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 <ミャンマーで今、何が?> Vol.280
 2018.11.9
 
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
 
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 ━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 ■オリバー・ストーンのアメリカ発掘DVDは最高(3)
 
 ・08: ミャンマーの今とは、2018年11月9日(金)本日のこと
 
 ・09: “Crown Jewels”とは王権の象徴としての宝石類
 
 ・10: 読者からの情報に感謝
 
 ・11: 日本人が大好きなコンビニ情報
 
 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)
 
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 08: ミャンマーの今とは、2018年11月9日(金)本日のこと
 
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 スーチーは軍事政権が、否、誰もが想像しなかった特別職“State Counsellor”を設け、ミャンマー国憲法最高位の官職、大統領職を凌ぐ、さらにその上に君臨している。
 
 極東の一角の島国で、通称“空白の一日”または“江川事件”が発生した。1978年のことである。プロ野球という一業界で、しかもドラフト会議という密室で発生したささやかな事件である。国際的には何の波風も立たないチッポケな事件であったが、国内では国全体が大騒ぎし、島国が大揺れに揺れた。江川君には申し訳ないが、その事件が吹っ飛び、霞んで見えるほどの大事件が、ミャンマーの“雲の上事件”である。
 
 皮肉な言い方をすると、江川事件には大騒ぎしたが、スーチーの“雲の上事件”には一顧だにしないのが、日本のマスコミである。
 
 スーチーは、「大統領の上に君臨する」と宣言した上で、各国政府、国連諸機関、世界のメディア、ミャンマー軍部が見守る中、それを堂々と実現してしまった。
 
 ご承知の通り、ヤンゴン空港で射殺されたスーチーの知恵袋で法律顧問弁護士ウ・コーニーが捻り出した、憲法の空白をついた秘策中の秘策であった。同弁護士の自宅は下町の東西南北研究所からそう遠くない横丁にある。先日も下町散策と称して、日本からの賓客をご案内した。
 
 その後もミャンマー政界は激動の中を掻い潜ってきた。
 
 2018年11月本日現在、海外すべての国家が、ウィンミエン大統領を差し置いて、スーチーをミャンマーの国家元首として遇している。その待遇について、陸海空三軍の最高司令官であるミンアウンライン上級将軍および軍部は、今のところ何一つ文句も言えず、むしろ現状容認の態度を取り続け、不穏な動きはない。
 
 世界中が寄ってたかってスーチー叩きをするのは構わないが、権力に擦り寄る日本のメディア勢力がみんなで渡れば怖くないと、欧米に追随する根性が、どうもオモシロくない。本来、反権力で、反骨精神を発揮するのがアナタたちの使命ではなかったのか?
 
 スーチーには、この橋(端し)渡るべからずの高札を無視して、端しを歩かずに真ん中を堂々と渡った一休和尚の頓知に通じる爽快さがある。
 
 
 
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 09: “Crown Jewels”とは王権の象徴としての宝石類
 
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 オリバー・ストーンの切り口は鋭く、日本のマスコミどころか、世界のメディアにも、画期的な独特の手法を、展開してくれる。だから、ヤンゴンで手にした洗練された海賊版DVDは貴重な“宝物”である。老獪なイギリス人なら“Crown Jewels”と叫ぶことだろう。
 
 日本が、例えば広島・長崎に非人道的な原爆を落としたとしてアメリカを非難すれば、アメリカは戦争を仕掛けたのは日本で、真珠湾の騙まし討ちを忘れたかと言い逃れをする。これでは巨象の長い鼻と尻尾で、議論は永遠に噛み合わない。国連安全保障理事会での議論も大半は同じようなものだ。
 
 ストーンの凄みは、日本政府がすごすごと引き下がったアメリカ政府の反論に対して、チョッと待ったー!本当にそうなのかい!と噛み付いたことにある。アメリカ人であるストーンが、広島・長崎の原爆を真正面に見つめ、このDVDディスクNo.1のしかも最初の出だしに真っ先に提議している。いの一番に取り上げた問題が人類初の原爆である。
 
 しかも、原爆投下という大統領命令を出したアメリカは、歴史の選択を間違えたと、自国アメリカ大統領に正面切って噛み付くと同時に、それを鵜呑みにしたアメリカのメディア、一般衆愚をも非難している。
 
 ストーンの歴史の見直しは、証拠固めがビジュアルで、しかも理路整然としており、日本人にも分かりやすい。スーチーが言うとおり、アメリカに偏見を持つのでも、日本に偏見を持つのでもなく、事実の積み重ねで、真実を徹底的にあぶり出す。
 
 ストーンはこのDVDを、日本人を対象に製作したのではない。あくまでもアメリカの子供たち、未来を背負って立つアメリカ人へ、歴史の見直しを迫っているのである。
 
 想像してほしい。これが日本であれば、国を挙げて、総理大臣が、議会が、メディアが、批評家が、そして国民全体が声を揃えて“ストーンは非国民だ”と反論することだろう。日本の国は、政体は民主主義の看板を掲げても、実態は全体主義に陥っているように見受けられる。実に情けない。いろんな意見が存在するのが当然で、対立する意見があることを認め、尊重するのが、成熟した大人の民主主義ではないだろうか。
 
 少しくどいかもしれないが、決定的なポイントなので、このDVDの内容を吟味した上、所長の空っぽの脳ミソで咀嚼できれば、さらに掘り下げてお伝えしたい。賢明な読者がお気づきの通り、ストーンがアメリカの歴史の大問題としたのは、世界初の原爆実験であった。広島投下まで手持ち時間は二ヶ月を切っている。時間は秒読みの段階だ。
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 10: 読者からの情報に感謝
 
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 NHさんから、「いつも、面白そうなDVDの紹介ありがとうございます。だいたいyoutubeで探せますのですぐみています。https://www.youtube.com/watch?v=SGnM4p38-n8」と、さらに有力な情報を頂いた。
 
 NHさんの指摘は実にありがたい。その上、ある大きな問題を提起してくれた。
 ヤンゴンの丸秘DVD屋でやっとこさ探し出したというか、出遭えた宝物にこんなに簡単にアクセスできるのかと、化石人間としては唖然とした。確かに、青字をクリックすると手持ちのDVDカバージャケットと同じ写真がアップで出てきた。便利な世の中になったものだ。
 
 数日前も同じDVD屋で日本モノを久しぶりに購入してきた。“RED BEARD”“NARAYAMA”“NORWEGIAN WOOD”その他外国モノDVDである。黒澤明の赤ひげ、木下恵介の楢山節考、村上春樹原作のノルウェーの森である。扇風機は物憂げに首振りしているが、夕方の時間帯で蚊に刺されながらの選別だった。これらもすべて英語のカバージャケットであった。ジャケットも印刷がずれたり、不鮮明で、内容を読み取るのに手間取った。しばらくすると、目がショボショボしてくる。
 
 精根尽きて帰宅すると、ビール缶開け一杯飲りながら、赤ひげ一枚を鑑賞した。
 中国広州のDVD会社が、Akira Kurosawaシリーズと銘打ち、日本製映画を堂々とコピー製作し配布している。三船敏郎と加山雄三の会話はもちろん日本語である。加山雄三は安本(やすもと)姓の見習い医師の役である。この安本を北京語で勝手に“ポー”と改名している。
 
 傑作なのが英語字幕だ。
 
 英語字幕では彼の名前は“Po”だ。日本人名はすべてこの調子で簡略化している。中国式頓知に感心し、ついつい笑ってしまった。
 
 NHさんに挑戦的な説明をすると、日本産「赤ひげ」のオリジナルを直接YouTubeしても、このような異文化体験は出来まい。ヤンゴンでは英語字幕を挟んで、日・米・中の異文化を楽しめるのです。
 
 ワタシのDVDコレクションのテーマは、生意気ながら「世界に目を開くミャンマーの若者教育」である。そのテーマで、便利なYouTubeのジャングルに入り込み、ワタシの趣旨に適うDVDがどれほど集められるだろうか? 検索のキーワードに鍵がありそうですね。
 
 空気の澱んだDVDショップの片隅に腰を下ろし、DVDラック棚を目で計測し、今日はココからアソコまでいけるかなと、片っ端からカバージャケットを読みはじめる。ラッキーだと上物の教材が続々と引っ掛かってくる。だが、自宅で鑑賞するまでは、当たり外れは不明。購入価格は現在一枚1,300チャット。だが大当たりの場合は、海賊版とはいえ、一枚2,000円といわれてもその価値はある。
 
 NHさんの新情報だと、原価は限りなく安くなりそうだ。だが、DVDのタイトル名が不明のとき、どうやってストーン監督のDVDに辿り着けるのだろう?
 
 ワタシの手法は、蚊に食われながらのアナログ方式である。アマゾンなどで、全商品を網羅した一覧表はあるのだろうか?あまりに膨大すぎるのなら、例えば農業、医学、宇宙・・などなど自分の好みに従い選別できるのだろうか。だが、アマゾンの設定した分類項目と、ワタシの指定分類が一致しない場合、永遠に出遭う機会はないのだろうか?
 
 この話は置いといて、化石人間がYouTube検索に習熟してレベルアップしたとしよう。
 
 YouTubeの中でオモシロイと思える教材を見つけ、それを片っ端からパソコンに取り込み、さらに独自に編集して、東西南北独特の教材DVDが製作できるのかな?
 
 可能なら、中国広州のDVD屋と張り合ってアングラ新市場を対象とした違法ビジネスが開拓できるのでしょうか? パソコン達者な若者を集めて・・と夢が開けてきました。
 
 ところで、ストーンのDVDには、自作でない映画のひとコマも多数使用され、歴史的な諸外国の大統領、首相、将軍、そして天皇ヒロヒトまで、未だ生存しているカーター、クリントン、ブッシュ、時のセレブも、ありとあらゆる有名・無名の人物、ビデオ、写真、絵画(ピカソのゲルニカも出てきます)、などが登場します。これらの著作権はどうなっているのか、その辺を知る手がかりがあれば、また教えてください。
 
 話がとんでもない方向へ飛んでしまいました。
 
 
 
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 11: 日本人が大好きなコンビニ情報
 
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 日本に帰国して、この四五年何となく感じるのが、ある種の疎外感で、居心地の悪さである。会話のラリーが続かないのである。話はすべて一括りにされてしまう。“ミャンマー”の一言で、軍事政権とスーチーの構図にまとめてくれる。それは、習近平でもトランプでも同じだ。昔の日本なら、他人の屁理屈にも付き合ってくれ、焼き鳥屋からおでん屋へと話は尽きなかった。
 
 これが、若者も年寄りも、最近はコンビニ的な簡便法で話は終わってしまう。スーチーが以前、日本の外務大臣にミャンマーは複雑なんですと語ったことがある。ミャンマーと日本を行き来していると、話の行き違い、ボタンの掛け違いで、スーチーの気持ちは良く分かる。
 
 今回もオリバー・ストーン監督の“UNTOLD HISTORY OF THE UNITED STATES”を鑑賞していて、つくづくそう思う。題名からして合衆国の語られなかった歴史で、アメリカのことかと思っていたら、特に戦後アメリカは世界中の出来事に関与している。だから、内容をジックリと鑑賞すると、アメリカの歴史プラス世界の歴史を総なめした作品となっている。広島長崎だけでなく、キューバ、ベトナム、世界貿易センター崩壊、オサマビンラディン、と世界史を散歩させてくれる。
 
 序盤でストーンが語ったように、日本でもアメリカと同様に政府お仕着せの教育で、歴史もワンパターンのシナリオであった。ワタシの言い方だと、コンビニ的な便利さでパッケージされた一括りの歴史情報であった。
 
 だが、ストーンが掘り起こした歴史は、どんでん返しが連続するジェットコスターに乗っているようなものだ。Topsy-Turvyの荒技に驚かされる。しかも、それが真実だというから、正に事実は小説より奇なりである。それをビジュアルの画面で理路整然と説明してくれる。難しい言葉など一切使わずにである。
 
 手持ちの四枚のDVDを分析して、お伝えしたいと呻吟しているが、まとめるのがムツカシイ。今日は金曜日。明日あさっての二日間で勉強して、当メルマガ流の解説を考えてみたい。
 ですが、コンビニ式の簡便なまとめ方だけは、意地でも避けてみましょう。
 
 ベストの方法は、読者の皆様がYouTubeをクリックして、ストーンの語りに耳を傾けていただくことだと思います。さすがにストーン監督と思わせる話のもっていきかたに、感嘆されるはずです。一言も逃さず、YouTube鑑賞をお勧めします。
 
 
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