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<ミャンマーで今、何が?> Vol.212
2017.5.2
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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■メルマガ復活 (その2)
・01: プレイバック 4月28日(金)
・02: NJの証言
・03:失神男の証言
・04: それからどうした!
・05: 病院で渡された書類
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前号の出稿完了と同時に、NSさんの激励に刺激され、<メルマガ復活>の第2弾、第3弾...と日本滞在中に出来るだけ多く出稿しようとアイデアを練っていたが、突発事故が発生した。
これはメルマガ存続に関することなので、問題を公開し、ご迷惑をお掛けする前に、読者およびプロバイダーのご理解をいただきたいと思考しました。
そしてサドンデスこそが人生のゴールと頓悟した。
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プレイバック 4月28日(金)
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[午前中] 日本橋の友人TM事務所にて約1時間の打ち合わせ。
[昼ごろ] アップル銀座店にてiPadでEmailの発受信を確認。
[13:30-14:30] 新橋で友人NJさん(以下敬称略)と落ち合い、北海道海鮮と生ビール(飲むのが主)
[昼過ぎ] 銀ブラ(新橋→コリドー街→数寄屋橋→晴海通り→銀座4丁目地下2階)
[15:15-16:15] スシ屋にて冷酒。NJとの歓談中に失神したらしい?
[???-16:45] 救急車にて聖路加国際病院へ搬送。
[16:50-19:30] リンボ(Limbo=地獄と天国の中間にあるとされる辺土)をさ迷う。
[20:30] 自宅が反対のNJが送ると強く主張したが押し留め、電車で一人で帰宅。
現役時代に何度か乗り過ごした目的地でキチンと下車。ホロ酔いだが、酩酊ではない。
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NJの証言
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久し振りの再会で、新橋の店・銀ブラ・銀座のスシ屋と話題は尽きず、春うららの冷酒が美味い。ヤンゴンのパンソダン桟橋で出逢ったNJとは、その後兄弟分の付き合いで、紙芝居プロジェクトを検討中である。
「テーブル席での会話が突然止み、顔面蒼白となり、目玉がグルグル回り始めた。大丈夫と声を掛けたら、大丈夫と返ってきた。再び同様の状態になり、胸を押さえている。オカシイと見る間に、後ろの壁に頭を持たれ仰け反った。大変だ!とカウンター内の店長に報せ、救急車を呼んだ。待つ間、大丈夫かと声を掛けるが失神状態で応答なし。その間、20分位? 失神していた!」これは翌朝9時に電話で取材したときのNJの証言。
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失神男の証言
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NJとの食事・飲み会は話題が八方に飛び実に楽しい。冷酒も旨いし、寿司も美味い。目の前にいるはずのNJが消え、3人の白ヘル白装束が自分に語りかけるように覗き込んでいる。その後ろの白いライトが眩しい。何かオカシイ。頭がボヤッとして状況がつかめない。遠くでNJの声も聞こえる。
ハタと気づくと、床に仰向けに寝かされている。
トロでも握ってもらうはずが、握られているのは自分の腕、握っているのは白ヘル軍団。どうもオカシイ。3人の白ヘルが三方から覗き込む。状況がつかめない。 幼稚園児に問い掛ける口調で、アナタの名前は? シャラクセイ!コチトラ江戸ッ子デー!と答えたいが、意外にも素直に返答してしまった。これでゆっくり眠らせてもらえるとウツラウツラしたが、白ヘルはおうむ返しに、ハイXXさん!と大声で次の質問に移る。生年月日は? ここはどこ? などと幼稚な質問で攻めてくる。とにかく眠らせてくれ! とウツラウツラするが、白ヘルは眠らせてくれない。西暦で答えるか昭和にするか躊躇したが、とにかく生年月日は答えた。大丈夫だと会話しているようだ。ヒトサマの身体を右に左に転がし、シーツのようなキャンバスのような布地に乗っけてくれた。わー!ラクチンと思う間もなく、ストレッチャーに乗せられた。ここまでは覚えている。
翌日、頭がおかしくなっていないか自己診断するために、ノートに思い出す断片を、思い出すたびに、書き付けていった。たぶんスシ屋で点滴を打ち込まれたのだろう。移動する途中で、付き添う白ヘルが点滴のボトルを掲げていたような気がする。だが、ウッツラの記憶に自信は無い。それが事実なら、まるでハリウッド映画の一場面だ。
さらに薄い記憶は途切れず・・・。そこは地下2階のスシ屋だった。ストレッチャーに寝かされたままエレベーターに乗った気がするが、これは確信がない。白ヘル軍団は意外と優しくハイXXさん!と名前を呼んで、今何をしますネ!と、その都度、作業状況を実況中継してくれる。苦しくも痛くも何ともない。ヤクを打たれたのかも? 苦痛は無く、今はひたすらに眠い。だが、優しい白ヘルお兄さんは、ウルサイくらいに話しかけてくる。眠らせてくれない。
救急車で移動しているのも微かに憶えているが、今はとにかく眠い。NJは添乗してくれたそうだが、救急車内ではNJのことは念頭にない。それより一刻も眠りにつきたい。救急車の揺れが揺籠のように心地良い。眠い!だが白ヘルお兄さんがまとわりついて、ウルサク話しかけ、眠らせてくれない!
あと知恵になるが、三途の川を渡らせないための高等戦術を連発しているようだ。
そのお陰で微かだが記憶はほとんど途切れずに残っている。だが眠い。とにかく眠い。救急車の揺れも気持ち良い。どこかの病院に到着したようだ。これでジックリ眠れると思った。周りがザワザワしている。だが、コチトラは毛布で覆われストレッチャーに縛り付けられているようで、頭を動かすこともできない。
だから、見える世界は真上だけ。スシ屋の眩しい天井のライト、食堂街の高い天井、銀座4丁目角の宵闇空(夜風が気持ち良かった)、救急車内の低い天井、心地良い揺れ、一瞬外気を感じたと思う間もなく、とある病院病棟の裏口、何やらテキパキと事務引き継ぎ、白ヘル軍団から白衣の天使に変わる。男の声から女性の声に変わった。おぼろげに覚えているが、記憶は微かなのだが、それだけで幸せな気分になった。なぜか安心できる世界にたどり着いた心境だった。
アウンサン将軍もラングーンの総合病院に入院したことがある。将軍は失神男とは違い、病室ではヤンチャ坊主であった。大勢いる若い看護婦では言うことを聞かない。婦長さんの言いつけだけはおとなしく従った。将軍は後にこの婦長さんと結婚し、二男一女をもうけた。その一女がアウンサンスーチーで、この婦長だったアウンサン夫人は"ドー・キンチー"の敬称で、ミャンマーの人々からは尊敬の念を込めて、亡くなった今でも慕われている。
スーチーは母親の名を冠した「ドー・キンチー財団」を設立し、政治とは完全に切り離した移動図書館バスを仕立てて、ミャンマー全土の特に辺境の地で子供達に絵本や書籍に接する機会を用意した。その理事長を長いこと務めていたのが、現在のミャンマー連邦国大統領ウー・ティンチョウである。イケナイ、イケナイ、職業病が出てしまった。いまの主役は失神男である。話を戻そう。
失神男は花園の中にいた。モチロン男性のドクターもいたはずだが、軽薄な失神男の眼中にはナイチンゲールしか見えなかった。三途の川の手前でウロチョロしながらも男たちに対しては警戒のヨロイを纏っていた。だが、白衣の天使たちの前では完全に無防備なほどお任せ気分になった。
初対面なのにハイXXさんと失神男の名を親しげに呼んでくれる。嬉しくなった。ヨク考えると、事務引き継ぎがしっかりしているのだろう。女性の声でXXさんである。
着ていた衣服が上下ともにテキパキと脱がされる。失禁しているようですネ! オムツに変えましょうネ! 道理で足の一部が冷たかったような気がする。恥ずかしさを感ずる間も無く、ナイチンゲールはテキパキと処理していく。スシ屋の親方に、今日はお任せだ!適当に!と頼んだ気分だ。
後になって考えると、大の男が失禁とは情けない。だが、オレのションベンは純正アルコール100%だ。だから、汚くはネーんだと自分で納得することにした。これも後になって考えたが、初体験の紙オムツ姿もナサケナイ。だが、あの時は俎板の鯉だった。イヤ、ちっぽけなメダカだった。あの時点では、母親の胎内で心地よく眠る胎児だったような気がする。
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それからどうした!
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駅で下車し、いつもは7、8分掛かるところを、タクシーには乗らずユックリ歩調で、15分掛けて自宅に戻った。軽く酔った気分で頭ははっきりしない。心臓に問題があると言われた気がした。用心して二倍の時間を掛けたのだ。自分のバッグはしっかり持っている。病院からは幾つかの書類はもらったが、薬は何一つもらわなかった。そして病院内の黄色い線に沿い歩行演習をして、帰宅を許可されたことを思い出した。
自宅にたどり着くと、ビニールに包んで戻されたパンツを点検、それを裏返して手揉みで洗濯、続いてズボンも裏返して点検しながら洗濯。そして、装着された紙オムツはつけたまま、いつもの通り「NHKのラジオ深夜便」を聞きながらベッドに横になるが眠れない。電気を消しても眠れない。
今日は自分に何が起こったのだろう?
ウツラウツラはしたが、熟睡できない。いつもの通り午前2時に目が覚めた。読みかけの本を開けるが、頭の中は昨日の出来事で一杯だ。何だったのだ、アレは!
新橋の北海道料理からスタートする。一つ一つの断片をノートする。思い出せない部分は空白として、次に進む。リクルートと大きく書かれたビルをNJと見上げる。ソニービルを通り越す。並木通りを右折して三笠会館でUターン、そして四丁目の三愛までくる。すべて克明に覚えている。頭の中味はイカレテいないようだ。向いのビル地下のスシ屋のカウンターは避け、どのテーブルについたかまで鮮明に覚えている。NJが好みを聞いてくれ、ひかりモノを注文したことまで覚えている。と記憶を何度も復習した。
そうだNJが適切な判断と処置をしてくれたお陰で、自分は今生きている。呼吸をしている。そうだ、朝一番にNJにお礼と今朝の状況を報告しなければ、そしてスシ屋に大迷惑を掛けた挨拶をせねばと、気付くと急に眠くなった。外はまだ暗い。そして朝9時に駅近くのコンビニからNJに電話を入れた。お礼もそうだが、NJには確認したいことが一杯あった。その後、この日は一日中自宅で安静に努めた。
二日目、開店時間の11時を待ち、ホンのお印の菓子折りを用意して、例のスシ屋に御礼参りに行った。すでにGWの連休に入っている。開店20分も経たぬのに、もう半分ぐらいは客で埋まっている。大繁盛だ。カウンターの中で応対していた店長がわざわざキャッシャー脇まで出てきてくれた。また迷惑を掛けてしまった。挨拶すると、ビックリした顔で、大丈夫ですかと安否を尋ねてくれる。食器を壊したり、テーブルをひっくり返したり、隣のお客に迷惑を掛けたりしていたら、弁済したいと申し出ると、それは全くありませんとキッパリと確認してもらった。忙しいランチタイムである。名刺を交換して、早々に失礼した。これで贔屓の店が銀座にできた。
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病院で渡された書類
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失神男が夢ウツツで白衣の天使に囲まれて幸せだった時、兄弟分のNJは担当医にシッカリと確認してくれていた。ニトログリセリンを処方してもらえますか? イヤそれは不要です。心筋梗塞の疑いは全くありません。この確認は失神男にとって非常に重要な専門医の言葉であった。後でその話を聞き、NJには心底感謝した。
それだけでは無い。失神男が海外に住んでいることを説明して、いかなる緊急事態にも対応できるように、心電図を含めたすべてのデータを診断書とともに「英語」で用意してくれていた。「聖路加国際病院」の公式封書に、この失神男を処置するであろう未来の担当医が、その宛先となっている。
この失神男の人生目標は「日本人として英語の達人」になることである。
メルマガ読者には申し訳ないが、メルマガ発行はその副産物でしか無い。
一流紙と言われるNYタイムス、Wポスト、WSジャーナル、BBC・・・などからミャンマーに関する記事を読み取り、その真贋を見抜き、 分析することにある。日本の新聞は対象外で読まない。
これは自分自身をモルモットにしてチャレンジする欧米人に対する闘いでもある。
そして日本人の英語発音がお粗末なのと、EU首脳、あるいはASEAN首脳と比較しても、積極性に欠けるのを、解決する極意を編み出すのが、不遜ながら、英語の達人の仕事である。
一つの例として、イギリスなどを除いてEU諸国の大半は誇るべき母国語を持っている。だが、今のwww.comの時代、その首脳たちは英語で議論しジョークを言い合う。その中でイジケた日本の首相・外務大臣だけが通訳を従え踏ん反り返っている。日本のトップに 上り詰めるなら、世界に通じる英語ぐらい勉強しろというのが、失神男の屁理屈だ。トランプとゴルフをするだけが総理の仕事ではない。
イケナイ、イケナイ、また脱線してしまった。
この原稿の結論は最終行まで出来上がっているが、キーボードの打ち込みが牛歩状態でおぼつかない。そしてGW期間中のプロバイダーの営業日程が不明である。ここで作業を中止して、すなわち尻切れトンボのままで、発信準備に取り掛かりたい。ラッキーならば5月2日(火)中に東京のプロバイダー様・様が配信してくれるはずだ。運を天に任せよう。
ありがたいことに、三年間ものメルマガ読者であるWHさんから"がんばれ!"とのタイトルで応援歌をいただいた。プロバイダー経由で届いた日付を見ると失神事件の一日前の4月27日付である。実に心強いエールである。このメルマガは読者の方のサポートで生きている。一言御礼を述べたい。
WHさん本当にありがとう。失神男はLive twiceです。
東西南北研究所
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