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<ミャンマーで今、何が?> Vol.23
2012.12.11

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■ヤンゴン地区が静かにスマートに変貌

・01:AAA:(政治)
・02:BBB:(経済)
・03:CCC:(生活一般)
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・ミャンマーで今、何が?


■ヤンゴン地区が静かにスマートに変貌

ヤンゴン地区の政府系日刊英字紙”The New Light of Myanmar”が白黒からカラー印刷に変わった。他政府系ミャンマー語版2紙もカラー印刷に変わった。

2012年12月5日の朝のことである。普通技術レベルのこのような話は目の部分がキャッツアイになったり、三原色がひとつの色に定まらないことが多々ある。しかし、このカラー写真は他の色刷りとの縁の部分がシャープで高度な技術を取り入れたことを証明している。これらはすでにネイピードおよびマンダレーなどの主要都市で試験発行を行い、その総仕上げが大人口を抱えるヤンゴン地区というステップを取っている。だが、政府系日刊紙ということもあり、この産業革命に匹敵する大変革に注目する人はほとんどいない。

なぜこれがそれほど凄いことなのか東西南北研究所は順を追って解説していきたい。

テインセイン大統領は今年8月27日から10日間を掛けて待望の内閣大改造を成し遂げた。その目玉商品のひとつが旧情報大臣の更迭、改革支持派のアウンチー新大臣の投入である。泣く子も黙ると言われたチョーサン情報大臣は10年の長きにわたってマスコミ・出版界に事前検閲制度を強要し弾圧を続けてきた。しかし、米国で教育を受けたこの元将軍は今マスコミ・ジャーナリスト業界からの期待を受けている。

就任したばかりのその最初の記者会見(9月2日)で、1962年施行の印刷業者・出版業者登録法(事前検閲法に違反した場合の罰則規定)を廃止する方向で努力したいと語り、そして新しいメディア法を制定するが、それは業界代表の意見を十分に汲みとったもので、アセアン同僚諸国の基準をクリアし、さらには国際的なスタンダードに合致したものとしたい。そして現在政府が独占している日刊新聞の発行を来年早々にも民間に解放しライセンスを付与したい。国営新聞の内部的改革にも関心を抱いているとかなり踏み込んだ発言している。そして現在、外国人ジャーナリストの入国ビザは問題なく発行されており、最近、彼らは自由に我が国に入国していると語った。

この情報大臣の発言にどれ程の重要性があるかというと、これらはすべて言論の自由に関する基本的発言で内閣の最高責任者がその大改革について正式に明言したということである。しかも、たった3ヵ月後の12月5日早朝の静かな変革はこれまで旧軍事政権が死守してきた恐怖政治の一角が崩壊したことを意味している。テインセイン大統領の大改革の大鉈は、時間が掛かっても着実に前進している。



<AAA:(政治)>

■A1:スーチー議員が銅鉱山開発委員会委員長に就任

ミャンマー政府はサガイン地区・レッパダウンタウン銅鉱山の開発を継続すべきかどうかを調査する委員会のメンバー16名をテインセイン大統領の署名入り政令で発表し、スーチー議員をその委員長に任命した。

■A2:国際危機グループが平和追求に尽力したとしてテインセイン大統領を賞賛

ワシントンDCのシンクタンク“The International Crisis Group”(国際危機グループ)がミャンマーのテインセイン大統領とブラジルの前ルイス・イナチオ・ルーラデシルバ大統領の2名を今年の“平和追求大賞の晩餐会”の主賓に選び、同晩餐会は2013年4月22日にニューヨーク市で開催される。多くの国が間違った方向へ突き進んでいると思われる今、この両指導者は自国民のために正しい道しるべを明確に示してくれたと同グループのピッカリング会長は語った。

これまでこの種の国際的大賞はすべてスーチー議員の独壇場で、旧軍事政権の引退した将軍で市民服に着替えただけの大統領と何がしかの疑いの目で見られていたテインセイン大統領がまったく独自にこのような評価を受けたということは、大統領の民主大改革に取り組む真摯な態度が新たな視点で見直され始めた変化と思われる。一年前のアセアン首脳会議でも遠慮がちに隅の方で記念撮影に写っていたテインセイン大統領だが、今では場数を踏み、自分自身の改革に自信もできてきたのだろう。そして世界各国の指導者から数限りない賞賛も受けている。ニューヨーク市における来年4月22日の晩餐会では堂々とした押し出しのテインセイン大統領が脚光を浴びるものと思われる。


<BBB:(経済)>

■B1:FMIグループが旧鉄道省の本庁ビルを再開発

FMIグループが所有するこの広大な敷地内にはグランド・ミヤタ高級コンド、FMIセンター、旧鉄道省の本庁ビルなどが分散して建てられている。場所はトレーダーズ・ホテルの大通りを挟んだ北側の向かいで、ボージョー・マーケットの東側に位置するヤンゴン・ビジネス街の最高級地にある。この10エーカーの敷地内に2つのホテル、1つのコンドミニアム、1つのサービス・アパートメント、2つの事務所棟および最大のショッピング・モールに再開発するとFMIグループの会長、ウー・テイン・ワイ、はその年次総会で語った。現在関係省庁に計画案は提出中で、許可が下り次第再開発事業を開始するとしている。すでにパークソン百貨店との契約は締結され、ヤンゴン最大のデパートが2013年3月には開店される。

■B2:原料としてのニームが国際市場へ輸出

FMIグループはその年次総会で、台北を本拠地として中国人グループのポトマック・インターナショナル社とニームの木を育成する覚書を調印したと発表した。同社はニームの木の育成・生産・加工では非常に経験豊かで、現在ニームの木に対する国際需要は高く、これは殺虫剤や抗生物質薬品製造の原材料となる。FMIグループはアグロビジネスへの関心も強く、将来は輸出増を計りたいと同グループのウー・テイン・ワイ会長は語った。

■B3:ポッパ山保護地区で緑茶のテスト栽培

茶の栽培はパッパ山森林保護地区の環境にダメージを与えないとしてTin Win Tun Coへ30年間の土地利用許可が下りた。なお、現在育っている樹木の伐採は禁止されており、潅木のクリアだけで茶の栽培は可能だとしている。すでに300エーカーの使用権を得ているが、最初は50エーカーでテスト栽培をして、成功しなければサンダルウッド(白檀)などの多年生植物に切り替えるとしている。


<CCC:(生活一般)>

■C1:トロール漁船にGMSを設置

ミャンマー漁業連盟は加盟トロール漁船に半径40マイルをカバーするGMS装置の設定を義務付けた。これによって、漁船船主は所有船の行動を監視し、海上における危険を事前に察知できるとしている。

■C2:カレン州で絶滅危機種を違法捕獲

絶滅の危機種とされるPeacock turtle26匹、Pangoline(センザンコウ)2匹、Soft-shell turtle(スッポン)2匹が違法にタイのメソットへ持ち出されようとしていたのをミャンマーの環境保護森林省が密告を受け、カレン州コーカレイクで2人の容疑者が逮捕された。なお、これらの野生種は本来の生息地へ戻された。

■C3:シュエダゴン・パゴダの参拝者が日毎に増加

2012年11月1-28日の 参拝者の数累計は45,029名となり、入場料収入はUS$ 214,568プラスFEC10,577、パゴダ基金会への献金がUS$ 66,195プラスFEC73となった。最も入場が多かったのは7,488名で(国名不詳)、続いて中国人・韓国人でそれぞれ2,726名・2,247名となった。

■C4:防衛省の移動医療チームが各民族の健康診断

防衛省は移動医療チームは軍用機でヤンゴンを飛び立ち、先ずはラカイン州のシットウェーへ飛び、必要な薬品と医療器具を地元の人たちに配布した。同チームはこれまでに10月5日から16日までカヤ州で、10月29日から11月10日までチン州で同様の医療活動を行ってきた。




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