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<ミャンマーで今、何が?> Vol.246
2018.2.2
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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■臨時ニュース発生 ー スーチー自宅炎上
・01: ウワサはこの様に広まる
・02: 2018年2月2日付GNLM紙第10面国内記事
・03: 蛇足ながらの説明
・04: スーチーはミャンマー国民の宝である
・公式ツイッター(@magmyanmar1)
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01: ウワサはこの様に広まる
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早朝6時過ぎに日刊英字紙GNLMを片手に、新聞販売所のオヤジ(と言っても私より30歳も若い)と目の前の路上喫茶で死ぬほど甘い紅茶を飲み、今しがた別れたばかりである。
彼はほとんど英語が話せない。私はビルマ語が話せない。
だが、彼と私の間にはコミュニケーションが成り立っている。通訳頼みしか念頭にないエライさんは、この辺りの努力を怠っている。
毎朝やって来て、朝粥を用意してくれるスタッフと恒例の無駄口を叩く。彼女は簡単な英単語を羅列するだけである。私も簡単な単語で反復質問する。それでも会話は立派に成り立つ。
例えば、Daw Aung San Suu Kyi, House, Fire, You know? When? Yesterday. Night time? Lunch time. TV News? Facebook. まだるっこしいのだが、これで初動捜査を開始するには充分だ。
東西南北研究所はかなりの数のスタッフ(本人たちは気付いていないのだが)を抱え込み、自宅待機してもらっている。彼らからは今の所、何の連絡もない。
仕方なしに、コーヒを沸かし、今朝は自宅で英字紙に目を通した。出ていた。
さすがはGNLMである。
スタッフの名誉のために、その英語情報を修正して解説すると、フェースブック情報をチェックしたのが、昨日ランチタイムで、ヤンゴンの自宅かネイピードの自宅かは不明。全焼したのか、半焼だったかも不明。昼飯時、友達が騒いでいた。他の友達にもメールで教えてあげた。コレが全情報で、この国のウワサはこの様にして広がっていく。
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02: 2018年2月2日付GNLM紙第10面国内記事
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昨日朝06:30amに一人の男が国家相談役スーチーの敷地内にモロトフ・カクテルを投げ込んだ。
ヤンゴンの大学通りスーチー宅正門前で警護する警察官に、ひとりの目撃者が報告した。
この目撃者はコッカイン交差点からカマユートへ向かって車を運転している時に、事件に出くわした。
その陳述書によれば、モロトフ・カクテルを投げ込んだ男は、韓国大使館近くのバス停にいた3人の男たちも見ているはずだとしている:
2人の男が現場にいて、3人目の男がモロトフ・カクテルを投げ込んだと報告している。
この目撃者は正門警護の警察官に写真一枚を手渡した。
敷地内にいた62歳の男性は何かが爆発する音で、調べに行った。そこでわずかな火災が発生しており、水で消し止めたが、現場はケロシンの臭いが立ち込めていた。さらに辺りを調べると、敷地内に投げ込まれと思われるケロシンが詰まったボトルを発見した。
ターポリンシートの一部が焼けただけで、その他の損害は報告されていない。この事件は目下調査中である。容疑者の写真はヤンゴン警察のフェースブックに掲載され、年齢40歳ぐらい、黒髪で短髪、身長約5フィート5インチ、肌は褐色そしてデブ、ピンクのTシャツの青縞のロンジー着用との概要が示されている。そして情報受付の各警察支所の連絡先が報じてある。
コレが記事の全文である。いまの時点での全情報である。
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03: 蛇足ながらの説明
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この目撃者はスーチー自宅前の大通りを東から西へ走っていたことになる。
モロトフ・カクテルは、トリスバーあるいはトリスを飲んでハワイに行こうが流行った頃のカクテルである。ノドが焼ける様な、貴女のハートを燃え上がらすような強烈なカクテルであった…と言うのは冗談。当時、学生運動華やかな頃、使用された"火炎ビン"のことである。ノンポリの筆者は知らないが、辞書によれば次の通りである。
ガラス瓶の中に濃硫酸ガソリンを混入し、外側に塩素酸カリウムを塗った紙片を貼り付けておく。ガラス瓶が壊れた時に濃硫酸と塩素酸カリウムが接触して発火する仕組みとなっている。
第二次世界大戦時に、パルチザン闘争や、チェ・ゲバラのゲリラ戦にも愛用され、ソ連のゲリラや軍隊が、ドイツ軍の戦車破壊に効果を発揮したことから知られ、製造コストが安価なため、今でも世界各国の路上闘争などで使用されている。モロトフとは当時のソ連の政治家名。
良い子の皆様は、火遊びにはくれぐれもご注意頂きたい。
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04: スーチーはミャンマー国民の宝である
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いま、ミャンマー国内でのスーチー人気は凄いのだが、一方でその人気を羨むヤカラもカナリいる。
この国では何が発火点となるかは分からない。
国家独立の父であるアウンサン将軍も、その人気を羨む元首相のガロン・ウ・ソウの手下に暗殺された。その犯罪のウラには巨悪の大英帝国が絡んでいる。
昨年2月末、スーチーの法律顧問だったウ・コニーがヤンゴン空港で射殺された。
私と私の友人は、この事件の直前そして直後に現場付近をウロウロしていた。念のため、二人は犯人でも容疑者でもない。日本で報じられた、その1周年記念情報を今度やってくる別の友人が写真添付で送付してくれた。この友人も、本人は気がついていないのだが、当研究所の重要なスタッフである。
その日本における報道姿勢には、実はガッカリした。意図的な推測で記事を書き、犯罪のお先棒を担ぐ様な報道となっている。
このウ・コニーの自宅はイスラム教徒が多く住む、当研究所から徒歩7分の下町にある。
スーチーが大統領の上に君臨するための、問題の憲法および関連法律文の抜け穴を、指摘した弁護士である。NLDおよびスーチーにとっては、大きな痛手である。と言うよりも、維新国家を作り上げようとするミャンマーの人たちにとって、国家的な損失である。
それだけに、今回の火炎ビン事件は、決してマイナーな事件ではない。大統領および国家相談役を警護する長官の失策でもある。
日本に帰って、今週久しぶりにヤンゴンにやって来る当研究所の優秀なスタッフが、今朝その容疑者が写っている写真を添付してくれた。タイムリーな情報、本当にありがとう。
全体的にボヤケているので断言できないが、容疑者はピンクのTシャツの上に灰色ぽいジャンパーを引っ掛けて、大通りを走って横断している。右手の辺りもボケてよく見えないが、新聞情報と併せ推察すると、火炎ビンの首を右手で持ち、ビンの底がこちらに向いている様にも見える。と言うことは犯行前の写真ということになる。だが、新聞情報がなければ、ビンを右手に持っているとは、到底思えない。
そしてヤンゴンに長逗留している直感からして、この男の容貌はインド系、あるいはイスラム系に見える。普通のビルマ人顏ではない。
だが、イスラム系とした場合、独特のヒゲ面がこのボンヤリ写真からは判別できない。
ここまでは頼りにならない野次馬の謎解きゲーム。
何を言いたいかというと、スーチーはミャンマー国民の宝である。
どんなことがあっても、スーチーの身辺は死守していただきたい。
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