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<ミャンマーで今、何が?> Vol.21
2012.11.28
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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・ミャンマーで今、何が?

■ミャンマーの変遷

※今週は執筆者が高熱のため、代筆とさせて頂きます。

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2004年、私は初めて異国の国、ミャンマーの地に降り立ちました。

それから、毎年3回ほどミャンマーを訪れているので、通算20回以上になります。その間のミャンマーの変遷を纏めてみたいと思います。

2004年12月に初めてヤンゴン入りした当時は右も左も全く分からず、知り合いも誰もいない中で友人の知り合いを訪ね、先ずはミャンマーがどういう国かを見ることに専念しました。

当時のヤンゴンの印象は貧しい国と言うのを覚えています。顔にはタナカと言う伝統的な化粧(今のUVカット効果と肌がひんやりすると言う効果あり)をした人が多く、着る物はロンジーと言う伝統的な巻きスカート状のもの(男女共)を付けていました。これは今でも大きくは変わりませんが、ただ、それが汚れていたり、着古した感じの物を付けている人を多く見受けました。

日本でいえば昭和30年ごろの印象でした。(映画「三丁目の夕日」の時代に酷似)時間がゆっくり流れ、家族が団結し、皆やさしい穏やかな性格の国民性であることが良く分かりました。今でもミャンマーを訪れる日本の方々が皆、ミャンマーファンになるのは日本が失ったものがそこには現存する光景からではないでしょうか。

その後、毎年何度か訪れる中で、若者を中心に服装が変化してきました。粗末な衣服は徐々に清潔感が増し、色合いもカラフルになってきたように思います。今では日本の着物の生地をロンジーに使うのが流行っています。

初めて訪れた時から一貫して変わらないのはミャンマーの人々が大変親日的であること、争いを好まない、おとなしい性格の方が多い事、従い治安が日本より良いと言う事です。テインセイン大統領が推し進める民主化路線になるまでは軍事国家そのものでしたが、街で軍人を見かけることは殆どなく、知らなければ静かな街と言う印象でしかありません。最近は日本の交番の様な建物が町のあちこちに見受けられ、警察官が交通整理をする姿を良く見かけます。町が徐々に良くなってくる感じが暫く続いていましたが劇的な変化は起きていませんでした。劇的な変化が起きているのはここ1年の出来事です。

パゴダと言われる寺院がミャンマーのあちこちに沢山あります。これは軍事政権が民衆を抑えるために食料だけは確保すると同時に信仰心を高めると言う目的でパゴダを沢山作った為と解説してくれるミャンマーの方もおりました。シェッダゴンパゴダは圧巻です。

2007年当時は喫茶店などの店員の給与は月給10−20ドル程度と言う水準で、とてもそれだけでは自立した生活は営めず、必然的に家族が一つの屋根の下で皆が働き、お金を持ち寄って生計を立てると言うのが庶民の暮らしぶりでした。今から3年くらい前にお役人の給与改定が行われ、それを契機に給与水準が徐々に上昇を始め、今では縫製工場の職工が100ドル近い給与を得るようになっています。当然、物価もそれ以上のスピードでアップしており、庶民にとって楽な暮らしでないことは変わりません。しかしながら、それを受け入れ穏やかに暮らす人々の姿には感動すら覚えます。

さて、大きな変化が訪れたのは2011年になり、本格的な民主化路線の定着と、法律の改定により規制を受けていた数々の案件が緩和され始めました。象徴的なものが中古車の一部自由化です。輸入規則が一転二転して大きく儲けたり、大きく損を出す人が出ましたが、とにもかくにも沢山の日本車がミャンマーに押し寄せることになります。結果として、今まで考えられなかった大渋滞が頻繁に起こり、街中の道路と言う道路は駐車する車で溢れかえると言う事態を引き起こしています。

一方で、アジアを始めとする世界各国からビジネスチャンスを求め同国を訪問する経済人が引きも切らず、結果としてホテル不足、今まで1泊USD50-70.-程度だったホテルが一時期はUSD300.-近いレートを付けるなど、ホテル不足を露呈し、昨今はオフィイス不足が目立ち、入居費用もうなぎ上り、外国人の借りる部屋も不足すると言う事態になってきています。当然のことながらビジネスホテルが雨後のたけのこの如く出来始め、コンドミニアムやサービスアパートの建設ラッシュとなっています。

もうひとつ、最近の大きな変化は経済的に良くなってきたことでおしゃれにお金を使う女性が増え始めたと言う点です。最近の若い女性は最早、タナカは使わず、韓国化粧品にお金を使っているようです。日本の有名化粧品は日本より価格が高く、一部ハイエンドな女性で無いと手が出ないようです。また、今まではあまり見かけ無かったハイヒールの女性も目立ち始めてきました。どこの国でも女性の変化が真っ先に出てくるようです。男性の変化は殆ど感じません。

レストランもこの1年で次々と新しいお店が開店をしています。コカコーラとペプシコーラが覇権をめぐっての競争を繰り広げ、日本からもコンビニ(ローソン、ミニストップ等)が開店準備を進め、H&Mやユニクロ等の開店も噂され、オバマ大統領の訪問後にはマクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、スターバックスの開店予定などの噂も聞こえ出しています。まだまだ消費力は小さいとはいえ、6000万人を超える、今後目覚ましい経済成長が期待されるミャンマーには多くのビジネスチャンスを求めて世界中が押し寄せると言う展開になっています。

日本のODAで開発がすすめられているテイワラ工業団地(SEZ: Special economic zone)にもこれから多くの日本企業が進出を果たす事が確実視されており、益々の盛り上がりが期待されています。

来週からは執筆者が復帰できると思われますので、オバマ大統領訪問の様子やその後の同国の状況などレポートされることになっています。




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