う、という気にさせてくれる。だが、結婚式のお祝いは電気釜であり、電子レンジに激変中である。
話は大きく離路したが、地球の資源が枯渇する時代に、その大資源の10分の九を廃棄処分にする欧米思想がDVDの普及を、「知的所有権」という欧米人特有の独りよがりの法律で制限するというのは、むしろ独占禁止法に違反するのではないだろうか。
アメリカの最高裁、およびオランダのハーグにある国際司法裁判所に、周到な準備をしたうえで、ドンキホーテの闘いを挑む無謀な弁護士は、もう期待できないのだろうか。
本日ランチタイムには、“パーアン旅行”でお世話になった若き娘っこたちを自宅に招待し、食事だけでなく、ブレーン・ストーミングのお喋りを楽しんで貰う予定だ。中には法律志望の学生もいる。彼女たちの英語の理解力はイマイチだが、話の理解力はかなりのものである。場合によっては、DVD資源と知的所有権の問題は格好の話題だ。
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・03:ハリウッド映画王国の実態
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原作者など映像クリエーターの著作権の重要さは認識し、尊重しているが、今のハリウッド産業は、グローバルな商業的全国制覇を狙い、発展途上国の兆しを感知すると、“コピーライト”という複雑怪奇な法律で脅し、せっかく上昇しかかった勢いを削ぎ、発展途上国を法律で丸め込み、究極的には独り勝ちのゲームを独占しようと画策している。
Vol.275でもお伝えしたが、ミャンマーにも大きな影響を与えた英国人人気作家ラドヤード・キプリングは自著を無断印刷して無断発行したアメリカの出版会社というものを呪った。そのアメリカが今頃になってFBIまでを動かして、著作権違法をグローバル化して、難癖をつけるなどチャンチャラおかしい。
ブラジル王国は“ゴムの木”の種子や苗木の国外持ち出しを禁止していた。自然が南米ブラジルに与えてくれた魔法の木である。
1876年イギリスのヘンリー・ウィッカムは野生の種子を違法に持ち出し、ロンドンのキュー王立植物園で発芽、育成に成功する。もちろん海賊行為の違法な密輸出である。その苗木が英国の植民地であったマレー半島一帯に移植された。
時代は自動車産業の開花期、グッドイヤーやダンロップが車両タイヤの製造に乗り出した。そして20世紀後半には、天然ゴムの生産量はタイ・インドネシア・マレーシアの三カ国で世界の70%を占めるようになった。これなどは英国、米国の典型的な海賊行為ではないか。
と言うことは、アメリカもイギリスもケチな著作権違法などと、正義面する資格はないのである。どうしてもということであれば、老獪な連中が違法な利益を貪ってきた最低100年くらいの期間をモラトリアムとして設け、著作権法の実施を100年後ということであれば許せるかもしてない。その辺りは、後進国代表としてスーチーに踏ん張って貰いたい。
GNLM紙を見ていて気づくのが、この数年、紙面上で海外企業の「商標登録の通告」が増えていることである。これなども、老獪な欧米諸国が、過去の自分たちの海賊行為にはフタをして、ミャンマーは法規制が遅れていると欧米諸国の大合唱で、ナイーブはミャンマーに国際基準を無理強いする。これではいつまでも貧乏国から抜け出せない。非常に陰険な圧力手段である。
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・04:“ボートピープル”から目を逸らすためのロヒンギャ非難
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ストーン監督の分析手法を借りれば、地球上の紛争事はピンポイントに限定化され、その分熾烈化を極めている。逃げ惑う貧困層が加速度的に増産され、“ボートピープル”という避難民がゾンビのように世界中を彷徨う。
国連・マスゴミが組織的に大騒ぎするロヒンギャーは地球末端の些事でしかない。
地球の裏側の地中海沿岸でも“ボートピープル”は毎年繰り返されている。上陸地のイタリアおよびギリシャから、北を目指し、陸続きの欧州大陸各国をアリの大群のように通過していく。
最初は鷹揚に構えていた理知的なヨーロッパ人も、黒死病のように町を覆いつくす異民族の通過に怖れを抱くようになる。彼らは着の身着のままで、両手にもてるだけのホームレス・スタイルで、風呂にも入らず、公園の噴水で体を拭くのがせいぜい。着替えなどもちろんない。車の通らない裏通り、幅広い道路の歩道を占拠し、ねぐらとする。食い物はゴミ箱を漁って調達。排泄も藪の中など適当に。言葉も宗教も異なる異様な難民の通過は、一般家庭の子女の通学も危険に晒される。学校から戻っても子供の遊び場は奪われ自宅でイライラが昂じる。臭いし病気も心配だ。食料品の買出しにも主婦は恐怖を感じ、コンビニの経営者も夜間の一人勤務に不安を覚える。役人・政治家が突き上げられる。それらの声を代弁する政治家は国境ゲートでの壁ぐらいしか知恵はない。
今、英国のEU離脱がニュースで大騒ぎされているが、本質的な原因の大元は旧植民地と被植民地国の清算を欧米諸国が人道的に処理できなかったことにある。
だからEUという自由な移動を謳い文句にしていた欧州各国すべてが、検問所を設け、壁を厚く高くして、不潔な外国人の侵入を阻止するようになった。理知的だったヨーロッパ人も、強攻策を主張するインスタント愛国主義者の政治家に投票するようになる。西洋人は、口では“人権”を唱えながら、結局は自己中心主義である。
何のことはない。自分たちの祖父母の時代、もっと前のご先祖様が、アフリカ、中東、アジアに植民地帝国を築き、根こそぎ搾取し尽した結果が、21世紀の今、ブーメラン現象として宗主国に戻ってきたに過ぎない。
避難民からすると、言葉の通じる昔の宗主国で仕事にありつきたい。言葉のハンデがなく、宗主国の習慣も教えてもらった。子供の教育は是非とも宗主国で受けさせたい。植民地時代の同化政策は成功だった。彼らはスペイン語、ポルトガル語、オランダ語、イタリア語、フランス語、ドイツ語を達者に話す。中でも、日の沈むことのないと豪語した昔の宗主国「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」を信奉し懐かしむ難民は膨大な数に上る。心優しく大金持ちの女王陛下様にひと目お目にかかりたい、と、アリの行進のように延々と長蛇の列が、ユニオンジャックのイギリスを目指す。
“ボートピープル”という象徴的な言葉をこのメルマガで使用するのは、その現象が、21世紀の今、地球規模で展開されているからだ。
マスゴミ操作に長けた特定の知的集団がソーシャル・ネットワークを駆使して、あるいは国連の人権グループを組織的に動員して、誰も気に留めなかった地球上の辺境地、ラカイン州のジャングルに世界の注目を引き付けることに成功した。そのシナリオは、鬼の面相をした極右仏教徒が痩せ衰えた貧しいロヒンギャの婦女子を焼き討ちし、ラカイン州の国境あるいは沿岸まで追い詰めて、今にも沈みそうな中古漁船に押し込み、ボートピープルに仕立て上げた。
実際には、極右の仏教徒ではなく、海外で実戦訓練を受けたイスラム教徒のテロ部隊が組織的に、ジャングル内にあるミャンマー政府軍の砦を壊滅させ、平和裏に暮らしていたムスレム教徒やヒンドゥ教徒の村々で、イスラムテロ組織の儀式に従い、首を切り落としたり、喉を掻き切って、住民に恐怖感を植え付け、隣国バングラデシュへ70万人以上の大量脱出を成功させた。
現在、スーチーは彼らのミャンマー帰国準備に取り掛かっているが、実際問題として、これらテロ組織の破壊分子が再入国組みに紛れ込んで、ラカイン州にアジトを作り上げる危険性もある。国連人権グループからは帰還を急げと矢の催促だ。そこがスーチーにとっては頭の痛いところである。
元々このロヒンギャという言葉は、英国の植民地時代にはエスニック民族名として公式には認められていなかった。それを今のイギリスのマスコミは正々堂々と使用し始めた。当然、賢明な読者であれば、大英帝国の亡霊がスーチーを陥れる陰謀として動きはじめたとウラを勘繰るべきであろう。
英国や米国と言えば、何でもかんでも有難がり、信用する人は多い。日本では歴代総理大臣ですらそうだったから困ったものである。
だが、イギリスやアメリカは大胆なほどに違う。ストーン監督のような骨のあるジャーナリストが出てくる。BBCでも自国政府に噛み付く取材が企画される。これらのDVDに出遭うと、この世の中、まだ捨てたものではないと、嬉しくなってくる。
話は脱線したが、“ボートピープル”はラカイン州のロヒンギャだけではない。地球の裏側の地中海沿岸でも毎年発生している。
それだけでも大変なことだが、新大陸の中南米でも同様のことが発生している。彼らは陸上の“ボートピープル”である。そして歴史を学ばず、哲学を持たないドナルド・トランプが息巻いて、メキシコとの国境に万里の長城を築き、セキュリティの武装軍団を大量に送り込んでいる。歴史に学ばずして解決策はない。
ご承知のように、北米、中米、南米諸国は、白人侵略者に抹殺、略奪、搾取され尽くされた。その結果が、仁義なき麻薬カルテルの横行、あるいは社会主義国家・共産主義国家のレベルで政治は停滞している。犠牲になるのは、いつの時代も、最下層の人たちである。南米大陸から、中米大陸から、アメリカン・ドリームを夢見て、着の身着のままで北を目指す。
最近は選挙時代からの取り巻き連中に対しても懐疑の目を向け、次々に更迭を企てている。信用できるのは身内だけ。移民国家の合衆国で、人材活用の幅が制限されると致命傷となる。クビライ・カーンの知略は足元にも及ばない。ストーン監督には申し訳ないが、“今”、アメリカは後戻りでできない“マリリン・モンロー・ノー・リターン”の分岐点を超えてしまったのかもしれない。
トランプで唯一オモシロイと思われるのが、前任者が約束した国際ルールを、国家最高権力者であるトランプが無理難題を吹っかけてブチ壊し始めたことである。そのヤンチャ坊主としか思えない。普遍と思われた国際ルールが、今、崩れ去ろうとしている。何でもアリの戦国時代に突入した。だが、哲学なき打ち壊しには、将来の展望はない。
自国アメリカの建国の精神を知らない。自由の女神像が象徴する重大な意味を知らない。それで、どうして自国を、そして世界を、納得させることができるのだろう。
今、世界の政治家に哲学をもった指導者はいない。愚民化政策で国民を総白痴化させ、経済で世界を牛耳ろうとしている。その結果が、地球規模での“ボートピープル”の発生である。非常に危険な兆候だ。そのウラには、地球規模での人口爆発があるが、政治家はその問題には触れようとせず、労働人口が不足していると愚かな経済学者を起用する。
これはオカシイのではないか? と、不経済な人生を送ってきた老書生の末期の疑問である。それにストーン監督とスーチーの知恵を反芻しながら、右往左往している最中である。
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・05:海賊版DVDの夢の世界
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中国版海賊DVDで感心するのが、米国の超一流大学、例えばハーバード・MIT・イェール・スタンフォード・UCLA・プリンストン・ペンシルバニア、などの講義がはぼ完璧に盗撮され、DVD化されていることだ。もちろん教授も超一流で、講義内容も充実している。盗撮と判明したのは、マイクが生徒のザワメキを拾い、座席隣の私語まで拾ったからだ。
例えば、ビジネス英語総合講座、世界の人口増加問題、近代社会理論(ホッブス、ロック、ルソー、モンテスキュー、アダムスミス、マルクスなど)、コンピュータ・サイエンス&プログラミング、専門家による国際座談会、技術革新と発明などなど、しかも階段教室の中央ステージの大スクリーンには写真や図表が映し出され、教授が赤いレーザー光線で指し示し講義してくれる。自分が一流大学の学生になった気分だ。驚くことに、ほとんどが半年から一年の長期講座で、それぞれの講座がDVD4-5枚に納められている。
なかには、キッシンジャーを髣髴させる訛りの強い英語のユダヤ人教授もいる。その一年講座をしばらく聴講すると、不思議と癖に慣れ、独特の英語が聞いて分かるようになる。聞き取れなければ英語の字幕を呼び出せばよい。そして辞書を引く。これを繰り返す。だから、ミャンマーの若者には、留学なんか時間と金のムダ、理解できないところは巻き戻し英語字幕で確認するので、アジアなどからの留学生より数段有利だと解説している。卒業証書は貰えないが、実力では負けない。金持ちのバカ息子・バカ娘など怖れずに足らず、と、応援している。
一方で、日本の文科省や政治家に恐れながら警告したい。廉価の海賊版DVDを活用し、アメリカの超一流大学の講座を盗講する中国の若者は何人いることだろう。人口大国である。想像すると恐ろしくなる。中国のネガティブ面だけをマスゴミに煽らせていると、ノーベル賞受賞者が全員中国人という時代がこないとも限らない。それだけDVD講座が有効だと、身をもって知った。
気合が入っているときは堅めの講座を受講し、リラックスしたいときは例えばボブ・マレー(1979年11月25日サンタ・バーバラで行った)の伝説的なライブコンサートで気を抜く。
再度自慢させてもらうと、DVDのレパートリーは盛り沢山、選択も自由自在。ジャスティン・ビーバー、クリフ・リチャード、ビリー・ホリデイ、ルイ・アームストロング、ビング・クロスビー、ビートルズ、ラヴィ・シャンカール、マイケル・ジャクソンなどなど、中には「ロック&ロールの歴史」などというプレスリー、チャック・ベリー、ファッツ・ドミノ、マッドウォーターズ、プラターズ、パット・ブーンなどオン・パレードもののDVDもある。ご紹介したのはほんの一部に過ぎない。
世界一のリッチマンでなければできない高尚な趣味である。突然の停電は大敵だが、お陰で自己管理法も身につけた。停電でPCはビープ音を発している。だが、画面はまだ明るい。近くの懐中電灯を手元に引き寄せ、落ち着いてメルマガ原稿を“保存”する。それからパソコンの電源を落とす。懐中電灯を頼りに、蚊帳を下ろしたベッドで、身体をリラックスさせ、目を閉じ、静かに夢の世界に入っていく・・
電気回復に備えて、電灯のスイッチはオンのまま。
妙に明るいと気がつくと、停電の儀式は終了だ。外は真っ暗。時間は何時か分からない。まずは水道水で顔を洗う。腹ごしらえも良し、再びパソコンも良し。犬の遠吠えを聞きながら、次は何をするか考える。まずはお湯を沸かす。新聞の切り抜き、データスクラップの作成も良し。未読の読書、未見のDVD、ヤリタイことは山ほどもある。本の整理、DVDの分類も永遠の仕事に思われる。
茶をいれながら、死ぬ前の身辺整理は自分にはムリと悟った。日本でのガラクタもまだ処分できていない。
それよりも世界一贅沢なマハラジャの生活を楽しもう。ヤンゴンで悟りを開いた哲学である。
義弟のデスマスクは直視できない。あまりにもあまりにも悲しい。葬儀は不義理をした。ミャンマーの慣習からしたら、非難ごうごうだろう。
亡くなるほんの数ヶ月前にある清算をしたいと彼が訪ねてきた。今、思い起こしても、死の兆候はまったくなく、前向きの夢を語り合った。それらが、むしろ、この世での別れをお互いに語り合った最後になってしまった。
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・06:海賊版DVDで森羅万象がカバーされる
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引き続き自慢話である。黒澤明監督全作品はもちろん、石原裕次郎の「太平洋一人ぼっち」と、このヤンゴンで、日本モノもかなり充実して来た。「となりのトトロ」「ジブリの本棚」「火垂るの墓」「風立ちぬ」と宮崎駿作品もあれば、岩井俊二監督の「市川崑物語」、小津安二郎監督作品、「子ずれ狼」「座頭市」「ゴルゴ13」などのシリーズもある。ジェリー・ルイス、ジョン・ウェイン、ジェームス・キャグニー、キアヌ・リーブスなどが出演する日本モノの映画もある。かなり不自然な内容もあるが、当時のアメリカがこういう風に日本を見ていたと学習できる貴重なDVDである。そういう意味で映画の製作年は必ずチェックする。
米軍側が作成した「HIROSHIMA」。その威力の凄まじさ、壊滅状態、直後の悲惨な生活、それらが実写フィルムで残されている。「JAPAN 11-3-2011」という東北大地震・津波をTV画面から慌てて編集した実写記録もあれば、村上春樹の「ノルウェーの森」もDVD化されている。目勘定で、このほかに太平洋戦争を含めて、日本モノは合計80枚を越えるだろう。
“ユダヤを識る”のカテゴリーにも膨大な資料DVDが詰まっている。イスラエル関係でトランプ大統領と張り合っても、多分遜色ないDVD資料は揃っている。ダビデ・ソロモン・モーゼの故事はもちろんのこと、シナゴーグの中で厳粛にトーラを読み上げる儀式も覗ければ、典型的なユダヤ人家庭の祝日模様も覗ける。
「The Story of the Jews」という自身ユダヤ人であるサイモン・シャーマによる2枚組みDVDも貴重な資料だ。総合的なユダヤ問題が学習できる。世界中で流行した“ユダヤ人陰謀説”なるものが、巨象の一部を撫でる、偏った見方ということが、よ〜く分かる。なぜなら、ユダヤ人の本質を付いていないからだ。
ストーン監督が説くように、安易なコンビニ型結論に踊らされる前に、自分の頭で徹底的に掘り下げることを学ばせてもらった。
この他にも、北極・南極など両極地の探検旅行、ナイル川やガンジス川の歴史を辿る旅、蒸気機関車世界の旅、アメリカの国立公園を巡る旅、北回帰線に沿って北半球を輪切りにする旅もある。古典名作の「80日間世界一周の旅」もある。この他にも、エジプトやトルコの遺跡、アンコールワットをプロの考古学者、博物学者、歴史学者が案内してくれるDVDもある。
英国のBBCやナショナル・ジェオグラフィが制作した番組だと、懐かしのアムンゼンやスコット、エドモンド・ヒラリー、テンジン・ノルゲイ、アラビアのロレンス、などなど実写の写真・ビデオを大量に使用している。
それらの撮影隊は、アマゾンのジャングルから海底深くまで冒険し、さらには地球を飛び出して宇宙の旅にも連れ出してくれる。バッブル望遠鏡で撮影した写真を分析して、人類の誕生、地球の誕生、宇宙の誕生までと、世界一流の専門家、学者が難しい理論を噛み砕き、分かり易い英語で説明してくれる。こういう訳で、ヤンゴンにいながら、ガラパゴス諸島を訪ねたり、コモド島のオオトカゲには冷や汗を流した。バオバブが立ち並ぶマダガスカル島に圧倒されたりと際限が無い。ミャンマー関係の秘蔵フィルムも収納されている。
スポーツの分野も充実してきた。「タイソン」「ソニー・リストンのPHANTOM PUNCH」「THE FIGHTER」などのボクシング、」「American Flyers」ロッキーマウンテンを3日間で走破する上下差の過酷な自転車競技の実話、「PELE」「UNITED」「UEFA EURO」などのサッカー、「THE PRIDE OF THE YANKEES」「42 THE JACKEIE ROBINSON STORY」野球、「INVICTUS」のラグビー、登山モノも新田次郎の「剣岳」、「EVEREST」NZの登山家ロブ・ホールは素人登山家をエベレスト頂上に立たせるとの概念で、“ADVENTURE CONSULTANTS社”を1992年に創設。ひとりの事故死も無く4年間で19人が制覇。そのチームには難波康子も参加していた。その実話のDVD化がこの映画。
スペンサー・トレイシー&ロバート・ワグナーの「THE MOUNTAIN」、エベレストの登山、ボビー・ジョーンズのゴルフ、ボストン・マラソン、ビーナス&セリーナ姉妹のテニス、「Surfer Dude」「soul surfer」などのサーフィン、「カラテキッド」もソニー千葉の「KARATE BULLFIGHTER」もある。
今の世の中はじっとしていられない時代だ。時間のリッチマンでない限り、なかなか読書の時間がとれない。手っ取り早いのがビジュアルの世界である。読書離れと言われるが、それが時代にあっているのかもしれない。逆にそれを武器にしたい。その点ではミャンマーの若者は恵まれている。まだ海賊版DVDは取り締まられていない。
メキシコやギリシャなどの観光旅行もDVDに限る。疲れずに、しかも何度も確認して楽しめる。たまに金持ちのミャンマー人から海外旅行の写真やビデオを見せられるが、セルフィーや修学旅行並みの出来栄えで、他人が見るに耐えない、いかにも素人が撮影した代物ばかりである。プロ・カメラマンの製作したDVDは見応えがある。若者たちよ、海賊版DVDで世界に飛び出そう。
若者向け教材を意識して集め始めたが、今では、ミイラ取りがミイラになってしまった。ワタシ自身の教養不足を補い満たす重要な宝庫となっている。
若いときに勉強しなかった罰だ。あの世に行く前に、ヤルことがまた増えてしまった。困ったもんだ。
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